ローラー塗装と吹き付け塗装の特徴は? 使い分けるポイントを解説


塗装方法はさまざまですが、中でもよく採用されているのがローラー塗装と吹き付け塗装です。それぞれの方法によって特徴はもちろん、塗装方法が異なるため、事前にチェックしておかなければなりません。きちんと特徴を把握しておけば、上手に使い分けることができます。

本記事では、ローラー塗装と吹き付け塗装、それぞれの特徴とポイントなどを解説しましょう。

  1. ローラー塗装の特徴は?
  2. 吹き付け塗装の特徴は?
  3. ローラー塗装と吹き付け塗装を使い分けるコツ
  4. ローラー塗装と吹き付け塗装に関してよくある質問

この記事を読むことで、ローラー塗装と吹き付け塗装の違いが分かります。気になっている方はぜひ参考にしてください。

1.ローラー塗装の特徴は?

まずは、ローラー塗装はどのような特徴があるのか、基本情報をチェックしていきましょう。

1-1.ローラーを使った塗装方法

ローラー塗装を簡単に説明すると、専用のローラーを使って塗料を塗りつける方法です。ローラーはホームセンター等にも販売しているので、自分でも簡単に使って塗料を塗りつけることができるでしょう。基本的に、ローラー塗装は施工ごとに新しいローラーを専用のハンドルに装着することになります。違う塗料を使う際は、新しいローラーに交換して使うことになるでしょう。ローラーの値段はいろいろですが、1本あたり400~800円ほどです。また、ローラーの種類としては、以下のようなものがあります。

  • 長毛:毛が長いのが特徴で、塗り残しなく広い範囲を塗ることができる
  • 中毛:長毛と短毛の両方の特徴をもっており、多少のデコボコ面でもきれいに塗ることができる
  • 短毛:毛が短いのが特徴で、きめ細かい仕上げになる

1-2.最も一般的な塗装方法

塗装方法はさまざまな種類がありますが、ローラー塗装は最も一般的な塗装方法だといわれています。一般的に使われているのは、塗料の飛散が少ないからでしょう。塗料の飛散が少ないということは、塗料の無駄が少なくなるということです。塗料を無駄にすることがない塗装方法だからこそ、簡単に厚塗りができます。塗装方法の中でも厚く塗りやすいのはもちろん、ローラーなどの道具が扱いやすいのも大きな特徴といえるでしょう。職人の技術力が左右される塗装方法はありますが、ローラー塗装は技術力が低くても塗りやすいメリットがあります。

1-3.高所の塗装やデコボコ面にも対応できる

ローラー塗装の特徴としては、高い場所での塗装でも安全に行えることです。前述したように、ローラーを使った塗装方法になるため、ハシゴやブランコなどを併用すれば高所でも職人の手で塗装することができます。また、塗りが均等でムラが発生しづらいのも大きな特徴です。毛足の長いローラーを使えば、デコボコ面でも難なく塗ることができるでしょう。いろいろな場所にも対応できるからこそ、現場で最も採用される塗装方法となっています。

1-4.ローラー塗装にもデメリットがある

ローラー塗装は一般的な塗装方法ですが、デメリットもあるのでしっかりと把握しておかなければなりません。大きなデメリットとしては、以下のようなものが当てはまります。

  • 職人が下手だったり、安いローラーを使ったりするとローラーの毛がついてしまう
  • 仕上がり方がどれも同じで個性がない
  • ローラーが入らないような細かい場所は塗装できない
  • 雨戸などの複雑な形をしているものの塗装には向かない
  • 吹き付け塗装よりも塗装時間がかかる

ローラー塗装はさまざまな場所に対応できるといいましたが、ローラー自体が入らない細かい場所は塗装ができません。職人の腕が極端に下手で安いローラーを使ってしまうと、ローラーの毛が外壁についてしまう恐れがあります。また、仕上がりがどれも同じになってしまうため、外壁に個性を出したい方には向いていないでしょう。上記のデメリットをしっかりと踏まえておけば、ローラー塗装を上手に使うことができます。

2.吹き付け塗装の特徴は?

