モルタル外壁のメンテナンスは必要? 塗装前に知っておきたいポイント


「モルタル外壁のメンテナンス頻度はどのくらいが理想か?」「塗装のタイミングをどう見極めたらいいのか」など、モルタル外壁のメンテナンスで悩んでいる方は多いでしょう。きちんと塗装のタイミングをつかめば、キレイで丈夫なモルタル外壁が維持できます。逆に、劣化サインに気づかず放置していると、補修費用が割高になる可能性もあるのです。そこで、本記事では、モルタル外壁の劣化症状やメンテナンスなどについて解説します。

  1. モルタル外壁とは?
  2. モルタル外壁の劣化症状
  3. モルタル外壁をメンテナンスするタイミング
  4. モルタル外壁のメンテナンス方法
  5. モルタル外壁の寿命を延ばすポイント
  6. 無足場工法のオフィスチャンプ
  7. モルタル外壁に関してよくある質問

この記事を読むことで、モルタル外壁のメンテナンス方法などが分かります。悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

1.モルタル外壁とは?

モルタルはセメント・水・砂を混ぜて作られる素材です。高い耐火性があり、戦後の1950年に建築基準法が制定されてからはモルタル外壁が急速に普及しました。現在は、サイディング外壁が主流になっていますが、モルタル外壁ならではの質感に人気が高まりつつあります。

1-1.モルタルの種類

モルタルには、以下のような種類があります。

  • リシン:昔からの仕上げ方で細かい粒かつザラザラしている
  • スタッコ:リシンよりデコボコが大きい
  • 吹付けタイル:タイル材を1~3mmの厚さで吹付けている
  • 左官仕上げ:セメントをコテで塗って仕上げる方法で、職人の腕で完成度が変わる

1-2.モルタル外壁の施工

モルタル外壁は、最後に仕上げ材と塗装を施します。ここでは、一般的な施工の手順をチェックしておきましょう。

  1. 木製の下地板「木摺り(きずり)」を張り、その上から防水シートを張り付ける
  2. 防水シートの上に「ラス」と呼ばれる金網を張る
  3. ラスの上から、モルタルを塗り付ける
  4. モルタルの上から、仕上げ材を塗り付ける
  5. 最後に仕上げ材の上から塗装する

1-3.モルタル外壁のメリット

モルタル外装のメリットは以下のとおりです。

  • 耐火性・耐久性に優れている
  • 継ぎ目がなく、劣化しづらい
  • 職人の技術で仕上げるため、デザイン性や自由度が高い

1-4.モルタル外壁のデメリット

モルタルの外壁のデメリットは以下のとおりです。

  • 表面にひび割れが生じやすい
  • 汚れやカビ・コケが発生しやすい(表面がデコボコしている場合)
  • 防水性が低い

2.モルタル外壁の劣化症状

モルタル外壁の劣化症状は、以下のような症状が現れます。

2-1.色が変わる

変色の原因は紫外線です。紫外線は、塗料の成分を破壊するため、劣化の原因になります。色が極端に変わってきている場合、早めに補修したほうがいいでしょう。

2-2.ツヤがなくなる

経年劣化によって、モルタル外壁のツヤが失われてしまいます。また、変色・退色はモルタル外壁で最も分かりやすい劣化症状といえるでしょう。

2-3.チョーキング現象

チョーキング現象とは、塗料がチョークの粉状になっている現象です。手で触ると白い粉がつきます。雨風・紫外線・熱によって塗装が加水分解され、塗料が粉状になってしまうのです。チョーキング現象が起きているモルタル外壁は、劣化がどんどん進んでしまうため、早めに対処したほうがいいでしょう。

2-4.カビやコケの大量発生

カビ・コケが発生しやすいのは、陽があまり当たらない壁・ザラザラした壁・植栽物の多い場所・高湿な場所です。主なカビ菌の種類は、青カビ・黒カビ・ススカビ・ケカビ・黒色酸母菌があります。モルタル壁に生じたカビやコケは、塗膜の劣化を促進させるので注意が必要です。

2-5.ひび割れ

モルタル外壁にひび割れが起きるのも劣化サインです。特に、ひび割れの幅が0.3mm以上の場合は早急な対応が必要になるでしょう。ひび割れを放置するほど大きくなってしまい、そこから雨水が浸入しては雨漏りを引き起こす原因になってしまいます。

