塗装工事の工程を一からチェックしよう! 工程ごとの特徴も解説


塗装工事の工程はどのようになっているのか・どのような流れで塗装工事を行うのかなど、工程について気になっている方は多いでしょう。塗装工事は手抜きしやすい工事だといわれているため、きちんとと塗装業者が正しい工程で塗装を行っているのか確認する必要があります。あらかじめ塗装工事の工程を理解しておけば、トラブルに巻き込まれることもないでしょう。

そこで、本記事では、塗装工事の工程について解説します。

  1. 塗装工事の工程:足場設置工事&養生
  2. 塗装工事の工程:高圧洗浄・下地補修
  3. 塗装工事の工程:下塗り・中塗り・上塗り
  4. 塗装工事の工程:点検と足場解体
  5. 塗装工事の工程に関してよくある質問

この記事を読むことで、塗装工事の大まかな流れや、工程ごとの特徴などが分かります。気になっている方はぜひチェックしてください。

1.塗装工事の工程:足場設置工事&養生

塗装工事の最初の工程となる、足場設置工事と養生について解説します。

1-1.作業をスムーズに行うための足場設置工事

一般的に、塗装工事を行うためには、最初に足場を設置しなければなりません。特に、2階以上の建物や高所での作業になると、工事中に設ける一時的な施設や設備を組み立てる必要があります。足場工事は、作業をスムーズに行うこと・作業員の安全を確保することが大きな役割です。なお、足場設置工事は、現場に合った足場を組むことになります。通常1日で設置工事が終わりますが、範囲が広かったり、マンションなどを塗装工事したりする場合は1日だけでは終わらない可能性もあるでしょう。

1-2.飛散防止ネットなどを用いた養生

足場設置工事と同じく、塗装工事の序盤で行われるのが養生です。しっかりと養生をしておかなければ、近隣に高圧洗浄時の汚れた水が飛散したり、塗料が飛び散ったりする恐れがあります。その結果、近隣住民とのトラブルに発展するリスクが高くなるでしょう。周囲への水や塗料の飛散を防ぐためにも、飛散防止ネット・メッシュシート・ビニールなどを使った養生作業が必要です。なお、養生は足場設置の後に行うのが基本となります。

1-3.近隣住民への挨拶や塗装準備も

きちんとしている塗装業者であるほど、塗装工事を始める前に近隣住民への挨拶を行います。近隣住民への挨拶は、足場設置工事の前に行うことがほとんどでしょう。足場を組み立てる際も金属音が出てしまうため、周囲にとって騒音になる可能性があります。足場を組み立てる前にきちんと挨拶しておくことで、さまざまな近隣住民とのトラブルが回避できるのです。また、挨拶を済ませ、足場を組み立て養生が終わったら塗装準備に入ります。塗装準備では、必要な道具を用意したり、工程を改めて確認したりするでしょう。

2.塗装工事の工程:高圧洗浄・下地補修

ここでは、次の段階となる高圧洗浄と下地補修について解説します。

2-1.塗装範囲を高圧洗浄できれいにする

足場を組み立て養生が終わったら、次に高圧洗浄機を使って塗装範囲をきれいに掃除します。実は、塗装工事において、この高圧洗浄による掃除がとても大切な要素になるのです。高圧洗浄機は特殊な高圧水発生装置のことで、加圧された高圧水がノズルから噴射されます。強い圧力によって水があたったときの衝撃力が大きくなり、その力を利用して外壁についた汚れを落とすのが高圧洗浄です。そこまで汚れていない場合は約80~100気圧の水できれいにしますが、汚れが激しい場合は約120~150の気圧で水を噴射します。きちんと外壁をきれいにしなければ塗料がつかなくなるため、高圧洗浄は入念に行わなければなりません。

2-2.下地補修も重要な工程

高圧洗浄と同じく、下地補修も塗装工事において重要な作業工程となります。下地処理は、ヒビ割れにシーリングを充填したり、剝がれた塗料を除去したり、サビ止めの塗布をしたりするなどです。下地をきちんと調整することで、塗料の密着を高めることができます。つまり、逆に下地の補修をきちんと行っていなければ、塗料がくっつかず施工不良を起こす原因になるのです。実際に、下地補修作業をきちんと施さなかったせいで後の仕上がりに悪影響を及ぼしたケースが何件も起きています。塗料職人の腕の見せどころでもあるため、信用できる塗装業者を見極めなければなりません。

