タイルの外壁や目地補修は所有者の義務! 施工について詳しくご紹介


外壁に使われるタイルは、目地の経年劣化や衝撃などによるタイルのひび割れが徐々に目立ち始めます。いかに家をきれいに維持するかは、外壁の手入れしだいでしょう。DIYでメンテナンスをする方もいます。しかし、施工には補修や目地の処理といったコツが必要です。
目地の補修をせずに外壁工事をしても、耐久性などに影響してしまいます。家に雨水が浸入するなど、甚大なる損害を被ることもあるのです。ちょっとしたひび割れでも、見逃さずに対処しておくことが安心につながります。
長持ちする家を意識するなら、タイルの補修については知っておき、補修のタイミングなどを知るきっかけにしてください。今回は、外壁タイルの補修についてご紹介します。外壁工事を検討されている方は、タイル補修の重要性や工法などを覚えておきましょう。

  1. 外壁タイルの基礎知識
  2. 外壁タイルの補修について
  3. 外壁タイルの補修方法
  4. 外壁タイル補修の大まかな流れ
  5. 外壁タイル補修業者の選び方
  6. 外壁タイル補修でよくある質問
  7. まとめ

この記事を読むことで、外壁タイルにかんする知識を身につけることができ、補修業者選びも迷うことがありません。外壁は面積も広く、DIYでは見過ごしてしまう部分もあります。家の寿命を延ばす目的も兼ねて、適切な処理を行うようにしましょう。

1.外壁タイルの基礎知識

まず、外壁タイルについてご紹介します。どのようなメリットがあり、耐用年数なども知っておき、メンテナンスに生かしてみてください。

1-1.外壁タイルとは? 

タイルの素材は、無機質な陶器などです。外壁以外では、屋根や床材として使われることもあります。大正11年にタイルという名がつけられました。今ではもざいくタイルシールもあり、DIYでも多用されています。

1-2.タイルの種類や工法

1-2-1.外壁タイルの種類は3つ

タイルには、陶磁器・炉器質・磁器質といった種類があります。陶磁器の原料は陶土や石灰です。炉器質と磁器質は長石などを原料としています。磁器質のタイルは、叩(たた)いたときに高音が出ることと、摩耗しにくいのが特徴でしょう。メーカーは、INAXやLIXILが代表的です。

1-2-2.外壁タイルの工法は2つ

外壁タイルの工法は、大きくわけて2つあります。湿式工法と乾式工法です。

1-2-2-1.湿式工法にも3種類ある

湿式工法はさらに細分化され、積み上げはり・圧着はり・ユニットはりとなります。タイル工法では積み上げはりが最もポピュラーな工法となり、下から上に1段ずつ積み上げていく手法です。
圧着はりはモルタルを塗ってからはりつける工法となります。ユニットはりは別名をマスク工法と呼び、もざいくタイルといった細かなタイルをはりつける際に用いられている手法です。

1-2-2-2.乾式工法は2種類

乾式工法には、下地に塗った接着剤へタイルをはりつける接着はりがあります。もう1つは、外壁に下地処理をし、引っかけるようにはりつける工法です。引っかけ工法と呼ばれるもので、近年導入事例が増えています。どちらも共通していえるのは、湿式工法より短期間で施工を終えることができ、ひび割れ対策にもなることでしょう。

1-3.外壁タイルのメリット・デメリット

タイルはほかの材質より、外壁のメンテナンスがいらないとされています。とはいえ、タイルのよさやデメリットもきちんと知っておくことが大切です。

1-3-1.タイルのよさは耐久性に優れているだけではない

耐久性に優れ、寿命が長いのが特徴です。防汚・防カビ対策にもなります。タイルの表面は滑らかで、汚れが付着しても軽く拭き取るだけで十分です。また、耐火性にも優れ、有害物質の発生を大幅に削減できます。
デザインや色も豊富で、理想を形にしやすいのもメリットでしょう。外壁にも室内にも応用できます。

