フッ素塗料のメリット・デメリットは? 知っておきたいポイント
皆さんはフッ素塗料という存在を知っているでしょうか。フライパンなどを買うときに「フッ素加工」という言葉を聞いたことがあるかと思います。その原料である「フッ素」は、塗ることでさまざまなメリットを得ることができるのです。しかし、デメリットも知っておかないと扱うときに困るのでチェックしておきましょう。
この記事では、フッ素塗料についてまとめました。
1.フッ素塗料の特徴
工業や家庭用品、さらには食品や医学用品にも使われているフッ素。その中でもフッ素塗料の特徴について紹介しましょう。
1-1.フッ素塗料とは?
フッ素塗料とは、外壁塗料で使われる塗料のひとつです。アクリル系塗料やシリコン塗料に比べて寿命が長いのが最たる特徴となります。
また、ほかの塗料に比べて耐候性が高く外壁の寿命延長につながるのです。さらに、耐熱性や耐寒性にも優れているので1回塗布するとさまざまな効果を得ることができます。
1-2.塗料の中でもグレードが高い
フッ素塗料は、ほかの塗料と比べて高級品となっているもの。その理由は、フッ素塗料の高い効果にあります。フッ素塗料は、耐候性が高いうえに長期の紫外線、雨風からの影響を防ぐメリットがある塗料です。その上、防汚染性能まで付いています。そのため、きれいな長期的な塗装を維持できる塗装です。変色や艶引けでもほかの樹脂と比べると段違いの性能を持っています。
1-3.進化するフッ素塗料
今までのフッ素塗料は、紫外線を防ぐ機能はありました。しかし、フッ素塗料自体が紫外線に弱いため塗料としての機能を十分に生かせないものもあります。ですが、フッ素塗料も進化して今では「4フッ化フッ素塗料」と呼ばれるものが登場しているのです。今までのフッ素塗料は「3フッ化フッ素塗料」と呼ばれていました。この3フッ化フッ素塗料に含まれる塩素原子と炭素原子は、紫外線の影響を受けて壊れてしまいます。この破壊が塗料劣化の原因でした。
しかし、4フッ化フッ素塗料では塩素原子がフッ素原子に置き換えられています。このフッ素原子は紫外線の影響を受けづらいため紫外線に強くなったのです。それだけでなく、人体に影響すると言われる塩素を取り除いたことにも成功しています。
4フッ化フッ素塗料は従来のフッ素塗料を上回る高性能塗料として外壁・屋根・サイディング・モルタルとさまざまな場所で使われている塗料です。値段も上がりますがぜひ使ってみてほしい塗料となっています。
1-4.フッ素塗料の値段
フッ素塗料の値段は、最近では少しずつ落ち着いてきているのです。以前と比べて使いやすくなっているのが特徴。平均的な値段としては2液型フッ素樹脂塗料で3000円となっています。水生フッ素になると2500円ほどです。やはり、性能としては2液型のほうが高性能となるのでおすすめ。
2.フッ素塗料のメリット
フッ素塗料は高価ですが塗るだけのメリットもあります。この項目にてチェックしておきましょう。
2-1.耐久性がある
フッ素塗料の際たる特徴は、ほかの塗料では実現できない耐久性です。フッ素塗料はほかの塗料と違って硬くなります。そのため、外壁に当たる雨風から守ってくれるのです。航空機にも採用されるほどフッ素塗料は硬くなる塗料となっています。
また、雨風だけでなく外観を長期的に保ってくれるのも特徴です。そのため、美観意識を上げたい建物やビル、飲食店などに使われています。
2-2.ごみが付きにくい
フッ素塗料は、ほとんどのものが引っ付きづらい特性を備えているのです。この塗料は日粘着性能が高いので汚れが落ちやすくなっています。また、フッ素塗料は親水性に優れているもの。親水性とは、水が付くことで膜を形成する性質のことです。水滴ではなく膜ができることで雨水と一緒に汚れが落ちます。そのため、セルフクリーニングの役割も担ってくれるのです。