2-6.塗膜の膨れ

塗膜の膨れも、モルタル外壁が劣化している証拠です。古い塗装が剥がれているケースもありますが、塗装したばかりのモルタル外壁に膨れが生じた場合は施工不良が原因といえるでしょう。

2-7.モルタル壁面と塗膜のはく離

塗膜が剝がれる状態は非常に危険です。ひび割れ箇所から水分が浸入し、モルタルと塗膜との接着面が弱くなっている可能性があります。放置するとさらに状態がひどくなるため、早急に塗装をしてモルタルを保護する必要があるでしょう。

2-8.シーリング部分の劣化と破断

シーリング部分の劣化は、シーリング材の汚れ・紫外線などが原因です。そのままにしていると劣化・破断が起きては、雨漏りを引き起こしてしまいます。早めに対処しなければなりません。

2-9.モルタル壁の欠損

外部からの衝撃・寒暖によって、モルタルが伸縮し欠損を起こします。建物の寿命に大きく影響を与えるので、早めに補修をしたほうがいいでしょう。

2-10.モルタル壁の爆裂

爆裂の原因は、モルタル壁に生じたひび割れからの浸水です。モルタルに含まれるセメントが中性化してしまい、ラスや鉄筋がサビて膨張します。欠損と同様に建物の寿命に大きく影響を与えるので、早めの補修工事が必要です。

3.モルタル外壁をメンテナンスするタイミング

モルタル外壁のメンテナンスですが、塗装の種類によって内容はさまざまです。塗装の種類によって、メンテナンス性や耐久性に違いがあります。

3-1.リシン仕上げ・左官仕上げの場合

リシン仕上げや左官仕上げは耐久性の面でやや劣り、ひび割れが起きやすい傾向があります。そのため、定期的なメンテナンスが必要になるでしょう。なお、メンテナンスの頻度は以下を参考にしてください。

  • ひび割れ部分補修:5~10年
  • 部分吹付け:8年
  • 全体塗り替え:15~20年

3-2.吹付けタイルの場合

塗膜が厚い(1~5mm)ので、耐久性が高く、主流になっている方法です。原則的に、定期的なメンテナンスは必要ありませんが、10~20年での全面塗り替えが必要になります。

4.モルタル外壁のメンテナンス方法

モルタル外壁のメンテナンス方法は、DIYで行う場合と業者に依頼する場合があります。

4-1.DIYで塗装する場合

外壁塗装はDIYで行うことができます。比較的、劣化症状が軽いケースの場合にDIYを行いましょう。ただし、高所や危険を感じる場所なら、専門業者に依頼することをおすすめします。なお、DIYで塗装を行う場合、必要な道具は以下のとおりです。

  • シーリング材
  • シーリングガン
  • モルタル材
  • 塗料
  • 刷毛(はけ)
  • 高圧洗浄機
  • ゴーグル
  • マスク
  • ヘルメット

そして、DIYの手順は以下のとおりです。

4-1-1.養生

最初に塗装したくない場所に養生テープやビニールシートを敷(し)いてカバーします。養生は、塗料が付着しないようにするための大事な工程です。

4-1-2.高圧洗浄で外壁の汚れを落とす

塗装前の外壁の汚れを高圧洗浄機で落としていきましょう。その場合、ひび割れ部分に直接あてないようにするのが大切なポイントです。ひび割れ部分はやわらかい布などで汚れを取ってください。

4-1-3.外壁のひび割れ部分にシーリング材を塗り込む

ひび割れ部分にシーリング材(コーキング材)を丁寧に塗り込みます。シーリング材をしっかり乾燥させてからモルタル材を塗布する流れです。

4-2.業者が塗装する場合

業者が行う塗装は以下のとおりです。

4-2-1.足場の設置

高所の塗装をするときには、最初に足場を設置します。

4-2-2.外壁を洗浄・乾燥させる

次に、高圧洗浄機を使って汚れを落とします。専門業者が使う高圧洗浄機は、古い塗膜なども落とすパワーを持っているでしょう。外壁の洗浄が終了したら、丸1日以上放置して外壁を乾燥させます。

4-2-3.ひび割れ補修

塗装を予定している場所にひび割れがあれば、丁寧にコーキング材を塗布し、しっかりと補修します。また、既存のコーキング部分が古くなっていたら、取り除いて新しいコーキング材を打ち込むことになるでしょう。

