塩害が外壁に及ぼす影響は? 海の近くに住むなら確認すべき対策も!
海の近くに家を建てるにあたって「外壁が塩害で劣化するのが心配」「塩害に強い外壁材はないのか?」と悩まれる方は多いでしょう。塩害は外壁の劣化を早める原因になるため、詳しい知識を持っている業者に依頼してしっかりと対策しておく必要があります。
この記事では、塩害が外壁に及ぼす影響や塩害対策について詳しくご紹介しましょう。
この記事を読むことで、塩害が発生する距離や、塩害で劣化した外壁を放置する影響などがわかるはずです。ぜひ参考にしてください。
1.外壁の塩害とはどのようなものなのか?
まずは、外壁が受ける塩害とはどのようなものなのかを詳しく解説しましょう。
1-1.塩分を含む空気による害のこと
海の近くで発生することが多い塩害とは、塩分を含んだ水が蒸発して空気に混ざり、住宅の外壁などに付着して劣化させることをいいます。もちろん、外壁だけでなく、屋根やドア・窓サッシなども塩害の影響を受けますが、特に面積の大きな外壁はより慎重な対策が必要です。
1-2.なぜ外壁の劣化につながるのか?
塩分を含んだ空気に触れるとなぜ外壁が劣化するのか、そのメカニズムを解説しましょう。住宅の基礎に使用されているコンクリートの中には、鉄筋が入っています。塩害によってこの鉄筋が錆びて膨張するとコンクリートがひび割れや剝離などを起こすのです。こうしてできたすき間からさらに塩分を含んだ空気が入り込み、鉄筋の腐食が進んでしまいます。
1-3.海から5㎞の範囲内で起こりやすい
塩害が発生しやすいのは、海から5㎞の範囲内にある建物です。ただし、風が強い日や風向きによっては、5㎞以上離れていても塩害の影響が及ぶことがあります。特に、千葉県や東京都・神奈川県・静岡県・愛知県・愛媛県・茨城県など海が近い都県では塩害が起こりやすいので注意が必要です。
2.塩害が外壁に及ぼす影響
塩害が外壁に及ぼす影響には、どのようなものがあるのでしょうか。
2-1.外壁材が剝がれてくる
塩害の影響で内部の鉄筋が錆びて膨張し、外壁材が中から押されて剝がれ落ちてきます。そうなると外壁内部がさらされてしまうことになるため、内部の劣化が早まる可能性が高いでしょう。早急に補修する必要があります。
2-2.金属部分が腐食する
トタンやアルミなどの外壁材を使用している場合、塩害によって金属部分が腐食しやすいのが特徴です。腐食が進むと穴が開き、そこから雨漏りしてしまいます。そのため、金属素材の外壁は海の近くではおすすめされていません。
2-3.塗料が劣化しやすくなる
塩害は、外壁に使用している塗料の劣化も早めます。外壁に使用する塗料には種類によって耐用年数がありますが、塩害を受けやすい地域では通常より2~5年ほど早く寿命を迎えることもあるのです。
3.塩害の影響を受けやすい外壁は?
塩害の影響を受けやすいのは、どのような住宅の外壁に多いのでしょうか。
3-1.高い場所にある住宅
海から5㎞以上離れていても、高い場所にある住宅は塩害の影響を受けやすいといわれています。塩分を含んだ空気を遮るものが周囲にないため、外壁に直接触れる確率が高くなるためです。平屋住宅のほうが塩害の影響を受けにくいことがわかっています。
3-2.金属素材を使用している住宅
最も塩害の影響を受けやすいのは金属素材の外壁材なので、トタンやアルミなどの外壁材を使用している住宅は特に注意が必要です。表面の被膜が劣化すると錆が発生し、建物の耐久性も低下してしまいます。
4.外壁の塩害対策を紹介
外壁の塩害対策として効果的なものをご紹介しましょう。
4-1.塩害に強い塗料で塗り替えをする
外壁は定期的な塗り替えが必要になるため、そのタイミングで塩害に強い塗料を選ぶのがおすすめです。塩害に強い塗料には、無機材を入れることで耐久性を高めた無機塗料があります。価格は高額ですが耐用年数は20年以上と長いのが特徴です。また、無機塗料より安くメンテナンスの手間がかからないフッ素系塗料も、塩害対策に向いています。
4-2.塩害に強い外壁材に交換する
外壁材自体を塩害に強いものに交換する方法もあります。特に、トタンやアルミなど塩害に弱い外壁材を使用している場合は、早めに交換を検討したほうがよいでしょう。おすすめはタイルや樹脂系サイディングなどの外壁材です。特に樹脂系サイディングはメンテナンスの手間もほとんどかからないため、おすすめしてくる業者も多くなっています。
4-3.こまめに手入れをする
自分でできる塩害対策としては、こまめな手入れがおすすめです。塩分が外壁に付着している時間が長いほど劣化しやすくなるため、定期的に水洗いすることで劣化を遅らせられます。硬いブラシや高圧洗浄機などを使うと外壁材を傷つけたり塗膜を剝がしたりしてしまう可能性があるため、柔らかいブラシで丁寧に落としていきましょう。
5.外壁の塩害に関するよくある質問
「外壁の塩害について知りたい」という人が感じる疑問とその回答をまとめました。
Q.塩害の影響を受けやすい地域かどうかをチェックする方法を教えてください。
A.海から5㎞以上離れていて、潮のにおいがしないか、周囲に錆が発生している家はないかなどを確認するとよいでしょう。
Q.海の近くだと外壁塗装は何年おきにおこなうべきですか?
A.通常だと10年を目安に塗装しますが、塩害の影響を受ける可能性がある地域では、7~8年を目安にすることをおすすめします。
Q.塩害対策としての外壁洗浄は、どのくらいの頻度でおこなえばよいですか?
A.最低でも半年、長くても1年おきに洗浄するとよいでしょう。
Q.塩害対策はどのような業者に相談すればよいですか?
A.塩害対策の実績が豊富で、工事内容をしっかりと説明してくれる業者を選んでください。見積書の内容やアフターサービスの充実さなどもチェックするとよいでしょう。
Q.悪質なリフォーム業者に多い特徴を教えてください。
A.アポなしで訪問してきて契約を強引に迫る・見積書に詳しい内訳が記載されていない・連絡がつかないことが多いなどの特徴があります。
まとめ
外壁が受ける塩害について、塩害によって起こる問題や被害を受けやすい外壁の特徴などを詳しくご紹介しました。塩害は、海の近くに家を建てるにあたって避けるのが難しい問題です。できるだけ塩害の被害を少なく抑えられるように、できる対策にはどのようなものがあるのか知っておくとよいでしょう。