マンション外壁工事の内容を徹底解説! 外壁工事を行う際の注意点も


マンションの外壁工事は大がかりなものになるので、いろいろな点で不安を感じている方は多いでしょう。けれども、外壁工事はマンションの外見をよくするためだけでなく、耐久性を維持するためにも重要な工事です。では、どういうタイミングでマンションの外壁工事をすれば良いのでしょうか。

本記事では、マンションの外壁工事における内容や注意点などを解説します。

  1. マンションの外壁工事にはどんなものがある?
  2. マンションの外壁工事で押さえておきたいポイント
  3. マンションの外壁工事が必要になるタイミングは?
  4. マンションの外壁工事を行う際の注意点
  5. マンションの外壁工事に関してよくある質問

この記事を読むことで、マンションの外壁工事が必要になるタイミングも分かります。気になっている方はぜひ参考にしてください。

1.マンション外壁工事にはどんなものがある?

まずは、マンション外壁工事にはどんなものがあるのか、チェックしておきましょう。

1-1.外壁診断

マンションの外壁工事をするためには、現在の外壁がどのような状態になっているのかすることが大切です。外壁の状態を確認する際は、外壁診断が大きな役割を果たします。外壁診断は、目視・触診を行ったり、専用の機器を利用したりするなどして外壁の状態を確認することです。補修が必要な箇所にはマーカーで印をつけておき、外壁診断の報告書にまとめられます。外壁診断での結果が、外壁工事の査定基準になるのです。

1-2.外壁洗浄

外壁洗浄は、外壁に付着したさまざまな汚れを除去します。外壁洗浄を行うメリットは主に以下のとおりです。

1-2-1.マンションの耐久性が高まる

外壁についてしまう汚れ・コケ・カビをそのままの状態にしておくと、その部分から劣化が進行してしまいます。定期的に外壁洗浄をすることで、外壁に塗られている塗料の性能が発揮され、劣化防止につながり、マンションの耐久性が高まるというわけです。

1-2-2.マンションの資産価値を上げる

外壁洗浄はマンションの資産価値を上げるメリットもあります。外壁が汚れていると見た目が悪くなり、資産価値が大幅に下がってしまいがちです。常に外壁がきれいな状態だと、住民にとってもマンションの価値が上がります。

1-3.外壁塗装

外壁塗装は、外壁材に新たな塗料を塗る工事のことです。雨水や紫外線などで塗装の耐久性や防水性が劣化するため、定期的に外壁塗装を行うことで劣化を防ぎます。外壁塗装を行わずにいると、劣化が進行してはひび割れや雨漏りが発生してしまうことになるでしょう。マンションの美観を保つほか、耐久性を維持するためにも外壁塗装は必要不可欠です。

1-4.カバー工法

カバー工法とは、既存の外壁の上に新たな外壁を張りつける工事です。一般的に、金属系のサイディングボードを用いることが多いでしょう。外壁の状態がそこまで悪化していなければ、カバー工法でも十分に補えますが、激しく損傷している場合はカバー工法以外の方法で補修を行うことになります。

1-5.張り替え工事

張り替え工事とは、既存の外壁を除去して新たな外壁を張りつける工事のことです。外壁の下地まで傷んでいたり、カバー工法では補うことができなかったりするケースに用いられます。特に、外壁が激しく劣化して雨漏りなどが発生している場合、外壁そのものを取り換える工事が必要になるでしょう。

1-6.防水工事

屋上やベランダ・バルコニーなど雨漏りの危険性が高い場合は、外壁工事とともに防水工事を行うことがあります。防水性を高めるために必要な工事です。

2.マンションの外壁工事で押さえておきたいポイント

マンションの外壁工事では、外壁塗装を中心にして行います。外壁工事で押さえておきたいポイントもチェックしておきましょう。

2-1.外壁材の耐用年数

マンションの外壁工事をする際、外壁材と外壁塗装の耐用年数がポイントになります。外壁材と外壁塗料の耐用年数が近づくほど劣化が進行し、さまざまな劣化症状が見られるようになるでしょう。ベストなタイミングで外壁工事をするためにも、外壁材と外壁塗料の耐用年数を把握しておく必要があります。