ここでは、吹き付け塗装の特徴について詳しく説明します。

2-1.専用の器具で塗料を霧状にして吹き付ける

吹き付け塗装とは、専用の器具で塗料を霧状にし、外壁などに吹き付ける塗装方法のことです。ローラー塗装はローラーを使って塗装を行いますが、吹き付け塗装は直接道具を外壁につけるわけではありません。霧状にした塗料を専用の器具を使って吹き付けるのが、大きな特徴となります。専用の器具によって空気の力を利用したり、直接加圧したりして、塗料を粒子状にするというわけです。塗料を粒子状にすることで、ローラー塗装とは違うメリットが期待できます。

2-2.外壁にさまざまな模様をつけることができる

吹き付け塗装の大きなメリットといえるのが、外壁にさまざまな模様をつけることができる点です。塗布したい部分に吹き付けるだけで塗装ができるため、模様をつけたい場所だけ色を変えたり、塗る場所を細かく分けたりすることができます。また、塗料に細かい石を混ぜることで、さまざまな仕上がりになるでしょう。ローラー塗装は均等に塗ることができる塗装方法ですが、吹き付け塗装は個性的な外観に仕上げる塗装方法といえます。外壁に多様性をもたせたい方にはぴったりの塗装方法です。

2-3.塗装時間が早い

吹き付け塗装の大きなメリットとしては、塗装時間が早い点にもあります。ローラー塗装は自分の手を使って塗装することになりますが、吹き付け塗装は専用の器具を使う方法です。また、ローラー塗装よりも広範囲に塗装できることから、施工時間が短縮できます。特に、塗装に時間がかかりがちな工場や倉庫のような塗装面が広い建物に有効な塗装方法といえるでしょう。手早く塗装を済ませたい方には吹き付け塗装がおすすめです。

2-4.職人に高い技術が求められる

吹き付け塗装のメリットがあればデメリットもあるので、きちんと把握しておかなければなりません。吹き付け塗装の大きなデメリットは、職人に高い技術が求められることです。そもそも、吹き付け塗装ができる業者は限られているため、ローラー塗装よりも業者選びが難しくなるでしょう。職人の腕によって仕上がりが左右されることになるので、高い技術のある塗装業者に依頼することが大切です。ほかにも、吹き付け塗装には以下のようなデメリットがあります。

  • 塗料を大量に使いがち
  • 養生するために手間と時間がかかる
  • 塗料の付着が弱い
  • 塗料を粒子にして飛ばすので無駄が多くなる
  • 風に流されやすいため、天候によって作業できる日が限られる
  • 塗装時に機械の騒音が問題になることもある

3.ローラー塗装と吹き付け塗装を使い分けるコツ

それでは、ローラー塗装と吹き付け塗装を使い分けるコツを解説します。

3-1.多様な仕上がりにしたい方は吹き付け塗装

前述したように、吹き付け塗装は多様な仕上がりにできるため、外観に個性を出したい方におすすめです。たとえば、モルタル壁の場合、リシン仕上げやスタッコ仕上げといった多様性を出すことができます。外観の個性をそれほど重視していないのであれば、ローラー塗装でもいいでしょう。ただし、吹き付け塗装は周囲に塗料が拡散してしまうため、塗料の2割ほどを無駄にしてしまい、近隣の住宅にも塗料が飛んでしまう恐れがあります。近隣の住宅との距離が近い場合は、ローラー塗装にするか、養生をしっかりとしておかなければなりません。

3-2.さまざまな条件を考慮することが大事

正直なところ、ローラー塗装と吹き付け塗装それぞれに特徴があるので、どちらのほうが優れているとはいえません。特別、どちらかが優れているわけではないため、さまざまな条件を踏まえた上で使い分けることが大切なポイントとなります。そこで、重要視してほしいのは、家の形・立地条件・どのような模様が色にするか・塗料メーカーからの指示です。どのような外壁にしたいのか考えた上で、家の形や立地条件に合わせた塗装方法を選んでください。また、同じ塗料でもメーカーによって目安の使用量が異なります。塗料メーカーの指示を仰ぐことも大切です。