1-3-2.ほかの材質より初期費用がかかる

タイルは維持管理しやすいメリットがある一方、初期費用はほかの材質より高いです。しかし、寿命が長い点から考慮した場合、非常に高い買い物ではありません。
ただし、タイルそのものはメンテナンスフリーに近いとはいえ、目地が傷みやすいです。目地の補修を怠ると、雨漏(も)りや腐食に発展することも想定しなければなりません。

1-4.外壁タイルの耐用年数

タイルは半永久的に持ちます。しかし、目地は紫外線により劣化し、コーキングがはがれ落ちてくるでしょう。およそ10年で補修が必要となります。目地はすき間のように捉(とら)えられることが多いです。実際は、タイルとタイルをつなぐ重要な役割を担っています。従って、補修をしなければタイルがはがれ落ち、家そのものの耐久性に影響をおよぼすのです。

2.外壁タイルの補修について

タイルは外壁を覆うように保護しています。しかし、ひとたび地震や過剰な温度変動を受けた場合、目地に異常をきたす恐れもあるため、こまめにチェックすることが大切です。

2-1.外壁タイルの補修とは? 

タイルは非常に丈夫です。しかし、衝撃によるひび割れは懸念されます。従って、災害後などは必ず異常の有無を確認するようにしてください。目地は積雪や凍結などの温度変動で柔軟性を失い、ひび割れや摩耗が進みます。必要なのは、タイルを維持するための目地を補修する作業です。

2-2.外壁タイル補修の必要性

目地の傷みを放置した場合、外観の美しさはそのままでも、すき間から浸水被害に遭う恐れが高いです。ですから、タイルばかりに着目せず、目地のチェックが必要となります。タイルの落下にもつながり、結果的に外壁を傷めることになるのです。補修はこまめに行い、家の基盤まで浸水による腐食が起こるのを予防しなければなりません。

2-3.外壁タイルを補修するタイミングは? 

補修が必要となるサインを知っておき、被害が拡大する前の工事をおすすめします。わかりやすいのは、ひび割れ・雨漏(も)り・タイルの剝落といった症状です。ひび割れが小さなうちに施工し、雨漏(も)りに発展するのを防ぐようにしてください。

2-4.外壁タイルを定期点検する必要性

目地のひび割れは、肉眼では発見しにくい場合もあります。被害に気づかず、雨漏(も)りや剝落が起こってから慌てて工事を希望しても、すぐに施工とはいかない場合もあるのです。
また、タイルは常に紫外線や風雨の影響を受け、目地のコーキング剤が劣化する原因ですから、すき間にカビが繁殖する危険性もあります。被害が拡大してから施工するより、軽いひび割れに留(とど)まっているうちに施工する方が費用も抑えられるでしょう。
タイルが剝落し、ケガや事故などの二次災害を防ぐことも目的としています。剝落が下地であるモルタルごとなら、死亡することもある大惨事です。危険を回避する意味でも、定期点検は怠らないでください。

2-5.一戸建てと集合住宅の比較

一戸建てと集合住宅では、さほど大きな違いはありません。規模に差があり、集合住宅の方が補修工事も大がかりになります。費用も集合住宅の方が高いです。平成20年4月より、建物の集合住宅にかんする決まりが義務化され、定期点検を怠る所有者は罰金刑となりました。従って、メンテナンスの1つとして、忘れずに行うことが求められます。人の利用が頻繁な共用スペースは摩耗が激しいため、こまめな補修を心がけてください。

3.外壁タイルの補修方法

外壁タイルは、補修を要する規模によって工法もさまざまです。

3-1.部分補修

ひび割れが発生している部分だけに施工する、部分補修があります。コーキング剤などを使い、ひび割れた目地を上塗りしていく作業です。ひび割れ箇所のチェックには、打診棒を使います。叩(たた)く音の違いで、タイルの浮き具合を確認できるものです。タイルの欠損がある場合も、部分補修で目地からタイルをきり離し、新しいものをはりつけます。
部分補修は小規模の施工で済むため、費用負担が軽いのがメリットです。しかし、補修部分としていない部分の色に差が出てしまい、目立つのが気になるという方もいます。