2-3.補修タイミングが遅くなるほど時間がかかる

補修作業で気をつけておきたいのが、補修を行うタイミングが遅くなるほど時間や費用がかかってしまうことです。雨漏りやヒビ割れといった外壁の劣化症状が見られた場合は、できるだけ早めに補修したほうがいいといわれているのも、補修作業を最小限に抑えるためでもあります。下地の状態が悪ければ悪いほど施工時間や費用がかかってしまうため、異変が見られたときにはなるべく早めに補修することを心がけましょう。

3.塗装工事の工程:下塗り・中塗り・上塗り

ここでは、塗装の基本となる下塗り・中塗り・上塗りについて解説します。

3-1.最初の塗装となる「下塗り」

塗装は1回塗れば終わりというイメージを持っている方が多いのですが、実はそうではありません。塗装作業は、同じ場所を2~3回は塗る必要があります。その最初の塗装となるのが下塗りです。下塗りは、中塗りと上塗りの塗料が密着しやすくなるように塗装するのが目的となります。旧塗膜や劣化状況によっては下塗り材を変える必要があるため、専門業者に依頼しましょう。また、下塗り材は最初に選んだ色と違う色を使う傾向があります。上塗りだけでは下地が透けるケースがあるので、上塗りの色がハッキリと出るように上塗りと違う色を使うのです。

3-2.最初の色に近づいていく「中塗り」

下塗りが完全に乾いたら、次に行うのは中塗りです。中塗りは下塗りと上塗りの橋渡し的な役割を担っています。下塗り材は上塗り材とは真逆の色を使う傾向があるため、中塗りで最初に選んだ色に近づいていく大切な工程です。外壁のデザインがデコボコになっている場合、へこみの部分は刷毛(はけ)で先に塗り、最後にローラーを使ったローラー工法で仕上げます。外壁の色が大きく変わる工程でもあるため、自分の目でしっかり確認することが大切です。

3-3.見た目と耐久性を左右する「上塗り」

下塗り→中塗りが完了したら、塗装作業の最後は上塗りです。上塗りは見た目と耐久性を大きく左右することになる重要な作業といえるでしょう。下塗りと中塗りで補うことのできなかった部分をきれいに塗装したり、防水やサビの進行を防ぐために加工を施したりするなど、大きな役割を担っています。特に、軒天・雨どい・水切り・雨戸など付帯部の塗装を入念に行うことになるでしょう。きちんと塗装を行うことで、仕上がりもより美しなる部分です。

4.塗装工事の工程:点検と足場解体

ここでは、塗装工事の最後の工程でもある点検と足場解体について説明します。

4-1.足場解体前に行う点検で入念にチェックする

上塗り作業が完了し完全に乾いたら、足場を解体する前に最終点検を行います。点検では、と創業者と一緒に、どのような仕上がりになったのか・どのような方法で施工を行ったのかなど、具体的に説明を受けることになるでしょう。ここで、きちんとチェックしておかないと、後でと創業者とのトラブルに発展する恐れがあるので注意してくださいね。また、状況によっては、点検時に追加工事の発生や費用などの説明を受けることもあります。なぜその費用になったのか・本当に仕様書どおりの仕事をしたのか、入念に確認しましょう。不具合や気になる箇所があれば放置せず、その場で相談してください。

4-2.組んだ足場を解体する

最終的な点検と確認が終わったら、組んだ足場を解体します。塗装工事の最初に組み立てた足場を解体したり、養生を撤去したり、発生した産業廃棄物を片づけたりすることも大切な作業です。片づけは点検後にすぐ行う塗装業者もいますが、念のため、1日はかかると思っておきましょう。塗装範囲が広いほど片づけにも時間がかかってしまいます。