2-2.外壁材の種類

マンションでよく使われている外壁材は、以下の4種類です。

  • タイル張り:汚れ・傷・紫外線に強い高耐久性の外壁材。表面の塗装は不要だが、10年に1度、浮きの補修・欠けたタイルの交換といったメンテナンスが必要
  • 吹付けタイル:表面がタイルのような艶のある外壁材。ひび割れが起きやすい傾向があるため、防水工事と一緒に行うことが多い。弾性タイプの塗料で塗装するのがおすすめ
  • サイディング:コストパフォーマンスに優れている外壁材。定期的なメンテナンス以外にも、防水工事を兼ねたシーリングの点検が必要
  • ALC:軽量気泡コンクリート。比較的軽く、耐火性・耐震性に優れた高耐久外壁材だが、10年1度の再塗装とシーリングの点検が必要

2-3.外壁塗料の種類

マンションの外壁塗料としてよく使われるのは、合成樹脂塗料です。外壁工事の回数を減らすために、耐用年数が長めの塗料が広く用いられます。主な塗料はシリコン塗料で、耐用年数は約12~15年です。費用相場は1㎡あたり約2,000~3,000円になります。また、フッ素塗料もよく使われており、耐用年数は約15~20年、費用相場は1㎡約4,000~6,000円です。なお、外壁塗装は下塗り→中塗り→上塗りの順で3回行います。乾燥させながら行う必要があるため、マンションの外壁塗装工事は約2~3か月かかるでしょう。

3.外壁工事が必要になるタイミング

ここでは、外壁工事が必要になるタイミングについて説明します。

3-1.チョーキング現象

外壁を触ると白い粉が手につく現象を、チョーキング現象といいます。チョーキング現象は、紫外線などが原因で塗料が劣化している状態です。塗料本来の効果が十分に発揮されていないため、外壁塗装を行うべきサインといえるでしょう。

3-2.塗膜剥離

塗料の劣化で塗膜の防水性が低下しすると、塗膜剥離が起きます。すでに、塗膜が水分を含んでしまい膨張している状態になっているため、外壁工事が必要になるでしょう。

3-3.ひび割れ(クラック)

紫外線や雨水によって外壁が乾燥と膨張をくり返し、塗料にひび割れが生じます。ひび割れを放置するほど劣化がひどくなるため、早めの外壁工事が必要です。特に、ひび割れの幅が0.3mm以上の場合は、早急の対応が必要になるでしょう。

3-4.露筋(ろきん)

露筋とは、鉄筋部分の腐食が進んでいる状態のことです。腐食が進み外壁が膨張すると、外壁の表面が押し出されて腐食した鉄筋が出てきます。外壁のひび割れから雨水が浸入することで、鉄筋部分が腐食するので雨水が浸入しないように外壁塗装や防水工事を施さなければなりません。

3-5.シーリングの劣化

シーリングの劣化も、外壁工事を行うタイミングといえるでしょう。そもそも、シーリングとは、外壁材のすき間を埋めるゴム状のものです。紫外線を浴び続けることで劣化が進み、ひび割れ・剝がれ・欠落といった症状が現れます。劣化したシーリングは除去し、新しいものに打ち替えなければなりません。

4.マンションの外壁工事を行う際の注意点

ここでは、マンションの外壁工事を行う際の注意点を解説します。

4-1.妥当な外壁工事か

マンションの外壁工事は、長期修繕計画の上で行うことが必要です。修繕積立金の算定基準にもなりますので、妥当な外壁工事が見極めた上で始めなければなりません。この外壁工事が最適か、工事のタイミングはいつが良いかなど、しっかりと考えましょう。妥当な外壁工事か見極めるためにも、外壁診断が必要になります。

4-2.外壁工事業者任せにしない

外壁工事はすべてを業者任せにしてはいけません。素人では分からないからと外壁工事業者にすべてを任せきりにした結果、すぐに塗料が剝がれたり雨漏りが発生したりというトラブルが起きています。外壁工事業者の中には、不正を働く悪徳業者が存在しているため、十分に気をつけなければなりません。

