外壁タイルが剥離する原因は? 気づいたら早めの補修が大切!


外壁にタイルを用いると、オシャレで耐火性も高くなります。しかし、「外壁をタイル張りにすると落剝が心配」という人もいるでしょう。それに、タイルの落剝を放置していると危険なうえ、外壁本体も傷みやすくなります。外壁タイルが落剝しそうだったり、落剝したりした場合は、速やかに対処することが大切です。

今回は、外壁のタイルが落剥する原因や対処方法を解説します。

  1. 外壁タイルの特徴は?
  2. 外壁タイルが剥離することによる問題点
  3. 外壁タイルが剥離する原因は?
  4. タイルが浮いてきたら要注意
  5. 外壁タイルの補修方法は?

この記事を読めば、タイルを用いた外壁のメンテナンスの目安などもよく分かるでしょう。外壁タイルのメンテナンス方法を知りたいという人も、ぜひ読んでみてくださいね。

1.外壁タイルの特徴は?

タイルとは、陶器やコンクリート、プラスチックなどでできている薄い板状の建築素材です。
タイルを使っていろいろな模様や絵を描くこともできますから、昔から装飾用の建築素材として世界中で使われてきました。
イスラム教の宗教施設である「モスク」には、美しいタイル張りの装飾が施されているところが多いです。
また、防水性にすぐれているところから、浴室などの水回りや外壁によく使われています。
特に、外壁にタイルを使うとコストがかかりますが、見た目が美しくメンテナンスが簡単といわれてきたのです。
ですから、一時期はマンションや公共施設の外壁にタイルが多く使われていました。

外壁タイルはビルに用いられることが多いのですね。
はい。見た目も美しくなるので一時期とても流行りました。

2.外壁タイルが剥離することによる問題点

タイルは厚さ数ミリ~数センチの薄い素材です。
ですから下地の上に接着剤で張りつけていきます。
接着剤にはいろいろな素材がありますが、近年はほとんど剥離が起こらないほど技術が向上しているのです。
しかし、築年数が経った建築物に使われているタイルは剥離の危険があります。
外壁タイルは水回りに使われているタイルよりも大きくて作りもしっかりしているのです。
その分、重量もありますから高いところから落ちて人に当たれば大事故になります。

ビルのメンテナンス不足で人に怪我をさせてしまっては大変ですね。
はい。企業イメージにも大きな影響を与える恐れがあるため、注意しましょう。

3.外壁タイルが剥離する原因は?

では、外壁タイルが剥離する原因はなんでしょうか?
この項では、その一例をご紹介します。

3-1.経年劣化

外壁は風雨や直射日光にさらされます。
タイルは外気候の影響を受けにくいといわれていますが、それはあくまで「タイルそのもの」です。
外壁は気温が高くなれば膨張(ぼうちょう)し、低くなれば収縮(しゅうしゅく)します。
この膨張と収縮の差は決して大きくありませんが、何年もくりかえしていると接着剤の劣化につながるでしょう。
接着剤がはがれてしまえば当然タイルも剥離します。

3-2.たたき不足

タイルを接着する際、ただ取りつけていくだけでなく強く圧迫してタイルを下地に圧着させます。
この作業を「たたき」というのですが、このたたきが不足しているとやがて外壁タイルが剥離していくのです。

3-3.モルタル材の不良

あまり質のよくないモルタルで接着されたタイルは、その分剥離も早くなるでしょう。
現在は、建築基準が厳しくなりましたが十数年前はいい加減な施工をする会社もゼロではありませんでした。
また、安価なモルタル材は質が悪い場合も多かったのです。

3-4.左官の技術不足

外壁タイルの施工工事を行うのは、左官です。
つまり、左官の腕がよければ外壁タイルは落下しにくいでしょう。
しかし、外壁タイルの需要が増えるにつれて、腕の未熟な左官が施工を行うことも増えてきました。
外壁タイルを圧着する際は、下地をきれいに清掃して接着剤をタイルにまんべんなくつけなければなりません。
しかし、左官の腕が未熟だと下地の清掃不足でゴミが下地についたままだったり、接着剤が均等にタイルについていなかったりします。
ですから、タイルも剥離しやすくなるのですね。

