屋上防水工事まとめ! 塗料は? 工法は? 知っておきたい要点&注意点


雨風や日光から住人を守ってくれる建物ですが、紫外線や経年劣化により、その耐久性は徐々に落ちていくものです。中でもやっかいなのが、雨漏りや水もれでしょう。定期的に防水工事を行わないと、建物が水によるダメージを受けてしまうのです。

そこで今回は、屋上の防水工事について、各工法のメリットやデメリット、業者の上手な選び方などをご紹介します。

  1. 防水工事について
  2. 屋上の防水工事について
  3. 屋上の防水工事~チェックポイント
  4. 屋上の防水工事の方法
  5. 屋上の防水工事~業者の選び方
  6. 防水工事についてよくある質問

屋上の防水工事について知りたい方や、防水工事を検討している方は、ぜひ最後まで読んでみてください。知らずにいるとはまってしまう落とし穴などもあります。防水工事の知識を付けることで、より最適な工事を行うことができるはずです。

1.防水工事について

1-1.防水工事とは?

防水工事とは、雨水や地下水が家屋に入り込むのを防ぐための工事をいいます。具体的な対策例や施工箇所は以下のとおりです。

1-1-1.対策例

防水工事の対策例として代表的なものをご紹介します。

  • 雨水対策
  • 漏水対策
  • 地下水対策

1-1-2.施工箇所

雨水対策

  • 屋根
  • 屋上
  • ベランダ

漏水対策

  • 台所
  • 洗面所
  • 風呂場

地下水対策

  • 地下室および地下に面している部分全般

1-2.防水工事の必要性

家屋にとって水は天敵です。放置していると、雨水や湿気によるカビや腐食が原因となって、建物がいたんでしまいます。

1-3.防水工事のメリット

防水工事を行うことで、建物がもつ機能や耐久性をあげることができます。耐久性があがれば、建物の寿命が延び、より長く使うことができるのです。

防水工事は、屋内でも屋外でも必要なんですね。
はい。建物を建てたときだけでなく、定期的に防水工事のやり直しも必要になります。

2.屋上の防水工事について

2-1.屋上の防水工事の必要性

前述のとおり、浸水を放置すると建物の寿命にかかわります。また、屋上や屋根が最も雨水を受けやすい箇所です。また、雨水以外にも日光(紫外線)の影響も受けるため、非常にいたみやすくなっています。そのため、屋上や屋根は他の箇所に増して、防水工事が必要となるでしょう。

2-2.防水工事のメリット・デメリット

防水工事には当然費用がかかってしまいます。また、屋上の工事中は、屋上やベランダだけでなく、建物自体を使えなかったり騒音があったりといったデメリットもあるでしょう。しかし、防水工事は浸水を予防し建物の寿命を延ばすことになるため、長い目で見ればメリットのほうが大きいと言えます。また、工事のタイミングも重要です。

2-3.防水工事のタイミングは?

防水工事は、雨漏りや浸水が発生してから行うよりも、事前に予防策としておこないましょう。雨漏りの修理→防水工事とするよりも、雨漏りの予防策として防水工事だけをおこなったほうが、費用が安くなりやすいです。一度たりとも雨漏りを発生させないことが、建物を守ることにもつながります。

2-4.定期点検の必要性

いくら防水工事がメリットの大きいものだからといって、毎年行うわけにはいかないのが現状でしょう。そこで、防水工事を適切なタイミングで行うには、定期点検が役立ちます。屋上や屋根など、浸水の可能性がある箇所を定期的にチェックすることにより、雨漏りや浸水を事前に予防することができるのです。

2-5.耐用年数について

建物には、耐用年数があり、たとえば鉄筋コンクリートの寿命は65年程度とされています。しかし、建物のメンテナンスなしに65年間も建物を維持することはできません。たとえば屋根や屋上なら、10年に1度は防水工事を行う必要があるのです。これはあくまで目安であり、塗料や工事内容によっても耐用年数は異なります。点検によってご自身の建物の状況を知る必要があるでしょう。

2-6.一戸建て・集合住宅の違いは?

