無機塗料のメリット・デメリットとは?特徴とともにご紹介します。


外壁塗装は家の印象を大きく左右し、外壁を保護する役割を担って(にな)っています。
ですから、外壁塗料に使われる塗料はいろいろな種類があり、すべて特徴が違うのです。
そこで、今回はそんな塗料の中のひとつ、無機塗料のメリットとデメリットについてご紹介します。
外壁塗装は定期的に塗り替えが必要ですが、塗料の選択に迷っているという方も多いでしょう。
ですから、この記事を読んでぜひ特徴を把握してください。
そうすれば、選択の参考になります。

  1. 無機塗料にはどんな特徴があるの?
  2. 無機塗料のメリット・デメリットとは?
  3. 無機塗料が向いている家とは?
  4. 業者選びも慎重に
  5. 外壁塗装の塗り替えどきはいつ?
  6. おわりに

1.無機塗料にはどんな特徴があるの?

無機塗料の無機とは、炭素(C)を含まない物質を指します。
これに対し、有機というのは、炭素(C)を含む物質を指すのです。
もう少し具体的に説明しましょう。
有機塗料というのは、アクリル樹脂塗料やフッ素樹脂塗料を指します。
この「樹脂」に炭素が含まれているのです。
一方、無機物というと、ガラスや鉱物、陶器などがあります。
つまり、無機塗料とは今ご紹介したような無機物を原料とした塗料なのです。
建築材料として使われている無機物といえば、かわらが有名でしょう。
かわらは、土をこねて高温で焼いた陶器の一種です。
重いというデメリットはありますが、かわら屋根は風雨にさらされても長期間色あせや破損もなく、屋根を守り続けます。
無機塗料も同じです。
紫外線や風雨にさらされても長時間劣化せずに長持ちするでしょう。
ただし、無機塗料は完全に無機物だけでできているわけではありません。
多少の有機物は含まれています。
ですから、自然の鉱物のように半永久的に持つというわけにはいきませんので、注意してください。

2.無機塗料のメリット・デメリットとは?

この項では、無機塗料のメリットとデメリットをご紹介します。
前項で長持ちするご紹介しましたが、それ以外にもどんなメリット、そしてデメリットがあるのでしょうか?

2-1.無機塗料のメリット

前述したように、無機塗料の最大のメリットは耐久性です。
有機塗料であるアクリル樹脂塗料が6年~8年。
シリコン樹脂塗料が10年~13年の平均寿命に対し、無機塗料は条件さえよければ20年以上持つでしょう。
外壁の塗り替えにはそれなりのお金がかかります。
ですから、塗り替えの間隔があくほど、経済的な負担は軽くなるでしょう。
また、無機塗料は有機塗料に比べると親水性が高く静電気が発生しにくいのです。
ですから、壁に汚れなどがついても雨が降れば洗い流されやすいでしょう。
また、細かいちりなどが静電気で外壁にくっつくことも少ないです。
つまり、有機塗料に比べると清掃の手間もかかりません。
さらに、無機塗料は炭素が限りなくゼロに近いので、有機塗料に比べると燃えにくいでしょう。
ですから、防火地区に家を建てるときは無機塗料の方が便利です。

2-2.無機塗料のデメリットとは?

無機塗料は、有機塗料に比べるとメーカーのラインナップが少ないです。
ですから、色の種類も少なく元の外壁の色と同じ色にはできないこともあるでしょう。
また、サイディングボードやガルバリウム鋼など塗れない素材もあります。
さらに屋根に塗ることもできません。
無理して塗れば不具合が出るでしょう。
さらに、無機塗料の価格は有機塗料に比べると1平米あたり約千円高いです。
小さい家でも外壁の面積は多いので、見積もってもらうと有機塗料の差に驚く方もいるでしょう。
また、無機塗料は完全にツヤなしで塗ることはできません。
ですから、塗り替えた後の外壁がテラテラとかがやいて見えることもあります。
塗装にツヤを出すと新築のように見える反面、安っぽさが出る場合もあるのです。
なので、できあがりの様子をよく考えてみてから選びましょう。

3.無機塗料が向いている家とは?