3-2.下地補修

下地に不良箇所がある場合、取り除(のぞ)いてモルタルから作り直す作業を行います。下地補修というもので、不良箇所をすべて壊し、モルタルで整えて施工するものです。爆裂やひび割れて鉄筋がむき出しになっている場所に対しても、下地補修を行います。
爆裂は、内部の鉄筋がさびることで起こる現象です。重量に耐えられず、外壁を押し出して露出して欠損などに発展します。下地の劣化を補うため、ひび割れに対して等間隔に下地を注入していく作業です。早めに異常を察知できたなら、下地補修だけで済みます。目地の施工箇所が目立たず、きれいな仕上がりになるのがメリットです。

3-3.全体補修

部分補修は小規模で済む一方、補修箇所が目立つデメリットがあります。しかし、全体補修はムラなく修繕することができ、統一感がある仕上がりが得られるのがメリットです。1回の補修で爆裂やひび割れなどすべての箇所を修復可能となり、建物の寿命を延ばすことができます。
デメリットとなるのは、足場組みが必要となることです。足場がある場合、防犯での不安がつきまといます。また、室内が暗く感じるなど、環境面での不快さもあるでしょう。無足場工法を取り入れた業者を利用するなど、対策を講じることをおすすめします。予算を抑えたい場合も無足場工法は有効です。

3-4.塗り替え

タイルは基本的にメンテナンスはいりません。しかし、汚れなどにより劣化が起こることもあり、塗り替えできれいな状態に戻す方法があります。タイルの塗り替えでは、目地を除(のぞ)く全体に施工を行うのが一般的です。トータルで美観を取り戻すことができるメリットがあり、耐久性も増します。
全体補修と同様に、足場組みが必要です。費用がかかるデメリットがあります。

3-5.落下防止工事

モルタルの劣化による剝落やタイルの落下を防止する工事が、落下防止工事となります。定期点検の義務化により、落下防止工事は増えています。大規模修繕となる工事で、足場も必要です。
メリットとして挙げられるのは、建物全体を総点検して補修することができ、安全面での向上が期待できます。ひび割れからモルタルの劣化まで幅広く、1回の補修できれいにすることが可能です。
足場が必要となることと、建物全体の補修費用を要するのがデメリットでしょう。とはいえ、タイルを使った建物の定期点検は義務ですから、避けてとおることはできません。

4.外壁タイル補修の大まかな流れ

点検から補修までの流れをご紹介します。

4-1.外壁タイル補修の流れを覚えておこう

4-1-1.総点検からスタート

施工前は、必ず現地調査でひび割れや劣化部位を確認します。現在の状態を把握して総点検するためです。打診棒を使い、音の反響で異常はわかります。タイルの浮きも、打診棒と視認で調査可能です。

4-1-2.はがす

異常箇所のタイルをはがす作業に入ります。タイル落下や剝落防止のため、飛散防止ネットの設置は必要です。はがす作業には、ダイヤモンドカッター・ノミ・タガネといった器具を使います。

4-1-3.下地・目地補修

劣化部位はモルタルで補強し、つなぎ目を埋めていきます。必要に応じ、タイルの上からモルタルを塗る場合もあるでしょう。タイル表面に残ったモルタルは、拭き取るだけで落とすことができます。

4-2.外壁調査について

外壁調査を速やかに行うべきタイミングは、温湿度の変動が激しい・凍結や溶解を繰り返す・地震災害後です。目地のひび割れや劣化が進みやすい時期になりますから、必ず定期点検を実施してください。地震による影響は、外壁以外に家の基盤が歪(ゆが)むことがあります。タイルに大きな亀裂が入り、崩壊する危険性もあるでしょう。二次災害を防ぐためにも早期補修が望ましいです。

4-3.外壁タイル補修の日数

外壁タイル補修は、規模・タイルの種類・工事内容により日数に違いが出てきます。タイルが同じものがあるとは限らず、制作に時間を要する場合もあるのです。業者とよく相談し、工事日程を組むようにしましょう。

4-4.外壁タイル補修にかかる費用

費用も工事期間と同様で、規模・タイルの種類・施工内容で変わります。特殊タイルを使用している場合、相場より上がる傾向にあるでしょう。足場にかかる費用が多くを占めており、費用削減には無足場工法を取り入れている業者を活用するなど、上手にコストダウンする方法もあります。

5.外壁タイル補修業者の選び方

施工技術で差が出る工事ですから、業者選びは慎重に行ってください。

5-1.どのようなポイントに重点を置いて選ぶか? 

