屋根のリフォームはなぜ必要なのか? 工法の種類や費用相場も紹介!
「屋根の劣化が気になる」「雰囲気を変えたい」などの理由で屋根のリフォームを検討する人は多いでしょう。屋根は常に雨風や紫外線の影響を受けている場所なので、当然劣化がすすみます。リフォームすることで不具合を改善し、見た目もきれいにしたいですよね。この記事では、屋根の耐用年数やリフォームの種類・リフォーム工事の費用などについてまとめてご紹介しましょう。
この記事を読むことで、屋根をリフォームするメリットやリフォームに適した時期・工事費用を抑える方法などが分かるはずです。ぜひ参考にしてください。
1.屋根のリフォームについて
まずは、屋根リフォームの必要性やリフォームに適した時期などをご紹介しましょう。
1-1.劣化している部分を修繕し、見た目をよくすること
家を建ててから何年もたつと、「屋根の塗装がはがれてきた」「防水性がなくなり、雨漏りするようになった」などの症状が現れてきます。屋根のリフォームはそういった不具合を修繕して本来の役割を取り戻し、見た目もよくするために行われる工事のことです。最近は、夏の暑さ対策のために屋根に遮熱塗料を施すようなリフォームも増えてきています。住人が快適に過ごせる家づくりのために、屋根リフォームが重要視されてきているのです。
1-2.家の寿命をのばすためにも必要
屋根のリフォームは家の寿命をのばすために必要不可欠なものです。屋根は外壁と同じように、家を守る上で重要な役割を果たしています。雨風や紫外線から家を守っている屋根が劣化し、その役割を果たすことができなくなるとどうなるでしょうか。建物の内部まで劣化が及び、家の寿命を縮めることになってしまいます。
1-3.屋根材によって異なる寿命
屋根のリフォームを検討する上で、屋根の寿命が何年くらいなのかを把握しておく必要があります。寿命は使用している屋根材によって異なるため、以下を参考にしてください。
- スレート屋根:15~25年
- トタン屋根:10~20年
- ガルバリウム鋼板:30~50年
- 日本瓦:50~80年
- セメント瓦:30~40年
1-4.台風シーズン前にリフォームを
屋根のリフォームを検討している場合は、適した時期を知っておきましょう。雨が少なく気温も安定している春先などがリフォームに適していますが、特に台風シーズンは屋根の破損やはがれが起こり、雨漏りなどの原因になりますので、リフォームを避けたほうがよい時期です。そのため、台風シーズン前にリフォーム工事を行うのがおすすめします。
2.屋根の劣化事例を紹介
屋根に起こりやすい劣化の事例を、種類別にまとめました。リフォームすべき症状にはどのようなものがあるか、把握しておきましょう。
2-1.種類別の劣化事例
屋根の種類別に起こりやすい劣化には、以下のようなものがあります。
- スレート屋根:ひびや割れ・反(そ)り・腐食・釘(くぎ)の浮き
- 瓦屋根:瓦の割れやずれ・漆喰(しっくい)の崩れ・汚れ
- トタン屋根:トタンの破損
- ガルバリウム鋼板:サビの発生・色あせ
2-2.こんな症状があるときはリフォームを!
屋根の劣化にはさまざまな症状がありますが、特に以下のような症状があるときは早めにリフォームを検討しましょう。
- 屋根を触ると手に白い粉がつく
- 鉄部にサビが発生している
- ひび割れやはがれがある
- 変色が目立つ
- コケやカビが発生している
- 釘が浮いてきている
- 雨漏りがある
3.屋根リフォームの種類とは?
屋根リフォームに用いられる工法の種類やリフォーム内容の決め方などをまとめました。
3-1.屋根リフォームの主な工法とは?