3-3.安全面と近隣への配慮からローラー塗装が基準に

外壁や屋根で一般的な塗装は、ローラー塗装といった手塗り塗装です。吹き付け塗装は特殊な仕上がりが必要なときや、工場といった広範囲での塗装の場合に採用されることになるでしょう。外壁塗装では、何よりも安全面と近隣への配慮が大事な要素になるため、飛散の多い吹き付け塗装を採用することが少なくなってきています。よって、外壁塗装の基本はローラー塗装と考えるといいでしょう。ローラー塗装を基準にしながら、特殊な仕上がりが必要なときに吹き付け塗装を使うのがベストです。

3-4.外壁塗装業者の選び方も大事

前述したように、外壁塗装の仕上がりは塗装方法だけでなく、職人の腕によって左右されることになります。想像どおりの仕上がりにするためには、外壁塗装業者選びも慎重に行わなければなりません。外壁塗装は不正を働きやすい作業になるため、悪徳業者が存在しています。悪徳業者に引っかからないためにも、以下のポイントに注目して外壁塗装業者を選んでください。

  • スタッフの対応が丁寧かつスピーディーか
  • 外壁塗装の実績があるか
  • 無料見積もりや無料相談を受け付けているか
  • 見積書の内容が具体的に記載されているか
  • 実際に依頼した人の口コミや評判がいいか
  • ホームページ等に施工事例が記載されているか

格安&短工期の外壁リフォーム工事を行っているオフィスチャンプでは、無料見積もりを受け付けています。外壁塗装でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

4.ローラー塗装と吹き付け塗装に関してよくある質問

ローラー塗装と吹き付け塗装に関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.ローラー塗装と吹き付け塗装で耐久性は変わるのか?
A.変わりません。吹き付け塗装はローラー塗装よりも薄めて使うことが多いので耐久性が低いといっている外壁塗装業者がいますが、それは誤りです。確かに、吹き付け塗装はローラー塗装よりも塗料を薄めて使うことが多いでしょう。ただ、それは吹き付け専用の器具から噴出するために薄めているだけなのです。手抜き目的で薄めているわけではないため、耐久性が低くなるというわけではありません。

Q.羊毛ローラーとは?
A.外壁塗装の約8割が羊毛ローラーを使用しています。羊毛ローラーは本物の羊毛を使っているわけではなく、アクリルやポリエステルなどの繊維で作れているのがほとんどです。ほかにも、砂骨ローラーという道具を使うこともあります。砂骨ローラーは、ローラー面に複数の穴が空いているので塗料を一度に吸い上げることが可能です。そのため、作業効率がぐんと上がりますし、厚塗りをしたいときにぴったりのローラーといえるでしょう。

Q.外壁塗装工事の工程は?
A.大まかな外壁塗装工事の工程は以下のとおりです。

  1. 足場の組み立て・飛散防止シートの設置
  2. 高圧洗浄
  3. 養生
  4. 下地処理・下地調整
  5. 下塗り→中塗り→上塗り
  6. そのほか細かい部分への塗装
  7. 養生シートを除去し最終確認

Q.刷毛(はけ)塗りとは?
A.手塗り塗装の1つで、小さな刷毛を使って塗装していく方法となります。ローラー塗装よりも小まわりが効きやすいのが特徴で、狭い場所やデコボコ面での塗装に向いているでしょう。ローラー塗装と吹き付け塗装よりも職人の腕に左右される塗装方法でもあります。職人によって仕上がりに差が出てしまうので、なるべく塗装実績のある業者に依頼したほうがいいでしょう。

Q.外壁塗装の費用を抑えるポイントは?
A.いろいろな方法がありますが、足場を組み立てないことが大幅な節約につながります。外壁塗装を行う場合、足場を組み立てるケースがほとんどでしょう。けれども、足場を組み立てない無足場工法を行っている外壁塗装業者があります。職人の実績と経験があるからこそ、無足場工法でもスムーズに塗装を行うことができるのです。オフィスチャンプでは無足場工法に力を入れているので、ぜひ一度お問い合わせください。

まとめ

ローラー塗装はローラーを使って塗装する手抜き塗装の1つで、吹き付け塗装は専用の器具を使って粒子状の塗料を吹き付ける塗装方法です。それぞれのメリット・デメリットがあるため、特徴をきちんと踏まえてから立地や建物の形に合わせて使い分けるのがポイントでもあります。どの塗装方法にすべきか悩んでいる方は、外壁塗装の実績がある業者に相談するといいでしょう。


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