2-6-1.一戸建ての場合

一戸建ての場合は、世帯主が自分の裁量で点検や防水工事を依頼することになります。個人でのやりとりになりますので、工事業者などの選定を自分でおこなわなければならない場合がほとんどでしょう。

2-6-2.集合住宅の場合

集合住宅の防水工事は、管理人や大家の責任となります。住人の部屋に雨漏り・浸水してからでは遅いのです。マンションの管理会社や不動産などが提携している業者がおり、定期点検の期間なども決まっていることが多いでしょう。

屋上の防水工事は10年に1度が目安なんですね。
はい。雨漏りがするようになってからでは遅いんです。

3.屋上の防水工事~チェックポイント

3-1.すぐに工事すべきケース

以下のチェック項目にあてはまった場合は、すぐに点検・工事を行うべきです。

  • 雨漏りや浸水が発生した
  • 部屋の湿度がいつもより上がった
  • 前回の工事から10年以上たった
  • 前回の点検から3年以上たった
  • 屋上のシートやアスファルトがはげたりめくれたりしている
  • 屋上に草が繁殖している(水がもれている可能性があります)

3-2.注意点

以上のようなチェック項目以外にも、注意すべき点があります。それは、排水溝のつまりです。排水溝がつまると水がたまって漏水・浸水の可能性が高まってしまいます。こまめに掃除をして、排水溝は常にきれいにしておきましょう。

塗装やシートの剝がれは要注意ですね。
はい。屋上はあまり目が行き届かない場所ですが、こまめにチェックしましょう。

4.屋上の防水工事の方法

4-1.防水工事の工法種類

防水工事の主な工法を種類別にご紹介します。

4-1-1.シート防水

シートを屋上にはりつける簡易的な工法です。塩化ビニールシートとゴムシートがあります。塩化ビニールシートは工期が短い・費用が安いなどのメリットがありますが、シートのつなぎ合わせに技術を要するため、複雑な形状の屋上には不向きです。ゴムシートは、塩化ビニールよりさらに安く工期も短くなります。塩化ビニールより薄く衝撃に弱いため、今では減少している工法です。

4-1-2.塗膜防水

屋上や屋根に液状の防水材料を塗る工法です。勾配(こうばい)がない屋上・屋根・ベランダなどに使用できます。液状の塗料のため、すきまなく防水加工ができ、複雑な形状の屋上でも施工することができるのです。塗料を乾燥させるための時間がかかるので工期がやや長い・塗料を均一に塗るための技術が必要といった面もあります。

4-1-3.アスファルト防水

アスファルトシートを、溶解アスファルトを使って密着させる工法です。下地との密着が優れており、はがれにくく耐用年数も長くなっています。アスファルトで層を作るため、工期は長く、アスファルトの溶解時ににおいや煙が発生するというのがデメリットです。

4-2.防水塗料の種類

塗膜防水には、塗料によってもメリット・デメリットがあります。

4-2-1.ウレタン

重ね塗りができるため安価である一面、定期的に塗り直す必要があります。耐用年数は約10年です。

4-2-2.シリコン

硬化するため耐久性・耐熱性がある一面、ヒビわれしやすいというデメリットがあります。耐用年数は12年です。

4-2-3.浸透吸水防水

コンクリートやモルタルにしみこむ塗料のため、耐久性が高いです。カビの繁殖を抑える効果もあります。耐用年数は8~10年です。

4-2-4.FRP防水

ガラス繊維強化プラスチック(FRP)という強度の高い素材を使用した工法です。工期が短く、耐久性・耐熱性・耐水性がありますが、コストが高い・外気温の影響をうけやすいといったデメリットもあります。耐用年数は10年です。

