雨漏りは修理して防水工事が必要!FRP防水など塗替え塗料をご紹介


家は、建てたときから劣化へと向かいます。外壁や屋根は紫外線が直接あたるため、劣化速度は特に速いです。ひび割れや腐食が進行し、雨漏りや漏水の原因にもなります。
「修理したいけれど何をすべきかわからない」「雨漏りしないうちにできる工事は?」など、家の修理や雨漏りにかんする疑問、とてもよくわかります。
家は定期的に修理やメンテナンスが必要で、怠ると耐久性が著しく損なわれるのです。資産価値も減少します。劣化が進んで水が浸入する前に、必ず防水工事をしておきましょう。
今回は、防水工事や塗替えについてご紹介します。

  1. 防水工事について
  2. 屋根の防水工事について
  3. 屋根や屋上の防水工事方法
  4. 防水工事の流れ
  5. 防水工事業者の選び方
  6. 防水工事や塗替えでよくある質問
  7. まとめ

この記事を読むことで、家を維持するために必要な防水工事について学ぶことができ、メンテナンスの参考になるでしょう。少しでも家の寿命を延ばすコツも身につけられます。これから防水工事を検討されている方も、ぜひご一読ください。

1.防水工事について

 防水工事は、どのようなことへ効果を発揮するのでしょうか?

1-1.防水工事箇所

雨水対策・漏水対策・地下水対策など、水による被害を未然に防ぐことができます。浸水被害は深刻です。基盤が腐食し、カビの発生も起こるでしょう。放置してしまうと、やがて家の寿命が縮まります。
防水工事を実施すべき箇所は、外壁・屋根・陸屋根・屋上・ベランダなどです。

1-2.防水工事の必要性

家は、肉眼で確認できない場所に劣化が現れ、劣化の影響で浸水被害を受けてしまいます。防水工事を適切に行うことにより、雨水や排水しきれなかった水が家に入る前に、しっかり食い止める効果があるのです。
外壁塗装の場合、耐用年数が10~15年が平均となっており、寿命が近くなると剥(は)がれやひび割れが起こりやすくなります。メンテナンスを兼ねて塗替えをすると安心でしょう。

1-3.防水工事をするメリット

そもそも家の劣化で、ひび割れや腐食は起こります。外壁など目につきやすい場所は、劣化がはっきり確認できるはずです。防水工事で古びた印象を一掃し、きれいな家に戻すことができます。機能性を高め、美しさを取り戻すことができ、一石二鳥となるでしょう。
ただし、家の基盤にかかわる部分は自分では確認できません。異常に気づくときには、すでに浸水被害を受けている方が多いです。雨漏りが起きてから対策をするより、早めに予防することに意味があります。

2.屋根の防水工事について

屋根の塗装がはげてきたと感じることはありませんか?雨漏りを招くため、はがれは劣化の前兆だと捉(とら)えておいてください。屋根の防水工事についてご紹介します。

2-1.屋根の防水工事が必要なのはなぜ?

屋根から雨漏りがあるということは、家の基盤である木材が雨水を吸収しているのです。雨漏りを軽視する方もいます。しかし、雨漏りは浸水した一部で、ほかにも浸水している可能性を考えなければなりません。浸水した木材は家を支える基盤で、腐食による家の老朽化も懸念されます。
急速に劣化が進み、建て替えを余儀なくされたという事例もあるのです。建て替えは膨大な出費が考えられ、防水工事で早めに手を打つことが大切でしょう。

2-2.防水工事のタイミングは?

