無足場工法における高所作業の安全性は大丈夫か? 安全対策などを解説


足場をかけない無足場工法が注目されていますが、高所作業で安全性は確保されているのか、もしものことが起きるのではないか……など、不安を感じている方は多いでしょう。

無足場工法は足場の設置が必要ないため、足場代の費用を丸々節約できるメリットがあります。けれども、注意しておきたいのが高所作業の安全性です。

本記事では、無足場工法における高所作業や安全性などについて詳しく説明します。

  1. 無足場工法の特徴
  2. 高所作業の危険性
  3. 無足場工法の安全対策と施工事例
  4. 業者選びのポイント
  5. 無足場工法に関してよくある質問

この記事を読むことで、無足場工法の特徴や業者選びのポイントなども分かります。気になっている方はぜひ参考にしてください。

1.無足場工法の特徴

まずは、無足場工法の特徴をチェックしましょう。

1-1.足場をかけない工法

無足場工法とは、名前のとおり、足場をかけない工法のことです。ビルなど建物の屋上に専用の器具を設置し、そこからブランコやゴンドラを吊り下げます。ブランコやゴンドラを吊り下げられない場合は、作業員の腰に命綱をつけて作業をすることになるでしょう。無足場工法は、外壁塗装・屋根塗装・配管塗装・タイル調査・照明交換・ベントキャップ交換・鳩(はと)よけネット設置などによく採用されています。

1-2.無足場工法は3種類

無足場工法の主な種類としては、ロープアクセス・ブランコ・ゴンドラの3つがあります。それぞれの特徴は以下のとおりです。

1-2-1.ロープアクセス

屋上から吊(つる)されたロープと作業員をつなぎ、工事する方法です。1980年代に海外で普及しましたが、日本では安全上の問題でロープアクセスは使われていませんでした。しかし、それから産業用ロープアクセスが誕生し、無足場工法の採用が日本でも認められるようになったのです。

1-2-2.ブランコ

建物の屋上からロープでぶら下がり、作業員が空中で工事や作業を行う方法です。ロープアクセスとブランコはほぼ同じですが、安全性に大きな違いがあります。ブランコはロープアクセスの普及前から使用されていましたが、安全性が確保されていないのでブランコによる施工を禁止している現場も多いのが現状です。

1-2-3.ゴンドラ

屋上に設置した専用器具から、可動式のゴンドラを吊り下げる方法です。作業員はそのゴンドラに乗って作業をすることになります。ゴンドラは安定性に優れていますが、ロープアクセスやブランコとは違って機動力はありません。

1-3.足場代が節約できる

無足場工法を採用する大きなメリットは、足場代が節約できる点です。たとえば、外壁塗装の場合、足場の組み立てと撤去に時間と費用がかかります。全体費用の約3分の1が足場代になるほど、費用は高額です。けれども、無足場工法を採用すれば足場代が丸々カットできます。そのほか、足場の設置には最低でも70cmのすき間が必要といわれていますが、無足場工法なら省スペースでも施工できる点もメリットです。

2.高所作業の危険性

ここでは、高所作業の危険性について詳しく説明します。

2-1.安全性の確保が必要不可欠

無足場工法のメリットはたくさんありますが、安全性の確保が必要不可欠です。特に、ロープアクセスやブランコは、建物の屋上から吊されているロープに作業員の命がかかっています。フルハーネスなど専用器具の装着がきちんとできていなければ、命に関わる重大な事故が起きる可能性もあるのです。安全対策の必要性が求められるという点は、無足場工法のデメリットともいえるでしょう。逆に、しっかりと安全対策をしていれば、落下のリスクはありません。