屋根リフォームの種類には以下のようなものがあります。それぞれの工法について詳しくご紹介しましょう。
3-1-1.葺(ふ)き替え工事
既存の屋根材を取り外して撤去し、新しい屋根材に交換する方法です。屋根をそのままそっくり新しいものに取り換えるため、屋根リフォームの中で最も費用がかかります。屋根材が寿命を迎えていて雨漏りが発生している場合や、ひび割れ・破損が目立つ場合、屋根のイメージを一新したい場合などにおすすめです。
3-1-2.カバー工法
既存の屋根材に新しい屋根材をかぶせる方法です。葺き替えの場合とは異なり、既存の屋根材を撤去する必要がないため、高額な費用をかけることなく屋根を一新できます。「短い工期で安く屋根リフォームがしたい」という場合におすすめです。
3-1-3.塗装工事
既存の屋根材に塗料を塗り、劣化を抑える方法です。上記2つの工法に比べて、費用を抑えることができます。10年に1回のペースで塗装を行うことで、屋根の劣化を防ぐことが可能です。
3-1-4.防水工事
屋根に防水加工を施す方法で、主に「陸屋根(りくやね)」と呼ばれる平らな屋根に用いられます。
防水工事の種類は以下の3つです。
- シート防水:防水シートを貼る工法
- 塗膜防水:防水塗料を塗る工法
- アスファルト防水:防水材を塗る工法と貼る工法を組み合わせたもの
3-2.それぞれのメリットとデメリットを比較してリフォーム内容を決める
屋根リフォームの内容を決める際には、それぞれの工法のメリットとデメリットをしっかりと比較する必要があります。
- 葺き替え工事:軽い屋根材に交換することで耐震性がアップする反面、全体的に費用がかかる
- カバー工法:葺き替えに比べて費用を抑えられるが、屋根を二重にすることで重量が増え、耐震性が低下する
- 塗装工事:低予算で済む反面、定期的なメンテナンスが必要になる
3-3.建物の強度を確認する必要も
別の種類の屋根材に交換する場合や、既存の屋根材に新しい屋根材をかぶせる場合などは、建物の強度を確認する必要があります。特に、金属屋根から瓦屋根に交換する場合は、柱や壁の強度によっては重さに耐えられない可能性もあるのです。専門業者にしっかり確認してもらい、希望のリフォームが可能かどうかチェックすることを忘れないでください。
4.屋根のリフォーム工事について
リフォーム工事を行う業者の選び方や、費用相場などをまとめました。
4-1.業者選びのポイント
業者を選ぶ際は、以下のポイントを参考にするとよいでしょう。
- 豊富な実績があるか
- 無料見積もりや無料相談を受け付けているか
- 見積書の内容が明確か
- 技術力や提案力があるか
- 親切でスピーディーな対応をしてくれるか
- アフターサービスが充実しているか
4-2.費用相場は50~100万円
工法にもよりますが、屋根のリフォーム工事にかかる費用相場は50~100万円といわれています。一般的な塗り替えであれば、30万円以下で済む場合もあるでしょう。ただし、葺き替え工事や面積の広いカバー工法の場合は、100万円以上かかることも珍しくありません。
4-3.費用を抑える方法もある
屋根のリフォーム工事費用を節約するために、いくつか方法があります。たとえば、無足場工法を採用している業者に依頼することです。足場の設置には高額な費用がかかります。最近は足場を組まずに工事を行う業者も増えてきているため、チェックしてみるとよいでしょう。そのほかにも、外壁リフォームとセットで依頼すると費用を安くしてくれる業者も多いため、屋根のリフォームと同時に検討してみることをおすすめします。
4-4.火災保険が適用されるケースも
台風などが原因で屋根の修理が必要になった場合は、火災保険が適用されるケースもあります。リフォーム費用の負担がなくなる可能性もあるので、加入している火災保険があれば確認してみましょう。
4-5.リフォーム工事の流れ
屋根のリフォーム工事を行う際の流れは、一般的に以下のとおりです。
- 業者に無料見積もりを申し込む
- 現地にて打ち合わせ
- 正式見積もりの提示
- 工事日の決定
- 近隣への挨拶
- 施工
- 完成
5.屋根のリフォームに関するよくある質問
「屋根のリフォームを検討している」という人が感じる疑問とその回答をまとめました。
Q.屋根の塗装に使用される塗料にはどのようなものがあるのでしょうか?
A.アクリル塗料・ウレタン塗料・シリコン塗料・フッ素樹脂塗料があります。それぞれ特徴や価格・耐用年数に違いがあるため、比較してみましょう。
Q.屋根のリフォームが節電につながるというのは本当ですか?
A.遮熱や断熱効果のある塗料を使ってリフォームすることで、太陽光による暑さを和らげることができます。その結果、冷房の使用を減らすことができて電気代の節約につながるでしょう。
Q.スレート屋根のメリットを教えてください。
A.シンプルなデザインなのであらゆる住宅に合いやすく、軽くて加工も簡単です。対応できる業者も多いため、安心してリフォームを依頼できるでしょう。
Q.突然やってきた業者に「リフォームしないと危険」といわれ、屋根のリフォームをすすめられました。依頼しても大丈夫でしょうか?
A.訪問販売業者は利用しないことをおすすめします。不安をあおり、不要なリフォームを強引にすすめてくる例も多いため、断るようにしましょう。
Q.屋根のリフォームにかかる費用は、どの業者でも同じですか?
A.いいえ。業者によって差があるため、事前に複数の業者に無料見積もりを依頼し、比較してみることをおすすめします。大まかの相場を把握しておきましょう。
まとめ
いかがでしたか? 屋根のリフォームにかかる費用やリフォームの種類・業者の選び方などをまとめてご紹介しました。屋根は住宅を守る重要な役割を果たしています。リフォームの必要性をしっかりと見極めることで、住宅の寿命をのばすことにもつながるのです。ぜひこの記事を参考にして、屋根のリフォームについて検討してみてください。