複合的な要因があるのですね。
はい。だからこそ定期的なメンテナンスが必要です。

4.タイルが浮いてきたら要注意

接着剤が劣化してタイルが剥離してくると、「浮き」という症状が出ます。
これは、文字どおりタイルが下地から浮いていくことで、ひどくなると一目で浮いているのが分かる状態になるのです。
ここまで症状が出ると、一刻も早く補修工事をしないといつタイルが剥離してもおかしくありません。
また、見た目は分からなくても検査をすれば分かる場合もあります。
タイルの状態を調べるには、専門の業者がタイルの外側をたたいていくのです。
このときにくぐもった鈍い音が聞こえた場合は、タイルと接着剤の間に空洞がある可能性が高いでしょう。
マンションや公共施設などは定期的に業者が建物の状態をチェックします。
このときに、剥離しそうなタイルがあればそのたびに直していくのです。
しかし、場合によっては外壁のタイル全面の補修工事が必要でしょう。

タイルの浮きがリフォームの目安なのですね。
施行してから時間がたっているビルは、一度業者にチェックしてもらいましょう。

5.外壁タイルの補修方法とは?

では最後に、外壁タイルの補修方法をご紹介していきます。
「はがれたら、また接着剤でつければよいのでは?」と思うかもしれませんが、そう簡単には行かないのです。

5-1.部分的にタイルがはがれた場合

タイルがはがれている箇所が数枚ならば、改めて接着剤をタイルに塗布して張りつけることも可能でしょう。
しかし、この方法ではタイルを改めて1枚1枚張りつけていくために時間がかかります。
そのためあまり大規模にタイルが浮いている場所には使えません。
一定の範囲でタイルがはがれている場合は、ピンニング工法やアンカーピンニング工法を行います。
これは、タイルと下地の間にビスを打ちこみ、そのビスのすきまに樹脂を埋めこむことによって、タイル全体の剥離を防止する工事です。
この工事ならば、タイルをはがすこともなく補修工事を行えます。

5-2.全体的にタイルが劣化してきた場合

ビルの老朽化が進みタイル全体が浮き上がってきた場合は、タイルの上に新しい外壁をかぶせてしまう方法もあります。
本当は、タイルを一度はがしてもう一度張り直すのが一番なのですが、そんなことをすれば高額な費用がかかるのです。
ですから、劣化した外壁タイルの上に新しくて軽い外壁材をかぶせてしまいます。
また、特殊な接着剤で細かいタイルをまとめて固める方法もあるのです。
しかし、この方法はいくら軽いといっても新しい外壁材の分余計な重量がビルにかかります。
ですから新しい負荷にビルがたえられるかどうかよく計算して行いましょう。

補修方法も複数あるんですね。
はい。落剝が始まったらできるだけ早く補修を行いましょう。

まとめ

いかがでしたか?
今回は外壁タイルの剥離原因と補修対策についてご紹介しました。
まとめると

  • 外壁タイルは経年により接着剤が剥離して落下する。
  • 外壁タイルを施工した左官の腕が未熟な場合は剥離までの年数が短くなる。
  • 専門家がタイルをたたいてみて、鈍い音がした場合はタイルが浮いている可能性が高い。
  • タイル全体が劣化している場合は、新しい外壁材をかぶしてしまう補修方法もある。

ということです。
欧米では、タイルはいつ剥離するもの、という考え方だとか。
ですから、欧米のビルでは外壁にタイルが使われることはほとんどないそうです。
そう考えると、見栄えがよくてメンテナンスが簡単だからといって安易に外壁タイルを使うのも考えものでしょう。
いくら接着剤が進歩しても外壁タイルの落下を完全に防ぐことはできません。
ですから、マンションの管理組合やビルのオーナーは定期的な点検を欠かさず行ってください。
万が一外壁タイルが落下して通行人に当たったら大変なことになります。
また、数枚のタイルの浮きを放置しているとあっという間に広範囲に浮きが出てくる場合もあるのです。


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