2-2.通行人がケガをするリスク

高所作業のリスクは、さまざまなところに潜んでいます。作業員の転落事故だけでなく、作業員が扱う工具を落としてしまい、そのまま通行人に当たる事故も起きているので非常に危険です。どれだけ専用器具やロープなどが頑丈で安全対策が万全であったとしても、作業員自身が注意やリスク管理を怠ると大きな事故につながってしまいます。つまり、高所作業は作業員の技術も必要というわけです。高所作業は、通行人の命を奪うリスクも潜んでいるので注意しなければなりません。

2-3.高所作業は安全対策が重要

令和元年に厚生労働省が行った「事故の型別労働災害発生状況」の調査によると、死亡災害で最も多いのは墜落・転落事故でした。休業4日以上の死傷災害においても、転倒と墜落・転落がおよそ40%を占めています。この結果から分かるように、高所作業は非常に危険であることが読み取れるでしょう。だからこそ、高所で作業をする際は安全対策が必要不可欠です。墜落や転落が起きないように、労働安全衛生法ではさまざまなルールが定められています。

3.無足場工法の安全対策と施工事例

ここでは、無足場工法の安全対策と施工事例を紹介します。

3-1.14階以上のビルやマンションには採用できない

無足場工法はすべての現場で採用できるわけではありません。採用できないケースもあることを、しっかりと把握することが安全対策につながります。無足場工法は、安全性の問題から作業内容や採用できる建物が制限されているのです。ロープアクセスやブランコは屋上から吊された状態で作業することになるため、力が必要になる作業には向いていません。作業範囲が広いケースや14階以上のビル・マンションなどには無足場工法の採用が認められていないので注意してください。

3-2.特別教育の受講が義務化

ロープ高所作業における安全対策のために、平成28年7月1日以降からロープ高所作業者は特別教育の受講が義務化されました。これは労働安全衛生規則の改正で定められているため、特別教育を受けていない人がロープ高所作業をするのは法律違反となります。無足場工法での高所作業を業者へ依頼する際は、特別教育を受講した職人かを確かめるといいでしょう。しっかりと特別教育を受講した職人がいる業者なら、労働安全衛生規則に則(のっと)った手法で施工できます。

3-3.ロープアクセスの規制

同じく、平成28年の労働安全衛生法改正によって、ロープアクセスの規制も制定されました。無足場工法の安全対策として、メインロープ以外にライフラインを設けることが必要となります。メインロープだけの作業では安全対策が不十分であり、ロープアクセスの規制をしっかりと守っているか、業者に依頼する際は確かめることも大切なポイントです。

3-4.業者による安全対策も

法律で定められている安全対策とともに、業者によって入念にチェックしたり、施工現場を写真や動画で撮影したりするなどの対策を行っているところもあるでしょう。前述したように、高所作業のリスクは職人自身の意識や技術問題も関わってきます。施工しにくい場所や安全に無足場工法で工事できるかなど、入念に確認しなければなりません。各業者がどのような安全対策を行っているか、きちんと確かめる必要があります。

3-5.無足場工法による施工事例

無足場工法を用いた外壁塗装の例を紹介します。外壁塗装を行う建物の高さは20m以上でしたが、特殊クランプを使用し、ブランコ作業で塗装を進めていきました。民家が隣接していた建物ということで飛散防止の養生ネットをしっかりと施し、下地処理から下塗り・中塗り・上塗り、そして仕上げまで丁寧に行います。足場をかけられない部分でもブランコ作業で塗装を行えるのが、無足場工法のメリットです。

4.業者選びのポイント

ここでは、業者選びのポイントを解説します。

4-1.無足場工法の実績があるか

何よりも1番重視してほしいのは、無足場工法の実績です。前述したように、無足場工法に慣れている職人はまだ少ないため、採用できる業者が限られています。無足場工法を採用していても、慣れていない職人が作業を行うと事故を引き起こす原因になることもあるので注意が必要です。無足場工法の実績を見極めるポイントとしては、ホームページ等に施工事例が写真つきで掲載されているか、そしてスタッフの対応にあります。どのような質問をしても分かりやすく丁寧に答えてくれる業者なら、安心して依頼できるでしょう。

