ローラー塗装と吹き付け塗装。外壁塗装をする際の特徴や違いとは?


外壁塗装は家の見た目を大きく左右するとともに、外壁を守る役割もあります。
ですから、定期的な塗り替えが必要です。
外壁塗装の塗り替えを検討する際、吹き付け塗装かローラー塗装のどちらにしよう、と迷う方もいるでしょう。
そこで、今回は吹き付け塗装とローラー塗装の違いや特徴についてご説明します。
住宅の建っている場所や外壁の状態によってもお勧めの塗装方法は変わるのです。
外壁塗装のぬり直しを検討しているという方は、ぜひこの記事を読んで参考にしてみてください。

目次

  1. 吹き付け塗装とローラー塗装の特徴とは?
  2. それぞれのメリット・デメリットとは?
  3. それぞれの塗装に適した状況とは?
  4. 外壁塗装を塗り替える目安とは?
  5. おわりに

1.吹き付け塗装とローラー塗装の特徴とは?

まず始めに、吹き付け塗装とローラー塗装の特徴や違いをご紹介します。
また、それぞれの塗装でできること、できないこともご説明しましょう。

1-1.吹き付け塗装

吹き付け塗装とは、機械で塗料を吸いこみ霧状に吹き付けていくとそう方法です。
プラモデルやフィギュアなどの塗装にも用いられています。
幅広い面積の場所を一気にぬるのに適した塗装方法であり、ぬり終るまでの時間も短いです。
また、吹き付け方を変えれば、外壁に模様をつけることも可能。
外壁に模様?と思われる方もいるかもしれません。
外壁に微妙な凹凸があるという家も少なくないでしょう。
それは、スタッコ吹きやリシン吹きと呼ばれる工法で吹き付け塗装でしか行えません。
また、ローラーよりも扱いやすいので仕上がりがきれいです。

1-2.ローラー塗装

ローラー塗装とは、ローラーに塗料をぬりつけて壁をぬっていく工法です。
外壁塗装というと、この工法をイメージする方も多いでしょう。
ローラー塗装の特徴は、塗料の無駄が少ないということ。
吹き付け塗装の場合はどうしても、飛び散る塗料の量が多くなります。
ですから、同じ塗料でもローラーの方がより多くの面積をぬれるのです。
また、防水塗料や断熱塗料などある程度厚くぬらないと効果が発揮できない塗料は、ローラー塗装の方がお勧め。
さらに、住宅密集地など隣にすぐ建物が迫っているような場所で外壁塗装をする場合も、ローラー塗装の方が飛散する塗料の量が少ないので向いているでしょう。

2.それぞれのメリット・デメリットとは?

では次に、吹き付け塗装とローラー塗装のメリット・デメリットをご紹介します。
これが分かれば、使い分けもスムーズに行くでしょう。

2-1.吹き付け塗装

吹き付け塗装のメリットは、なんといっても早さです。
機械で一気にぬってしまえるので、工期も短くて済むでしょう。
外壁塗装を行うとベランダが使えなかったり外で洗濯物が干せなかったりと、いろいろな制限があります。
また、テナントが入っているビルの場合だと経営に影響することもあるでしょう。
早く塗装が終わればそれだけ影響も少なくて済みます。
また、機械を使ってぬっていくので職人の腕の差が出にくいです。
どのような人がぬっても一定レベル以上の仕上がりになるでしょう。
デメリットは、飛散する塗料の量が多いことです。
吹き付け塗装は塗料を霧状にして吹き付けるので、風が強いと塗料が飛んでしまいます。
また、吹き付ける勢いでも飛ばされてしまう場合もあるのです。
ですから、養生を厳重にしないと、飛び散った塗料が窓やドアについてしまいます。
また、前述したように、住宅密集地では吹き付け塗装をするとご近所迷惑になることもあるでしょう。