防水工事は、雨漏りが発生してから始めるという方が多いです。しかし、家の基盤が腐食した後では、手の施しようがない場合もあります。ですから、理想なら10年おきに防水工事をしておくようにしましょう。
雨漏りの有無にかかわらず、定期的に防水工事をして予防することが大切です。

2-3.定期点検の必要性

屋根や屋上は、普段目に触れにくい場所です。目が行き届かないからこそ、定期点検で劣化の確認をすることに意味があります。屋根や屋上は風雨にさらされ、紫外線や直射日光を浴びており、最も劣化しやすい場所です。家の中まで雨漏りがなくても、ちょっとしたひび割れから屋根の内部に浸水がある可能性も否定できません。専門業者による定期点検を受け、雨漏りや劣化を起こさないようにしてください。

2-4.屋根防水の耐用年数

屋根の防水工事における耐用年数は、10~15年が目安です。寿命を迎えた後は、雨漏りの発生も心配ですし、老朽化による大規模修繕が必要になります。ですから、10年を目安に塗替えを行うことが理想です。

2-5.一戸建てと集合住宅の違い

一戸建ての屋根は傾斜があるものが多いです。集合住宅の場合、平らな陸屋根と呼ばれる形状になっています。形状の違いだけではなく、漏水原因も異なるため、違いを知っておくようにしてください。

2-5-1.集合住宅の浸水は雨漏りだけじゃない

一戸建ては、老朽化による雨漏りだと判断しやすいです。しかし、集合住宅だと雨漏りが原因と断定しにくいでしょう。階上からの漏水も否定できません。配管トラブルによる漏水もあります。浸水の原因が、必ずしも雨漏りだと決めにくいのが、集合住宅の特徴でしょう。

2-5-2.集合住宅における防水工事

集合住宅の場合、管理組合や管理会社の体制が整っていなければ、防水工事に取りかかるのが難しいでしょう。本来、集合住宅の修繕や補修にかんすることは、所有者が行うべきです。雨漏りの兆候や漏水など、気になることがあったらすぐに連絡し、早期に防水工事が開始できるよう体制作りをしなければなりません。賃貸も同様です。トラブル発生時の対応について再確認しておきましょう。

3.屋根や屋上の防水工事方法

防水工事にはさまざまな工法があり、塗料によって耐用年数が違います。メリットとデメリットを知り、工法や塗料を選ぶ際の参考にしてください。

3-1.防水工事の種類

防水工事には種類があり、それぞれ用途が違います。

3-1-1.シート防水

シート防水には、塩ビとゴムの2種類があります。ほかの工法に比べ、施工が簡単なのが特徴でしょう。下地処理もさほど必要とせず、シートを貼りつけるだけです。防水工事にかかる費用も、安く済むメリットがあります。

3-1-2.塗膜防水

塗膜防水は、液体塗料を塗る工法です。細かな作業を伴う場合に大変有効な工法で、狭い場所にも向いています。塗膜防水にあたるのは、ウレタン防水やFRP防水です。工事期間が短いメリットがあり、屋根やベランダにも施工できます。

3-1-3.アスファルト防水

アスファルト防水は、シート防水と塗膜防水の融合です。アスファルトを含んだ不織布を重ねます。常温で貼りつける場合と、トーチ工法という熱を加えながら貼りつける場合があり、耐用年数も20年と長いのが特徴です。集合住宅に使われることが多い工法でしょう。

3-2.防水塗料の種類

3-2-1.シート防水(塩ビ)

耐用年数は13年が目安です。屋上や陸屋根に適しています。1.2mm~2.5mmの塩ビ樹脂シートを下地に貼るだけという簡単な工法です。塩ビ樹脂の優れているポイントは、紫外線やオゾンなどに強く、高耐候性であることでしょう。シートのつなぎ目は熱を加えて溶かし、なめらかにすることができます。
ただし、塩ビは硬化しやすく、ひび割れが起こるのがデメリットです。

3-2-2.シート防水(ゴム)

耐用年数は、塩ビと同じ13年が目安です。屋上や陸屋根に適しています。ゴムシートの厚みは塩ビより薄く、1.2mm~2mmです。ゴムの特性を生かした伸縮性があり、ひび割れがある部分でもなめらかな仕上がりになります。軽量であることもメリットで、木造住宅にも最適です。
シートを貼りつける工法であるため、衝撃に弱いことが挙げられます。接着剤を使用した際のシックハウス症候群も心配です。