4-2.安全対策についての説明があるか

無足場工法の内容だけでなく、安全対策についての説明もあるかどうかが業者選びのポイントです。前述したように、無足場工法は安全対策が必要不可欠となります。どのような安全対策を行っているか、もしも事故が起きたらどうするのかなど、具体的な説明をしてくれる業者なら安心して依頼できるでしょう。逆に、安全対策の説明もなく勝手に工事プランを決められたり、契約を進められたりする際は注意が必要です。また、事前に施工箇所の調査を行うかもチェックしておきたいポイントとなります。

4-3.見積書の内容が具体的に記載されているか

無足場工法は足場を設置する工法よりも費用を抑えることはできますが、業者の中には不当な料金を請求してくる悪質な業者が存在しています。見積書の内容が明確になっているか、詳細がきちんと書かれているかを必ず確認してください。念のために、追加費用が発生するケースもチェックしましょう。見積書で疑問点や不安要素がある場合は、すぐに業者へ尋ねて確認することが大切です。

4-4.無足場工法ならオフィスチャンプへ

無足場工法を検討中の方は、ぜひオフィスチャンプにご依頼ください。オフィスチャンプはビルやマンションを中心に、無足場工法を用いた外壁塗装・タイル工事・シーリング工事・外壁下地補修・清掃作業が可能です。無足場工法に慣れている自社職人が作業を行います。狭小スペースでの工事にも対応しているので、ぜひ一度ご相談ください。

5.無足場工法に関してよくある質問

無足場工法に関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.従来の足場と無足場工法、どちらがいいのか?
A.作業現場の状況や建物などで異なります。たとえば、足場を設置できない空間なら無足場工法を用いて作業ができるでしょう。ただし、以下のような状況では無足場工法は採用できません。

  • 14階以上の高層マンション・ビル
  • 屋上が傾斜屋根で、建物内からも屋上に出られない
  • 屋上に無足場工法の仮設機材を設置する場所がない
  • 着地できる安全な場所がない
  • 隣地の建物との間隔が45cm以下

Q.ロープアクセスを用いる際の注意点は?
A.天候に左右されやすい傾向があるので注意が必要です。雨の日や風が強い日は、ロープアクセスでの作業が困難になります。また、広範囲で作業を行う場合は向いていません。コストが割高になるため、部分的な補修にだけロープアクセスを用いるのがおすすめです。

Q.ブランコ工法のデメリットは?
A.下がりきれる範囲でしか作業ができない点です。そのため、ブランコを用いた作業は範囲が限られてしまいます。ロープアクセスよりも安全面に不安があるので、入念な安全対策が必要になるでしょう。

Q.無足場工法が適さない作業は?
A.主に、以下のようなケースが考えられます。

  • 施工規模・面積が非常に大きい(コストダウン効果が少なくなる)
  • 人力で扱えない重量物の設置工事
  • 体を支えていないと不向きな重作業
  • 大型機械を使用する作業

作業員の技術によってはできる可能性もあるので、一度業者に相談してください。ケースによっては、足場を設置する必要もあります。

Q.優良業者を選ぶポイントは?
A.施工後もアフターフォローが充実しているかに注目してください。アフターフォローが万全に整っている業者なら、無足場工法を用いた施工後にトラブルが起きてもすぐに対応してくれます。また、高所作業ではどのような仕上がりになったのか確認できないため、写真や動画などで説明してくれるかもチェックしておきたいポイントです。

まとめ

無足場工法における高所作業は、入念な安全対策が必要です。使用する道具類の安全性はもちろんのこと、実際に作業を行う職人の技術も必要になります。無足場工法は足場代の節約につながるので注目されていますが、実績のある業者に依頼することが大切なポイントです。なお、オフィスチャンプでは無足場工法専門の外壁リフォーム業者となります。無足場工法に関する相談も受け付けていますので、ぜひ一度お問い合わせください。


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