大事なことは下処理にある! 外壁塗装の下地処理と修理方法


外壁は、年月が経(た)つことで劣化します。そのたびに修理や補修をする必要があるのです。しかし、下地処理を行わないとひび・クラックを生み出すだけ。きちんとした修理方法を押さえておきましょう。
この記事では、外壁塗装の下地処理についてまとめました。

  1. 下地処理の重要性
  2. 下地処理の内容
  3. 弾性塗料について
  4. まとめ

1.下地処理の重要性

下地処理をすることは、非常に重要なことです。しかし、その重要性についてはあまり知られていないもの。この項目にてチェックしておきましょう。

1-1.屋根・外壁塗装は下地処理で決まる

下塗り前に外壁のひび割れやクラック、さびなどを補修する下地処理の作業があります。築10年以上の家やマンションの外壁塗装工事を行う場合、下地処理は重要な行程となるのです。
化粧を想像してください。化粧をするとき、いきなり化粧品を付ける人はいないでしょう。まずは、洗顔や化粧水、乳液で肌を整えるかと思います。
外壁塗装工事も同じです。いきなり外壁塗装を行ったところで外壁の状態はよくありません。
下地がしっかり行われていないとひび割れやクラックが出続けます。しっかりと下地処理を行う必要があると思いましょう。

1-2.塗った後では判別できない

下地処理を適当に行ってしまうと塗膜の寿命に影響します。下地となる外壁に汚れやひびがたくさんあると塗膜の「のり」が悪くなるのです。また、外壁に本塗りをしてしまうとどのような下地処理を行ったのかわかりません。
外壁塗装の目的は「防水・建物の保護」です。防水や保護をしっかり行うために下地処理をしっかり行いましょう。

1-3.どれぐらいの期間で塗り替えが必要?

外壁塗装には寿命があります。外壁は10年、屋根は8年以上古いものだと塗り替えが必要です。劣化は紫外線や雨風などが原因となります。
壁に触れたとき、白い粉が付いたときは塗装が劣化している証拠です。ほかには、ひび・カビ・藻の発生が目安。
壁の年月と劣化状況が見えたとき、外壁を下地から処理し直す必要があると思いましょう。

2.下地処理の内容

下地処理は、外壁や屋根の状態によって変わります。ここでは、外壁塗装をする上で必要な下地処理の内容を確認しておきましょう。

2-1.高圧洗浄

外壁や屋根に付着する汚れや藻、古い塗膜を除去する行程です。
高圧洗浄は、強い圧力によって噴射する水によって洗浄します。この行程で取れない汚れは、さらに強い水圧で汚れを取っていくのです。

2-2.ケレン清掃

水で取れない汚れは、ケレン清掃によって汚れを取ります。このケレン清掃は、専用道具にて壁や屋根を磨く地味なものです。しかし、古い汚れや塗膜を取る重要な作業となります。
塗膜のはげ方が軽度のときは、ペーパーやホウキで簡単に清掃するだけです。ひどい場合は、ブラシやスポンジで清掃します。
どうしても取れないときは、動力工具や化学薬品を用いて塗膜をはぐのです。

2-3.ひび割れの補修

外壁塗装を行う前、外壁にあるひび割れやクラックを補修します。小さなクラックやひび割れを見逃していると塗膜がのりません。
基本的には、クラック・ひびを電動工具にて溝を掘ります。その掘った部分をシーリング材にて埋めてフィラー塗布を行うのです。その後、塗料を塗れば完了となります。
補修を行った後、塗るなら弾性塗料がおすすめ。弾性塗料は、ひびが発生しても防ぐ役割を持つ塗料です。

2-4.シーリングの打ち付け

シーリングとは、窓枠や玄関まわり、サイディングボードの接続部に打ち付けてあるゴム素材のこと。目地やコーキングとも呼ばれています。シーリングは、外部からの水の侵入を防いだりサイディングボードの歪を吸収したり重要な役割を持っているのです。
外壁が地震や振動、気温変化によって変形すると外壁にひび割れができます。シーリングはこのひびを和らげる役割があるのです。しかし、経年劣化と共に役目を果たせなくなります。
このシーリングがダメになっているときは、古いものをはがして新たなものを打ち付けましょう。

2-5.樹脂モルタルによる穴埋め

木造や鉄筋コンクリートの場合、コンクリートの酸性化によって鉄筋がさびています。そのさびによって鉄筋の膨張が起こるとコンクリートが爆発するのです。爆発とは行かずともひびやクラックが発生します。
コンクリートが割れた場合、ハンマーによって除去しましょう。破損した部分をきれいに清掃した後、さびもきれいに除去します。鉄筋にサビ止めを塗布した後、プライマーを塗布しましょう。その後、樹脂モルタルにてコンクリートを埋めます。

3.弾性塗料について

3-1.弾性塗料とは

ひび割れを補修するときに使われる弾性塗料。この弾性塗料は、ひび割れを防いでくれるだけでなく防カビやさび止め効果が含まれたものもあります。
弾性塗料は、塗膜の厚さが通常塗料の10倍もあってゴムのように伸びるのが特徴です。外壁下地に亀裂があっても塗膜が伸びてひびを埋めます。
下地が割れたときもカバーしてくれるので外壁の持ちがよくなるもの。この弾性塗料の中でも「微弾性塗料」が主流となっています。

  • 弾性塗料…20度で120%以上の伸び率がある。
  • 微弾性塗料…20度で50~90%程度の伸び率が多い。

弾性塗料には1液タイプと2液タイプがあるのです。この2液タイプは1液タイプと比べて混ぜる手間や技術が必要となります。また、いちど作ってしまうと6~8時間以上経(た)つと使えなくなるのです。コストと効果、技術の側面から2液タイプのほうが高くなっています。

3-2.多くのモルタルに使われる

ひび割れが起こる壁の多くはモルタルです。この弾性塗料もモルタル外壁に使われることが多くなります。
モルタルとは、セメントに砂を混ぜて練り上げた外壁です。コンクリート外壁の仕上げやレンガ・タイルの目地に使われています。モルタルで作られた外壁は戦後最も多く作られていますが乾燥収縮によってひび割れが起こるのです。また、地震にも弱いため、今では別の外壁材が多く使われています。
この外壁材を塗り替えるときは、ひび割れをカバーする弾性塗料が使われているのです。マンションや自宅の壁がモルタルの場合は検討してみましょう。

3-3.サイディング外壁には使えない

近年、よく使われている外壁材のひとつにサイディングボードがあります。このサイディングボードと弾性塗料は相性が悪いので注意しましょう。
サイディングボードに弾性塗料を使うとクラックや膨張の原因となります。その理由は、熱がこもりやすいからです。
サイディングボードには断熱材が入っています。夏場に太陽を浴びると温度が80度以上まで上がるもの。
サイディングボード材が使われた壁に弾性塗料を塗装すると熱がこもります。次第に熱さで膨れ上がり塗料の部分がプクプクと膨れ上がるのです。また、サイディングボードに弾性塗料を塗ってもひび割れを追従しません。
サイディングボードには弾性塗料を塗っても効果がないので控えましょう。

4.まとめ

いかがでしたか? この記事では下地処理についてまとめました。
下地処理は、新たな塗装を塗る前の重要な準備です。古い塗膜やごみを除いておかないと新たな塗装が付着しません。
また、外壁にひびがあったときは補修する必要もあります。各ひび割れや外壁材に併せた補修対応を行いましょう。また、モルタル外壁には弾性塗料を使うのがおすすめです。


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