4-3.劣化症状はすぐに確認する

マンションの外壁工事は規模が大きくなるほど、劣化がひどい状態ほど工事費用が大きくなります。少しでも工事費用を抑えるためにも、劣化症状は放置しないでください。住民から「こういう症状が起きている」という相談があった際にも、すぐに外壁診断を専門業者に依頼しましょう。劣化状態がこれ以上悪化しないうちに対処したほうが、低費用で補修できます。

4-4.無料見積もりを依頼する

悪徳業者とのトラブルを防ぐためにも、複数の外壁工事業者に無料見積もりを依頼しましょう。そして、見積書の内容をしっかりと確認してください。工事内容や費用が詳しく記載されているのはもちろんのこと、スタッフへ質問をしたときにきちんと回答してくれるかも確認が必要です。

4-5.居住者や近隣住民に告知する

マンションの外壁工事をする前に、居住者や近隣住民への告知が必要です。外壁工事は足場の設置・作業員の出入り・工事中の騒音・塗料の臭いなど、あらゆる工程でトラブルが起きる可能性があります。工事中は、洗濯物を外に干せない・ベランダに出られない時間があるなど注意事項も多いので注意が必要です。それらの情報や注意点を、きちんと共有しておかなければなりません。トラブルのリスクを回避するためにも、居住者や近隣住民に説明しておきましょう。

5.マンションの外壁工事に関してよくある質問

マンションの外壁工事に関してよくある質問を5つピックアップしてみました。

Q.マンションの外壁塗装はいくらぐらいかかるのか?
A.外壁塗装の費用は、塗料の種類・塗装範囲などによって異なります。塗料の単価相場は2,000~5,000円/㎡ですが、塗料の種類によっては数万〜数十万円の差がつくこともあるでしょう。相場を知りたい方は、無料見積もりを複数の業者に依頼してください。

Q.マンションの外壁工事を安く抑えることはできるか?
A.定期的に外壁のメンテナンスをすることが、外壁工事費用を安く抑えるコツです。前述したように、どのような劣化症状でも早めに確認し補修を行うことで、費用を最小限に抑えられます。また、無足場工法を用いるのも選択肢の1つでしょう。外壁工事は基本足場を組み立てますが、無足場工法は足場を設置しないので足場代が節約できます。オフィスチャンプでは、実績と経験を兼ねた職人が作業を行うからこそ無足場工法が可能です。見積もりも相談も無料で受け付けていますので、外壁工事でお悩みの方はぜひ一度ご相談ください。

Q.マンション外壁工事の流れは?
A.マンションの外壁工事の流れは以下のとおりです。

  1. 着工前:居住者・近隣住民への告知・施工計画の説明会
  2. 足場仮設:足場の組み立て
  3. 下地補修:外壁の補修など
  4. 外壁洗浄:外壁洗浄→養生
  5. 各外壁工事:シーリング・鉄部塗装・外壁塗装・防水工事など
  6. 足場の解体と最終確認

無足場工法を用いる場合、足場の設置と除去が必要ないので時間と手間が省けます。なお、外壁の状態によっては流れが大きく変わるため、具体的な工事の流れは業者に確認してください。

Q.マンションの再塗装と修繕のタイミングは?
A.一般的には、10~15年が再塗装の目安です。塗料の耐用年数に合わせて修繕計画を立てることも必要でしょう。ある程度年数が経過している場合は、外壁工事業者と相談をして再塗装と修繕を行ってください。

Q.マンションの外壁工事でトラブルにならないためにできることは?
A.外壁工事のトラブルは、コミュニケーション不足によるものがほとんどです。管理会社・管理組合・施工会社・居住者とすべてにおける連携と情報共有がしっかりとできていれば、トラブルは回避できるでしょう。

まとめ

マンションの外壁工事は多岐にわたります。外壁材や外壁塗装の耐用年数が近づくほど劣化症状が現れるため、定期的なメンテナンスが必要です。劣化症状が現れた際は、きちんと補修を行うことで、マンションの耐久性と資産価値が保てます。また、マンションの外壁工事は長期修繕計画の中に取り込まれるものであり、居住者や近隣住民の協力も必要です。外壁工事業者に依頼するときには、できるだけ実績のあるところを選びましょう。外壁工事業者との信頼関係も、マンションの外壁工事に大きな影響を及ぼします。


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