施工例を見て決める方法もあります。希望する工事内容に近いものを実際に見学してもいいでしょう。なるべく施工数が多い業者を選び、安さに惑わされないことが大切です。1社で決めず、複数の業者を比べてください。

5-2.無料診断と見積もりは活用しよう

無料診断をしている業者は多いです。インターネット経由で申し込みも可能ですし、対応もわかります。業者の質なども判断できるきっかけですから、存分に活用してみてください。見積もりはすべて確認し、ほかの業者と比較する材料にしましょう。

5-3.トラブル時の保証やアフターフォローにも注目

施工後は、何かと不安もつきまといます。トラブルが起きた場合、保証がなくては実費負担で補修が必要です。無駄な費用をかけないためにも、保証やアフターフォローが万全な業者を選んでください。施工後、時期を決めて定期点検をしてくれるなど、充実したアフターフォローは重要です。

5-4.費用を節約するコツとは? 

安さにとらわれ、施工ミスなどがあっては困ります。施工費用の多くは、足場代である事例があるため、無足場工法を導入している業者に相談するといいでしょう。費用を節約できます。いずれも、実績がある業者に依頼してください。

5-5.タイル補修で多いトラブルは? 

費用と施工内容が見合わない、ずさんな工事をされてしまうといったトラブルは多いです。タイルをしっかり接着しておらず、落下による事故も起こる場合もあります。ですから、業者の施工事例などを見ることが、悪質な業者に引っかからないポイントなのです。

6.外壁タイル補修でよくある質問

外壁タイル補修で多い質問をまとめました。疑問点の解消に役立ててください。

6-1.集合住宅の場合は住人への告知が必要? 

さまざまな作業を行う中で、生活しにくいと感じる方もいます。工事期間や作業内容をあらかじめ伝え、安全を維持するために必要だと理解してもらいましょう。

6-2.依頼前に雨漏(も)り箇所などは記録しておくべきか? 

雨漏(も)りといった重大な異常は、写真やメモなどを残しておいてください。診断の際もスムーズに点検でき、補修を強化すべきポイントだと判断しやすいです。

6-3.無足場工法について知りたい

足場代は、全体の費用から見た場合、5~8割に匹敵するとされています。弊社では足場を使わない独自の無足場工法で、隣家との距離が近い場合でも施工可能となりました。平成13年より開始し、実績も豊富です。費用削減を希望される方もお問い合わせください。

6-4.クラックとは? 

細かなひび割れをクラックと呼びます。一見さほど影響がないように感じるひび割れでも、奥深くまで浸水する場合もあるのです。プロの診断を受け、適切に対処すべきでしょう。

6-5.浮きや剝落の補修はどんな工法で行う? 

ピンニングという手法で、樹脂を注入して補修します。アンカーピンで固定し、ピンニングを行うアンカーピン工法を用いる場合もあるでしょう。診断状況に応じて適切な手法を選びます。

7.まとめ

いかがでしたか? タイルは美しく個性的な印象を表現でき、耐久性も優れています。しかし、振動や衝撃が加わって劣化することもあり、目地は特に経年劣化を起こしやすいです。タイルを使った建物の所有者は、定期点検が義務化されました。怠った場合は処罰されるとともに、事故など他人(たにん)を巻き込む恐れもあります。見えない箇所に傷みが発生している可能性もあるため、プロの診断を受けて確認しましょう。早めの補修なら小規模工事で済みます。放置した場合は、必然的に大規模な補修を要することになるのです。無料診断を使い、まずは状況を把握してください。補修によって外観の美しさを取り戻し、安全性も強化されます。一石二鳥の工事となります、後回しにせずに定期的に行いましょう。


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