3-2-3.ウレタン防水

塗膜防水の1つであるウレタン防水は、主剤としてポリイソシアネートと硬化材のポリオールを攪拌(かくはん)して塗る工法です。ポールやフェンスがある場所でも塗りやすく、乾燥が早いので短期工事で済みます。
耐用年数は10年と短めで、手作業で塗る工法であるため、職人の腕によっては均一になりにくいのがデメリットです。劣化によるひび割れも起こりやすいでしょう。

3-2-4.シリコン防水

シリコン防水の耐用年数は、12年が目安です。費用対効果が高いとされる防水塗料で、最も多く使われています。シリコン特有の性質である硬化は、塗膜を強くするメリットをもたらす反面、ひび割れに弱いというデメリットもあるでしょう。

3-2-5.浸透吸水塗料

浸透吸水塗料は、コンクリートへの馴染(なじ)みがいい水性塗料です。カビや藻の発生を抑え、吸水を阻止します。薄い塗膜を形成し、剥(は)がれなども発生しにくいです。

3-2-6.FRP防水

FRP防水は、ガラス繊維を配合した強化プラスチックです。軽量塗膜を形成し、耐候性にも優れています。塗膜そのものがしっかりしており、保護層を加える手間がいりません。乾燥も速く、2日程度の工期であることもメリットでしょう。
ベランダと屋上に適しています。好みの色に調整することも可能です。デメリットとなるのが、紫外線による劣化でしょう。伸縮性がないため、ひび割れも発生しやすいです。硬化材による臭いが気になる場合もあります。

4.防水工事の流れ

防水工事の流れを知っておきましょう。

4-1.防水工事完了までのステップ

防水工事を始める前に、ひび割れや塗替えが必要な場所のチェックをします。現在の状態と場所に応じ、塗料や工法を選ぶ必要があるからです。

  1. 診断
  2. 雨漏り・漏水箇所の確認
  3. 塗料と工法の提案
  4. 見積もりを出してもらう
  5. 防水工事の契約締結
  6. 工事開始

実際に工事開始となった場合、まず汚れやごみを取り除く作業から始めます。

  1. 高圧洗浄できれいにする
  2. 下地処理(塗料や工法によっては下地処理が不要な場合もあります)
  3. 脱気筒取りつけとシートの貼りつけ(塗膜形成までの仮防水効果があります)
  4. 防水層を作る
  5. 保護層の上塗り
  6. 乾燥後に工事完了

4-2.防水工事で雨漏り・漏水箇所のチェックが必要なのはなぜ?

工事開始前に、雨漏りや漏水箇所は必ず確認します。漏れている場所を特定し、原因となる場所を修理しなければ意味がありません。
原因箇所を修理せず、防水工事を終えても、ひび割れなどで再び雨漏りや漏水が発生することも考えられます。そのため、異常のある部分はチェックが必要です。

4-3.防水工事にかかる日数

工法や塗料によって、工事期間は違います。規模も影響するでしょう。一戸建てなら、1〜2日程度です。しかし、養生や資材納入などの状況、乾燥具合などによってずれる可能性があります。
集合住宅の場合、施工範囲が広くなることが予想され、1〜2か月を要する場合もあるでしょう。

4-4.防水工事にかかる費用

防水工事にかかる費用は、塗料によって差があります。下記を参考にしてください。単価は、1平方メートルあたりで表記しています。

  • シート防水(ゴム・塩ビ) 3,000~5,500円
  • ウレタン防水 4,500~6,500円
  • FRP防水 6,000~8,000円
  • アスファルト防水 6,000~8,000円

塗膜が厚くなるほど、費用が増す傾向があります。事前に見積もりを出してもらい、塗料を決めるようにしましょう。 

5.防水工事業者の選び方

防水工事は、職人の腕が問われます。信頼できる業者に出会うことが、安心して工事を委ねられるポイントになるでしょう。

5-1.防水工事業者を選ぶときに重視すべきポイント

実績豊富であることが大切です。希望する工事内容と似た事例を、たくさん取り扱っていることを確認してください。塗膜を塗る作業は、細かくムラが出やすいです。そのため、熟練した技が美しい仕上がりに反映します。下請けの職人に委託するのではなく、自社で手がけているかもポイントでしょう。防水工事を専門に扱い、「防水施工技能士」という国家資格を持つ人材がいることも重視してください。