2-2.ローラー塗装

ローラー塗装の最大のメリットは、塗料の無駄が少ないということです。
ローラーに直接塗料をつけてぬっていきますから、無駄になる塗料はほとんどありません。
また、養生する範囲は最低限でよいでしょう。
さらに、厚くぬることで効果が出る塗料は、ローラーでないとぬれないものもあります。
逆に、模様がある壁はローラー塗装ではぬりにくいでしょう。
ローラー塗装のデメリットは塗装に時間がかかるということ。
条件にもよりますが、吹き付け塗装の3倍ほどかかります。
ですから、長い間住人は不自由するかもしれません。
さらに、ローラー塗装は職人の技術の差がはっきりと出ます。
腕が未熟な職人がローラー塗装をすると、色むらができる場合もあるでしょう。

3.それぞれの塗装に適した状況とは?

この項では、それぞれの塗装に適した状況をご紹介します。
塗装方法を選ぶ際の参考にしてください。

3-1.吹き付け塗装

表面に模様があったり、工事を早く仕上げたかったりする場合は吹き付け塗装の方がお勧めです。
また、前回塗装をしてからまだ日が浅く、それほど塗料が劣化していない場合も吹き付け塗装でも大丈夫でしょう。
さらに、幅広い場所を塗装するときも吹き付け塗装の方が早く行えます。

3-2.ローラー塗装

ローラー塗装は、しっかりと塗装をぬり直したい場合にお勧めです。
また、周囲に飛沫(ひまつ)が飛び散ったら困る場所や、狭い場所をぬるのにも適しています。
現在、外壁塗装はローラー塗装の方が主流です。
しかし、職人の技術によって仕上がりに差が出やすいですので、ローラー塗装を依頼する際は実績がある業者に依頼しましょう。

4.外壁塗装を塗り替える目安とは?

外壁は、家を雨風から守ってくれる大切な場所です。
その外壁を保護しているのが外壁塗料。
ですから、外壁塗料が劣化すると外壁そのものがいたんでくるでしょう。
そうなると、家の寿命も短くなる可能性があります。
外壁塗装のぬり直しは10年が目安とされていますが、家の立地条件や台風などの災害によっては期間が前後することもあるのです。
外壁塗装の状態を確かめるには、まず触ってみましょう。
手に白い粉がつく場合はチョーキングといって塗料が劣化している証です。
さらに、塗装にひびが入っていたりコケやカビがはえて色が変わっていたりする場合も注意した方がよいでしょう。
外壁塗装が劣化し始めると、同時に外壁自体もいたんできます。
ですから、劣化の兆候が見られたらできるだけ早く工務店に相談してください。
また、台風や大雨など自然災害にあった後は外壁の様子も確認しましょう。
外壁が無事でも屋根にダメージがある場合もあります。
その場合は、業者に依頼して確かめてもらいましょう。

5.おわりに

いかがでしたか?
今回は、吹き付け塗装とローラー塗装の違いや特徴についてご説明しました。
まとめると

  • 吹き付け塗装は早く終わるが塗料の飛散が多い。
  • ローラー塗装は時間がかかるけれど、塗料の無駄が少ない。
  • 外壁に模様がある場合は吹き付け塗装しか行えない。
  • 厚くぬることで効果が出る塗料は、ローラー塗装でぬろう。

ということです。
工期が伸びればその分工賃も増します。
ですから、早くやってくれる方を選びたいという方もいるでしょう。
しかし、吹き付け塗装は家の立地条件によっては行えませんので注意してください。
また、外壁塗装をしている最中は窓を開けられませんし、ベランダも使えない場合があります。
夏に窓を開けられない、というのはつらいです。
また、冬は雪が降ったりすると工事ができません。
ですから、外壁塗装工事は春か秋がお勧め。
しかし、この時期は工務店によっては注文が殺到する時期でもあります。
ですから、外壁塗装を行いたい場合は、できるだけ早めに申し込みをしましょう。
時間があれば、打ち合わせも重ねられます。
ビルの場合は、きちんと店子(たなこ)に説明をして理解を求めてください。


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