4-3.片づけ後にもう1度確認する

足場を解体した後に、もう1度、完成した塗装状態を確認してください。よく、足場を解体したり片づけたりしている間に外壁をこすってしまうトラブルがあります。外壁をこすってしまった結果、塗装が剝がれてしまう恐れがあるため、塗装が終わった後と片づけが終わった後の計2回に自分の目で確認することが大切なのです。2回の塗装チェックを行うことで、後で塗装業者とのトラブルが回避できるでしょう。

4-4.足場を組み立てない無足場工法

足場の組み立てに時間や費用がかかるのがちょっと……と思っている方は、足場を組み立てない無足場工法がおすすめです。最初に、塗装工事において足場を組み立てることが大切だとお伝えしましたが、塗装業者や職人の腕によっては、足場を組み立てずとも塗装工事を行える可能性があります。実際に、足場は塗装工事全体の費用の約3分の1を占めているほど費用がかかる作業です。つまり、無足場工法を用いることで費用が節約できますし、工期も大きく短縮できます。オフィスチャンプでは無足場工法をメインに行っているので、悩んでいる方はぜひ1度ご相談ください。

5.塗装工事の工程に関してよくある質問

塗装工事の工程に関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.塗装工事を始める前に確認しておきたいことは?
A.見積書の内容はきちんと確認しておきたいポイントです。早く塗装工事を始めたいから、と確認せずに工事を進めてしまうと、後でトラブルになる恐れがあります。見積書にはどのような作業にどのくらいの時間がかかるのか・どのくらいのお金が発生するのかなど記載されているため、必ずチェックしてください。また、事前に追加費用が発生するケースなども確認しておいたほうが安心です。

Q.下地補修が必要な劣化症状は?
A.下記の症状が起きている場合は、できるだけ早めの補修工事が必要になるでしょう。

  • ヒビ割れ(クラック)
  • 金属部分のサビ
  • 塗膜の剥離
  • コーキング(シーリング)の劣化
  • コンクリートやモルタルの補修

上記の中でも特に気をつけて起きたいのが、ヒビ割れです。ヒビが大きいものほど早急な補修が必要ですし、費用や工期を費やすことになります。劣化がひどいと下地処理に数日かかることもあるのです。

Q.下塗り・中塗り・上塗りに入る前に確認すべきことは?
A.きちんと感想期間を設けているか確認が必要です。塗料カタログなどには、乾燥期間(塗装間隔)が必ず記載されています。その内容どおりに乾燥期間を設けなければ、建物を保護するための塗膜を作ることができません。そのため、きちんと時間を守っているか・乾く前にすぐ塗料を塗っていないか確認が必要です。また、塗料を塗っているときは日中だけでなく夜に、どのように色が見えるのか自分の目で確認してください。

Q.塗装工事で起こりやすいトラブルは?
A.塗装工事で起こりやすいのは、近隣住民とのトラブルです。外壁塗装で塗料が飛び植木に色がついてしまった・道路に資材が置いてあり駐車場への出し入れに困った・ひどい臭いで窓をあけることができなかったなどがあります。これらのトラブルを未然に防ぐためには、きちんと配慮している塗装業者に依頼することが大切です。

Q.塗装業者選びのポイントは?
A.どの塗装業者に依頼して良いのか分からない……と悩んでいる方は、以下のポイントを参考にしましょう。

  • 塗装実績があるか
  • ホームページ等に施工事例が掲載されているか
  • スタッフの対応が丁寧でスピーディーか
  • 無料見積もりや無料相談を受けつけているか
  • 見積書の内容が具体的に記載されているか
  • どのような質問にも分かりやすく答えてくれるか
  • 実際に利用した人の口コミや評判がいいか

上記のポイントを踏まえて、複数の業者を比較することが大切です。最低でも3~4社を比較することで、それぞれの特徴や良しあしが分かりやすくなるでしょう。

まとめ

塗装工事の工程は、主に、足場の組み立て・養生→高圧洗浄・下地処理→下塗り・中塗り・上塗り→点検・足場解体の流れとなっています。外壁の状態が悪ければ悪いほど工程に時間がかかり費用もかさんでしまうので注意が必要です。それぞれの工程で押さえておきたいポイントや塗装業者選びのコツをつかんでおけば、安心して塗装工事を行うことができるでしょう。なるべく、塗装実績のある業者を選ぶことがポイントでもあります。


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