セラミック塗料の特徴やメリットは?施工前に知っておくべきこと


建物の耐久性を維持するために必要なのは、定期的なメンテナンスです。老朽化の目安となり、建物を維持していくためにはなくてはならないこと。目につきやすい外壁や屋根の塗装を意識する方も増えています。塗料は経年劣化し、次第に耐久性を失ってしまい、急速な建物の劣化を招いてしまうため、放置することは危険です。塗り直しのタイミングで、さまざまな塗料から選択しを選ぶことがあるでしょう。しかし、予備知識がなければ、住宅事情に合う塗料を選べず、施工後に後悔してしまうケースも少なくありません。

近年では、高機能塗料が注目を浴びていますが、これからご紹介するのはセラミック塗料です。失敗のない施工で、満足がいく結果を得られるためには受け身にならず、自分なりに情報収集した材料の中から合う塗料を納得して選び、安心して依頼できるようにしましょう。

  1. セラミック塗料の特徴
  2. セラミック塗料のメリット
  3. セラミック塗料のデメリット

1.セラミック塗料の特徴

セラミック塗料も高機能性塗料として話題になっている塗料です。ほかの塗料にはない性質があり、セラミック塗料を塗装することで建物の機能性も上がるといわれています。特徴を知り、ほかの塗料との違いを知っておくと安心です。

1-1.セラミックとは?

セラミックとは、陶磁器を意味する言葉。砂・砂利など大粒から微粒子までを指し、無機質なものを表しています。セラミックは耐熱性・耐久性・耐候性に優れた性質を持っているため、外壁塗装など高機能を求めるものに生かしているのです。

1-2.セラミック塗料詐欺に注意

高機能塗料として注目を集めているセラミック塗料を語る、類似塗料が出回っています。名称も非常に似ているものがあり、セラミックス塗料など間違いやすいものが多いのです。

セラミック塗料を依頼したつもりでも、高額費用を受け取って類似塗料でごまかして施工してしまうケースも後を絶ちません。特に、通常のセラミック塗料は一般的な塗料より1.5倍程度の費用が目安。セラミック含有量が少ない・セラミックを含んでいないなどの粗悪な塗料で高い費用を取られる詐欺には注意が必要です。セラミックを含んだ塗料と聞いただけで判断しないようにしてください。

1-3.セラミック塗料の種類

悪質な業者に騙(だま)されることがないよう、セラミック塗料の種類を把握しておきましょう。

  • Duflonファイン4Fセラミック(日本ペイント)
  • アレスアクアセラファッソ(関西ペイント)
  • 水性セラミシリコン・セラミクリーン(エスケー化研)
  • カラーセラミックスシリーズ(山本窯業)

現在広く使われているセラミック塗料は、上記を参考にしてください。大手メーカーより販売されているセラミック配合の塗料は高品質です。

特殊セラミックを配合した日清産業株式会社から販売されている「ガイナ」も注目されています。セラミック塗料の新水性に加え、遮熱・断熱効果をプラスしたもの。ガイナは、JAXAがロケット開発に用いた技術を応用して作られている特殊セラミックを使っています。各種メーカーが販売しているセラミック塗料の耐用年数は、シリコン配合タイプで10〜13年、フッ素配合タイプで15〜20年です。

また、特殊セラミック塗料のガイナはシリコン配合タイプに属しますが、耐用年数を20年としています。セラミック塗料を選ぶポイントにしてみてください。

セラミック塗料は、遮熱・断熱効果があるんですね。
はい。しかし、塗料によっては粗悪品もあるので注意しましょう。

2.セラミック塗料のメリット

近年、高機能塗料が広く認知されるようになってきていますが、セラミック塗料が持つ機能を理解しておくと選ぶポイントになるでしょう。セラミック塗料がもたらすメリットをご紹介します。

2-1.耐熱性

セラミック塗料を塗装すると、乾燥する過程でセラミック成分が表面に浮き出します。塗膜表面に浮き出たセラミックは、建物を熱から守る耐熱性を発揮するのです。太陽光や紫外線による熱から保護し、室内に熱が侵入するのを防ぎます。

2-2.耐久性

セラミック塗料がもたらす最大のメリットは、耐久性の高さ。一般的な塗料より、2〜3倍の耐久性が期待できるのです。高密度のセラミックが塗膜表面を覆い、建物を太陽光・紫外線・雨・風などから守り、建物自体の耐久性もアップします。水性セラミック塗料は、油性とは異なり通気性も良く、より建物の寿命が延ばすことができるのです。

2-3.遮熱性

特殊セラミック塗料として名高いガイナは、特殊セラミックビーズが塗膜で空洞を作り、熱が加わることで空気が抜けて真空状態になります。真空状態が熱から建物を守り、高い遮熱・断熱効果が得られるものです。

2-4.防汚性

セラミック塗料には、親水性という性質があります。汚れが付着しても、雨が汚れと塗膜の間に入り込み、自然に汚れを落とす防汚性が高い塗料です。

また、セラミック塗料は一般的な塗料より静電気が起こりにくく、ほこりやゴミが付着しにくい性質も持っています。汚れの付着は、カビ・コケ・藻などの発生原因の1つ。低汚染性もセラミック塗料のメリットです。

2-5.難燃性

セラミックは、無機質という鉱物でできています。無機質で構成されたセラミック塗料は、有機物を含んだ一般的な塗料より燃えにくい難燃性のメリットもあるのです。

セラミック塗料のメリットは複数あるんですね。
はい。ただし、メリットだけではありません。

3.セラミック塗料のデメリット

セラミック塗料は高い機能を備えた塗料ですが、メリットも多い反面、デメリットも存在します。どちらも理解してから、施工するように心がけてください。

3-1.クラックやヒビ割れ

セラミック塗料は、無機質で構成された塗料であるため、塗膜表面が硬くなる傾向があります。硬いために、クラックやヒビ割れも発生しやすいデメリットがあることを覚えておきましょう。塗膜の耐用年数は長くても、クラックやヒビ割れが耐用年数に関係なく起こる可能性があるのです。セラミック塗料特有のデメリットといえます。

3-2.施工費用が高い

セラミック塗料は、一般的な塗料に比べて施工費用が高くなります。しかし、悪質な業者による粗悪なセラミック類似塗料販売もあるため、価格が安いからと安易に決めてしまうのは考えものです。費用をかけて塗り替えをしたけれど、想定していたより短い期間で寿命を迎えたというケースもあります。施工費用の高さはデメリットでもありますが、耐久性の高い良質なセラミック塗料と信頼できる業者選びが何より大切です。

クラックやひび割れが発生しやすいんですね。
はい。また、費用も高いので、施工実績が豊富な業者に依頼しましょう。

まとめ

セラミック塗料についてご紹介しました。

  • セラミック塗料の特徴
  • セラミック塗料のメリット
  • セラミック塗料のデメリット

高機能塗料による外壁塗り替えを検討する方の中には、セラミック塗料も多く選ばれています。施工前にはメリット・デメリットをきちんと把握し、悪質な業者による類似塗料を選ばないように知識を持っておくべきです。セラミック塗料には耐熱性・耐久性・防汚性などのメリットがありますが、施工費用が高くなるデメリットもあります。セラミック成分を含んだ塗膜は硬く、クラックやヒビ割れが起こることもあるので、特徴をよく知ってから施工するようにしてください。


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