4-3.防水工事の流れ

防水工事までの流れを大まかにご説明します。

  1. 問い合わせ(訪問日の決定)
  2. 訪問・現地調査
  3. 見積もり
  4. 施工日を決める・近所へのあいさつ
  5. 施工

4-4.水もれチェックの必要性

工事前に、水もれ箇所をチェックすることにより建物の状態やもれやすい箇所などを知ることができます。また、他にも水もれしそうな場所がないかもチェックすることが重要です。その場しのぎの施工では、またすぐ水もれしてしまうことになります。

4-5.工期について

一戸建てのベランダくらいの広さですと1~2日で終わることがほとんどです。100平方メートルくらいの屋上の場合、3日から1週間程度かかります。マンションなどの集合住宅の場合、足場の設置や事前準備などの関係から1~2か月かかることもあるでしょう。オフィスチャンプでは、足場を作らない工事をおこなっております。なるべく早く工事を終えたいという方は、ぜひお問い合わせください。

4-6.費用について

防水工事に使う塗料や素材によって、工事費用は大きくことなります。1平方メートルあたりの工事費用の目安は以下のとおりです。

  • シート防水:3,000円~
  • ウレタン防水:4,500円~
  • FRP防水:6,000円~
屋上の防水工事には複数の方法があるんですね。
はい。業者と相談して方法を決めましょう。

5.屋上の防水工事~業者の選び方

5-1.選び方のポイント

複数の業者の見積もり合わせを行うことで、安心して利用できる業者をより安く選ぶことができるでしょう。そのためにも、工事業者を選ぶ際は、無料見積もりや診断をおこなっているかをチェックしてください。

5-2.アフターフォロー

防水工事は、アフターフォローが重要です。せっかく工事をしたのに数か月したらまた漏水した……ということがおきないように、工事保証やアフターフォローがしっかりしている業者を選びましょう。

5-3.トラブル・注意点

防水工事を依頼する際は、下記のようなトラブルに注意しましょう。

  • 安いので依頼したら、ずさんな工事だった
  • 説明なしに依頼していない箇所まで工事され料金を請求された
  • 見積時の料金と違う料金を請求された
  • 工事から1年たらずでシートがめくれ塗装がはがれた

このような事態を防ぐためにも、必ず複数の専門業者に見積もりを依頼しましょう。工事説明内容は記録しておき、業者によって言っていることに相違がないかもチェックするのがポイントです。

サポートが篤い業者は信用できるんですね。
はい。反対に安いだけの業者は利用しないほうがいいでしょう。

6.防水工事についてよくある質問

Q.どの工法を選んだらよいかわからない。
A.塗料や素材によって強みと弱みがあります。複数の業者に依頼すれば、最適な工法を選ぶことができるはずです。

Q.工事でトラブルになってしまったら?
A.工事中もしくは工事後のトラブルについては、消費者センターに相談することができます。「屋根の防水工事を施工したが雨漏りが直らない。解約したい」も合わせてご参照ください。

Q.工事前にしておくことは?
A.工事前の写真をとっておく・室内の湿度を記録しておく、などがあります。工事によってどう変わったかを客観的に示すことができるでしょう。

Q.雨漏りの応急処置方法は?
A.天井や屋内の家財をビニールでふさぐ・棒などをつたわせて雨水が一か所に落ちるようにするといった対策があります。屋根にビニールシートをかぶせるなどの屋外作業は、素人が行うと大変危険ですのでやめましょう。なるべく早めに雨漏り工事や防水工事業者に依頼してください。

Q.近隣の方への迷惑がかからないか心配です。
A.オフィスチャンプでは、建築用養生シートや朝顔水平養生(ひさしのようなもの)を使うことによって、居住性や近隣住民への影響を十分に配慮しています。また、ご近所へのあいさつも弊社のほうでおこないますのでご安心ください。

まとめ

屋上の防水加工について、各工法や必要性などをご紹介しました。効率よく防水工事を行うためには、雨漏り・水もれなどが発生する前に点検・工事を行うのがベストです。点検する年を事前に決めておくとよりスムーズでしょう。また、急な雨漏りの際も、あわてて自分で対策せずに必ず専門業者に依頼してください。複数の業者に依頼することでより最適な工法を選ぶことができるはずです。


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