5-2.防水工事における見積もりと無料診断

防水工事業者では、無料診断と見積もりを実施しています。素人には単価がわかりにくい工事であるため、複数の業者を比較して屋根塗装の相場を知ることも大切です。
見積もりや対応で、業者の経験値や得意分野なども判断できます。納得できる業者を見つけるためにも、見積もりを必ず比べてみましょう。無料診断で業者に質問したいことをまとめておき、すぐに業者から答えが得られるようなら、実績が豊富である証(あか)しです。

5-3.業者の経験に基づく防水原因の追及

屋根の異常は、自分ではなかなか確認することができません。数多くの事例を経験している業者なら、細かなひび割れや腐食も発見しやすいです。プロだからこそ見抜けるもので、定期的に診断を受けることが慌てて修理するといった事態を回避するコツでしょう。
防水原因をしっかり特定してもらい、きちんと修理しておくと家が長持ちします。

5-4.保証やアフターフォローも充実しているか?

防水工事完了後も、充実したアフターフォローがあるなら安心です。塗料の剥(は)がれやひび割れなども、工事後でも応じてもらえるか確認しましょう。アフターフォローは、追加工事費用の発生を抑えるメリットがあります。一定の保証期間を設けている業者を選んでください。

5-5.防水工事業者における注意点やトラブルについて

悪質な業者もいて、見積もり以上の金額を要求するトラブルも増えています。ほとんどの場合、見積もりをよく確認せず、口約束で工事を始めてしまうことが原因です。トラブルを防ぐ意味でも、見積書はすべて確認し、契約書を書面で交わすようにしてください。契約前に、不明点は問い合わせをしておきましょう。

6.防水工事や塗替えでよくある質問

雨漏りや漏水は、家や建物の資産価値を大きく損ねる要因です。早めに防水工事を依頼し、大切な資産を守りましょう。よくある質問集を参考にしてください。

6-1.雨漏りがあった場合はどうすべきか?

防水工事業者に相談する前にするべきなのは、雨漏りによるシミや汚れなど、見つけられるところをすべて記録しておくことです。可能なら、写真に残しておくといいでしょう。メモでもかまいません。

6-2.シーリング工事とは?

サイディングボードを使った外壁の場合、つなぎ目がありますよね。劣化でつなぎ目にあるシーリングの剥(は)がれが発生し、補修する工事が必要です。すき間を埋めることで雨漏りを防止できます。防水工事における補修の1つが、シーリング工事です。

6-3.近隣に塗料が飛散しないか不安

工事開始前は、近隣へのご挨拶をしています。養生をしっかり行い、周囲への飛散も心配ありません。万が一トラブルが起きた場合に備え、損害賠償保険に加入している業者を選びましょう。

6-4.防水工事からどのくらいで塗替えが必要?

防水工事完了後、10年を目安に塗替えを行いましょう。劣化してからより、劣化する前に塗替える方が家そのものが長く持ちます。ぜひやっておきたいメンテナンスの1つです。

6-5.無料診断にかかる時間は?

診断をしっかり行うためには、2時間程度見ておいてください。規模が大きい場合、時間が多くかかる場合があります。

7.まとめ

いかがでしたか?家は必ず劣化します。特に、紫外線や直射日光にさらされている屋根や外壁は、風雨の影響も受けて老朽化しやすいです。雨漏りは見えている部分だけではなく、家を支える土台にカビの発生や腐食を引き起こします。防水工事で思わぬ被害から、大切な資産を守ることができるのです。雨漏りを放置し、基盤そのものが揺るぎ、建て直しが必要になる事例もあります。雨漏りの原因をしっかり特定できる、技術の高い業者に塗替えを依頼すると安心です。家を長くきれいに維持したいなら、10年を目安に塗替えをしてください。まずは、無料診断を受け、今の状態を確認することをおすすめします。


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