タイルの目地補修は個人でできる? プロに頼む目安や重要性を解説
タイルは、外壁・内装・床などさまざまな場所で使われている建築資材です。「外壁にタイルを使ったが、目地がひび割れてきた」と悩んでいる人はいませんか? タイルは、外壁に張りつけているため、目地にひび割れができたり浮き上がっていたりすると、剝落(はくらく)などの危険があります。そこで今回は、タイルの目地を補修する方法を紹介しましょう。
この記事を読めば、自分でできる補修方法や業者に修理を依頼する目安も分かります。タイルの目地の劣化が気になってきた人は、ぜひ読んでみてくださいね。
1.タイルの特徴と修復の必要性
はじめに、タイルの素材としての特徴と修復が必要な理由を紹介します。
1-1.タイルは用途の広い建築素材
タイルは、粘土を薄い板状にして焼いた建築素材です。釉薬の種類や焼き方を替えることで、外壁・内装・床と色々な場所に使うことができます。単独で使うことはせず、土台の上に貼りつけて使うのが一般的です。
1-2.タイルは劣化していく
タイルは薄いので、土台の上に貼って使います。そのため、接着剤が劣化すると浮きや剝落(はくらく)の恐れが出てくるのです。ですから、定期的に接着材を補強していく必要があります。
1-3.外壁のタイル補修は10~15年が目安
タイルの中でも、外壁に使われているタイルは紫外線や気温の変化で接着剤として使われているコーキング材が劣化しがちです。おおよそ、10~15年に1度はタイルの圧着具合を確認し、補修する可能性があります。目地にひび割れができたり、タイルが浮いたりしたら、補修の目安です。また、タイル自体がひび割れることもあります。補修を怠り、タイルが落剥すると建物自体が傷むだけでなく、人やものに当たる事故が起こる可能性もあるため、大変危険です。
2.タイルの目地の修復を自分で行う方法
この項では、タイル目地の修復を自分で行う方法を紹介します。
2-1.応急処置ならば自分でも可能
タイル用の接着剤(コーキング材)は、ホームセンターで購入できます。タイルの目地にできたひび割れを埋めたり、剝落したタイルを再度接着すれば、応急処置は可能です。内装のタイルなど、外気にさらされることが少ないタイルは、目地のひび割れくらいならば、自分で修復してもある程度は長持ちするでしょう。
2-2.外壁のタイルは自分で完全な修復は難しい
前述したように、外壁のタイルは紫外線や風雨などで劣化しやすいものです。タイルそのものよりも、接着剤のほうが寿命が短いので、ひび割れや剝落が起こります。また、外壁は広いので、個人ですべての目地のひび割れやタイルの浮きをチェックするのは難しいでしょう。コーキング材の補修はあくまでも応急処置と考え、専門の業者に修理の依頼をするのがおすすめです。
2-3.外壁に使われているタイルの補修方法
外壁に使われているタイルの補修方法には、以下のようなものがあります。
- 部分補修:コーキング材の細かいひび割れなどを補修する、最も簡易的な補修工事
- 下地補修:タイルの浮きが起こっている部分を剝がし、下地部分の劣化を補修し、元に戻す
- 全体補修:外壁全体のタイルの浮き・目地のひび割れなどを補修する。かなり大がかりになる
- 落下防止工事:特殊な樹脂とアンカーピンを使い、タイルの落下を防止する工事
3.外装タイルの目地補修の流れ
この項では、外装タイルの目地補修の流れや業者の選び方などを紹介します。
3-1.外壁の状態を確認する
タイルの修理をする前に、タイルの目地だけでなく外壁全体の状態を検査します。打診検査・赤外線検査・目視検査などがあり、目視検査は無料なところもあるので、業者に問い合わせてみてください。赤外線検査や目視検査が数時間で終わるのに対し、打診検査は建物が大きいと数日かかることもあります。その分、打診検査は外壁の正確な状態が分かるので、業者とよく話し合って外壁検査の方法を決めましょう。
3-2.補修方法を決める
外壁の状態が分かったら、補修方法を選択します。予算や日数に合わせて補修方法を決めてください。なお、補修の費用は1㎡あたりの値段で出すのが一般的です。目地の補修は1㎡あたり数百円が相場となります。
3-3.補修工事開始
補修方法が決まったら、工事を開始します。部分補修ならば1日で終わることもありますが、下地補修や全体補修だと数日~1週間かかることもあるでしょう。なお、足場を組んで作業をする場合、足場の組み立てや解体にも丸1日ずつかかります。つまり、建物が大きいほど工事には日数がかかるのです。
3-4.業者選びは実績を基準にする
外壁の補修工事を行う業者はたくさんあります。値段の安さをウリにしている業者も多いのですが、値段よりも実績を重視することが大切です。実績が多い優良な業者は見積もりも正確で説明も丁寧なので、安心して仕事を任せられます。口コミサイトも参考になりますが、短期間でたくさんの高評価がついているところより、長期間よい評価が続いているところのほうがおすすめです。なお、契約を急かす業者や、見積もりがいいかげんな業者はいくら安くてもやめておきましょう。
4.タイルの目地補修に関するよくある質問
この項では、タイルの目地補修に関する質問を紹介します。
Q.タイルの目地がひび割れているだけに見えても、深刻な劣化が進んでいることもあるでしょうか?
A.はい。下地が劣化してタイルが浮いている可能性もあるので、見た目だけでは判断できません。
Q.タイルの外壁はほかの外壁に比べると劣化しやすいのですか?
A.いいえ。劣化具合はほかの素材とそれほど変わりません。むしろ長持ちするほうです。
Q.一戸建ての場合、外壁の調査方法はどれがおすすめでしょうか?
A.一戸建ての場合は目視による調査が一般的です。
Q.内装のタイルは外装のタイルよりも長持ちしますか?
A.その傾向はありますが、劣化はするので補修は必要です。タイルの浮きや剝落に気がついたら、早めに補修しましょう。
Q.劣化しにくいタイルはありますか?
A.はい。外装に使われるタイルは内装向けのものより紫外線や風雨に強くできています。
まとめ
今回は、タイルの目地の修繕方法を中心に外壁のリフォーム方法を紹介しました。タイルは外壁材としても人気がありますが、剝落や浮きなどの劣化もあることを承知しておきましょう。定期的に検査と補修をすることで、美しい外壁を保つことができます。