無機塗料は、汚れに強く寿命も長いです。
ですから、土ぼこりなどの汚れがつきやすく台風などの自然災害が起こりやすい場所に建っている家は、無機塗料の方が向いています。
台風の通り道に住んでいる方ならお分かりだと思いますが、雨風が激しいと塗料もあっという間に劣化しするのです。
ですから、劣化しにくい塗料は重宝するでしょう。
また、自治体は都市計画により防災地区や防火地区を設けているところが多いです。
そこに住宅を建てる場合は、火災を起こさないように条件がつけられるのが一般的。
そんな土地に家を建てる場合は、無機塗料を塗るだけでも防火対策になります。
逆に、1年中気候が穏やかで夏冬の気温差があまりないような場所に建つ家は、無機塗料の効果があまり実感できないかもしれません。

4.業者選びも慎重に

無機塗料は有機塗料に比べると、扱っている業者が少ないです。
だからこそ、扱っている業者は、それを大体的に宣伝しているところも多いでしょう。
しかし、無機塗料もランクがあります。
当然、より炭素が少ない塗料の方が値段は高いでしょう。
しかし、区分上はどれも同じ「無機塗料」になります。
ですから、悪質な業者の中にはグレードの高い無機塗料の説明を依頼主にして、実際使うのは有機塗料に近い無機塗料を使うということもあるのです。
そのような業者は、安さをエサに人を集めることが多いでしょう。
ですから、安く無機塗料を使って外壁塗装をするという業者を見つけた場合は、実績を調べてください。
本当に企業努力でよい塗料を安く提供しているのならば、依頼者がたくさんいるはずです。
当然、実績もたくさんあるでしょう。
また、写真なども残っているはずです。
これらがない場合は、すぐに依頼しない方がよいでしょう。

5.外壁塗装の塗り替えどきはいつ?

外壁塗装の寿命に目安はありますが、必ずしもそれが当てはまるとは限りません。
短くなる場合もありますし、逆に長くなる場合もあるでしょう。
ですから、外壁塗装の寿命が近いサインを覚えておくと目安がつけやすいです。
外壁を手でこすると、白い粉がついてくることがあるでしょう。
これは「チョーキング」といって塗装が劣化している証拠です。
ですから、軽く壁をこすって粉がついたらすぐに塗り替えを検討してください。
また、カビやコケなどが生えた場合も、寿命が近いことが多いです。
さらに、外壁にひびが入った場合は、すぐに塗り替えをしてひびをふさがないと、そこから雨水が入りこんで外壁そのものがいたむこともあります。

6.おわりに

いかがでしたか?今回は無機塗料の特徴やメリット・デメリットをご紹介しました。
塗料の紹介では、メリットしかいわない業者も多いので、ぜひデメリットも調べておきましょう。
そうすれば、塗料を選ぶ目安ができます。
なお、業者に見積もりを出す場合は可能ならば、使用予定の塗料の量も聞いてください。
外壁に使う塗料は、一定の厚みで塗らないと、効果が期待できません。
しかし、悪質な業者はわざと薄く塗って塗料代を浮かそうとするところもあります。
また、職人の技術が未熟でも塗料を厚く、むらなく、均等に塗るのは難しいでしょう。
塗料メーカーの中には、新製品が出ると業者向けに塗り方の講習会を開いているところもあります。
ですから、可能ならば講習会に相談した業者を選ぶと失敗がありません。
外壁塗装はリフォームの中でも高額の部類です。
また、外壁塗装がうまくいかないと、家の印象も悪くなります。
時間をかけて塗料と業者を選んでください。


工事費の大半を占めていた足場代をカット!工事費の大半を占めていた足場代をカット!