4-2-4.ケレン作業

ケレン作業は手作業のことで、高圧洗浄機では落とせないサビや汚れをサンドペーパーで磨いて取り除きます。これは、細かい傷がついていると塗料が密着しやすくなるからです。ケレン作業は塗料の仕上がりを左右するほど重要な工程となります。

4-2-5.養生

ビニールシートやマスキングテープを使い、塗料が飛び散らないように養生します。

4-2-6.下塗り

下塗り塗料は丁寧にローラーや刷毛を使い、均一に塗料を塗ります。下塗りは接着材の役目があるため、正しい方法でしっかりと塗らなければなりません。

4-2-7.中塗り→上塗り

中塗りでは、色付きの塗料を使用します。そして、乾燥後に行うのが上塗りです。上塗り塗料は色ムラが生じやすいといわれているため、職人の腕が試される部分になるでしょう。

5.モルタル外壁の寿命を延ばすポイント

外壁は紫外線や雨風で劣化が進み、寿命が縮んでしまうため、定期的な塗装で全体を保護してあげることが重要です。ここでは、モルタル外壁の寿命を延ばすポイントについてチェックしておきましょう。

5-1.ひび割れは早急に対処する

0.3mm以上の大きなひび割れは、外壁全体に影響が出ている状態ですので早めに対処したほうがいいでしょう。早めに補修を行うことで、劣化の悪化を防ぎ、モルタル外壁の寿命が延びます。そのほか、外壁の一部が崩壊しているケースも、早めに対処したほうがいいでしょう。定期的に外壁をチェックしておくと、異変に気づきやすくなります。

5-2.定期点検と外壁塗装

モルタル外壁は、定期的に点検したり、塗装したりしておくと長持ちします。基本的に、外壁塗装は10年ごとに行うのが理想です。外壁塗装をくり返すことでモルタル外壁が丈夫になり、キレイな状態が維持できるでしょう。また、定期点検によって劣化の早期発見につながります。リフォーム業者の中には、無料で点検してくれるところもあるのでぜひチェックしてください。

6.無足場工法のオフィスチャンプ

オフィスチャンプは、無足場工法を採用しています。見積もりも現地調査も対応可能です。

6-1.狭い場所でも工事ができる

無足場工法のオフィスチャンプでは、狭い場所でも工事が可能です。足場が設置できない場所でも外壁工事や洗浄ができます。基本的に、ロープ工法・ブランコ工法を採用しているため、部分補修も可能です。モルタル外壁で気になった箇所があれば、ぜひ一度ご相談ください。

6-2.足場代がカットできる

外壁工事の見積書を見ると、足場代がとても高いことが分かります。オフィスチャンプでは足場をかけない無足場工法を採用しているからこそ、安い予算内で工事計画が立てられるでしょう。予算が気になっている方もぜひご相談ください。

7.モルタル外壁に関してよくある質問

モルタル外壁に関してよくある質問を5つピックアップしました。

Q.モルタル外壁にある多数の亀裂はキレイにできるか?
A.亀裂など傷んでいる箇所がある場合、塗装前に下地の補修を行います。きちんと下地補修を行えば、モルタル外壁はキレイになるでしょう。

Q.現場調査後の打ち合わせは必要なのか?
A.業者に依頼した場合、まず外壁の状態を確認します。どのような状態になっているか確認した上で、工事内容や費用が決まる流れです。よって、現場調査後の打ち合わせできちんと説明を受けてください。気になる箇所があれば、すぐに尋ねましょう。

Q.塗装工事中に臭いは発生するのか?
A.溶剤系塗料の場合、シンナー系の臭いが漂う可能性はあります。臭いが気にならない水性系塗料もありますので、業者に問い合わせて確認してください。

Q.業者選びのポイントは?
A.スタッフの対応が丁寧でスピーディーか、見積書の内容が具体的に記載されているのかなどをチェックしてください。悪徳業者はスタッフの対応が悪く、見積書の内容が大ざっぱになっている可能性があります。

Q.工事費用の支払いは?
A.工事契約をしたときに、支払方法を決めるケースがほとんどです。最近では、一括現金だけではなく、カード払い・分割払いにも対応しているところが増えています。

まとめ

モルタル外壁は耐火性・耐久性に優れていますが、防水性には劣っているため、しっかりとした塗装が必要になります。そこで、業者選びがとても重要な要素になるでしょう。職人の腕によって仕上がりが左右されることもあるので、なるべく塗装実績のある業者に依頼してください。


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