さらに、フッ素塗料は電気特性も高い性能を持っています。フッ素は電気絶縁性があるため電気をためません。その結果、静電気も発生しづらいのでごみが付きづらい壁となります。ごみだけでなく臭い、環境汚染、ホルムアルデヒドなどさまざまな汚染から守ってくれるのがフッ素塗料です。
2-3.いちど塗ると長い間メンテナンスが不用になる
フッ素塗料は、塗ると硬くなって長期間外壁を守ってくれます。そのため、いちど塗ってしまえば長期間のメンテナンスは不用となるのです。状態がよい外壁だと15年は持ちます。また、外壁の汚れだけでなく艶と共に変色を防ぐのが特徴です。フッ素塗料は非常に高価な塗料。しかし、長い目で見れば何度も塗り直すより経済的となる塗料とも言えます。
3.フッ素塗料のデメリット
フッ素塗料は、多くのメリットがあると共にデメリットも存在します。そのデメリットについて紹介しておきましょう。
3-1.料金が高い
いくらさまざまな効果があっても一般家庭に塗るには高級品です。まだまだ一般家庭で使われるには少ないのが現状となっています。また、フッ素塗料自体の認知度もまだまだ低いです。今では外食関係や公共施設での使用が中心となっています。
3-2.ひび割れに弱い
フッ素塗料は乾くと硬くなる性質があるのです。そのため、建物自体にひび割れが発生すると補修するのが難しい性質があります。
たとえば、地震が発生したとしましょう。そのとき、建物にひびが入ったとします。その建物にフッ素塗料を塗ってあれば壁の表面は硬くなっているのです。そのため、揺れに対して耐えられずひび割れが発生しやすくなります。しかし、フッ素塗料による長期的なコーティング効果は大きいです。リスクとメリットを考えながら導入を検討しましょう。
4.業者に依頼するときに注意点
外壁塗装を業者に依頼するときは、気を付けてほしい点がいくつかあります。そのチェックポイントについて紹介しておきましょう。
4-1.見積もりを取るかどうか
外壁塗装を業者に依頼するときは、必ず見積もりを取ってもらいましょう。見積もりとは、外壁に塗装を施す際に掛かる金額を提示することです。業者が壁を確認して必要な部分を確認した後、どのような塗料が必要なのか提示してくれます。
しかし、見積もりは依頼者に対して金額を提示するだけではありません。業者が依頼を元にどのような行程が必要なのか確認する作業です。見積もりがしっかりできない業者は、作業が雑な可能性を意味します。見積もりを取るだけで業者の質がわかったりするもの。しっかりと見積もりは確認しましょう。
4-2.事前に壁・塗料を確認する
業者に依頼する前に自分で壁を確認しておきましょう。業者の中には勝手に作業を行うところがあります。また、確認できないところに思っても見ないひびや汚れ、傷があることも。しかし、塗装する前に業者は確認をします。勝手に塗られないように申告しておくことも重要です。
さらに、業者が使う塗料も確認しておきましょう。安い塗料だけを使ってコスト削減をするところもあります。しかも、塗料を水で薄めて使うところもあるのです。しっかりと作業や塗料にかんしてはチェックしておきましょう。
まとめ
この記事では、フッ素塗料に関する情報を紹介しました。最後に、フッ素塗料に関する大事な情報についてまとめておきましょう。
- フッ素塗料は高級な塗料である。
- 耐久性に優れ汚れ、暑さ、紫外線から守ってくれる。
- フッ素塗料は長期間外壁を保護する。
- ひび割れに弱い。
- 一般家庭への導入はまだ少ない。
- 外壁塗料を依頼するときは見積もりを取ってもらう。
フッ素塗料にはさまざまなメリットがあります。しかし、導入するに当たってはさまざまなデメリットも確認しておきましょう。導入すれば長年にわたってメンテナンスする必要がないため便利です。