屋根は劣化や寿命前に張り替え! 屋根材の種類や塗装費用などを紹介


屋根は常に紫外線や風雨の影響を受け、劣化が進みやすい場所です。戸建て住宅に限らず、マンションやビルも同じことがいえます。屋根にも寿命があり、劣化を放置すれば悪影響も出てくるものです。

屋根の劣化について不安を感じる方は、「屋根の耐用年数が知りたい」「張り替えのタイミングはいつ?」といった疑問を持つことでしょう。屋根材の種類によっても、耐用年数や塗装費用は変わってきます。今回は、屋根の劣化についてです。

  1. 屋根の劣化について
  2. 屋根の劣化による影響について
  3. 屋根が劣化したらどうすべきか?
  4. 屋根の張り替えについて
  5. 屋根の劣化や寿命でよくある質問

この記事を読むことで、屋根の劣化や寿命について理解することができ、影響が出る前に対策を練ることができるでしょう。張り替えなどを検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。

1.屋根の劣化について

屋根が劣化する原因と症状についてご紹介します。屋根材の種類も覚えておきましょう。

1-1.屋根が劣化するとどんな状態になるのか?

屋根の劣化は、瓦の滑落・ひび割れ・はがれ・カビ・コケなどが主な症状です。瓦は放置すると落下し、事故に発展する危険性があるため、早めの対処が望ましいでしょう。

1-2.屋根が劣化する原因

前述したとおり、屋根が劣化するのは、紫外線や風雨の影響です。気温の変動も1つの原因となっており、ひび割れやはがれを招くとされています。水はけが悪い環境だと、カビやコケが発生しやすいものです。

1-3.屋根の耐用年数とは?

屋根の耐用年数は、およそ10年が目安とされています。10年が経(た)つ前に塗り替えや張り替えを行い、雨漏りなどが起こらないようにしなければなりません。耐用年数は、屋根材の種類によって大きく変わり、セメント瓦は30〜40年と耐用年数が長めです。しかし、メンテナンスは10年おきにやっておくべきでしょう。
建物には、税務で償却処理できる法定耐用年数があります。しかし、メンテナンスを要する耐用年数とは意味が異なるので、注意が必要です。

1-4.屋根材の種類について

1-4-1.スレート

スレートには、天然と化粧石綿の2種類があります。化粧石綿はほかの材質と比較しても軽量で費用も安く、コロニアルが普及率の高いスレートです。ただし、寒冷に弱い特性があるため、豪雪地帯や寒暖差が厳しい地域では不向きとされています。

1-4-2.ガルバリウム

ガルバリウムは、溶融アルミニウム亜鉛合金めっき鋼板です。瓦のような形状に成形されたものが普及されており、コロニアルに貼りつけるカバー工法が広く行われています。

1-4-3.コロニアル

スレートの1種で、最も多く使われている屋根材となっています。施工も簡単で、色あせもほかの屋根材よりしにくい傾向があり、豊富なカラーバリエーションから選ぶことが可能です。

2.屋根の劣化による影響について

屋根は家や建物を守るためにあるため、劣化すると大きな被害を受けることになります。どのような影響があるのか、具体的に見ていきましょう。

2-1.屋根の劣化を放置するとどうなるのか?

ひび割れやはがれは、雨水の浸水を招きます。やがて内部に浸(し)み込み、建物の腐食や構造自体の弱体化へと進んでいくのです。カビが繁殖し、シロアリ被害なども起こりやすい環境となるでしょう。屋根だけの問題では留(とど)まらないのが、屋根の劣化による被害の怖さです。

2-2.屋根の劣化による影響について

前述したとおり、屋根の劣化は家や建物全体へと被害を広めていきます。わずかなひび割れでも見逃さず、早期に対処すべきです。建物の寿命が大きく損なわれることも踏まえ、定期点検などはこまめに受けるようにしましょう。

3.屋根が劣化したらどうすべきか?

屋根が傷んできたなと感じたら、張り替えなど対策を講じるべきです。タイミングやすぐに張り替えるべき症状などは、事前に知っておきましょう。

3-1.屋根の張り替え時期やタイミング

屋根に何らかの異常を見つけたら、なるべく早めに張り替えを検討しましょう。たとえば、色あせ・サビ・カビ・はがれ・屋根材の浮きなどは、耐用年数を待たずに対処すべきです。屋根は定期的にメンテナンスをすることで維持できるものですから、10年を目安に張り替えを考えるようにしてください。

3-2.すぐに屋根を張り替えるべき症状とは?

雨漏りや浸水被害が起こっている場合、屋根の傷みが非常に進行していると考えましょう。塗装だけでは補いきれない場合もあるため、専門家によるチェックを受け、補修箇所を指摘してもらうと安心です。修理範囲が広い場合、張り替えた方が費用が安くなることもあります。

3-3.屋根の劣化にかんする症状やチェック項目

屋根が劣化しているかどうか、下記のチェック項目で確認してみてください。

  • 瓦の滑落
  • 屋根材のはがれ
  • 色あせ
  • 釘(くぎ)の浮きがある
  • カビやコケの発生

上記は一例です。ほかにも異常と感じる症状があれば、すぐに診断を受けるようにしてください。

4. 屋根の張り替えについて

屋根の張り替えは、葺き替えとも呼びます。張り替えの仕方や業者について覚えておき、工事内容を考えるきっかけにしてください。

4-1.屋根の張り替えにかんする種類・方法について

屋根を張り替えるだけで、家や建物をリフォームしたかのようにきれいになります。張り替える方法はいくつかあり、予算や希望に応じて見合う内容を決めるのがいいでしょう。

4-1-1.張り替え

張り替え方法としては、既存の屋根を取り外し、新しいものを貼りつける工法があります。瓦を外し、スレートに変更することも可能です。屋根材を一新するだけで、印象がぐっと変わります。軽量化を図ることも可能です。

4-1-2.カバー工法

現在主流となっているのは、カバー工法です。カバー工法は、既存の屋根をそのままに、上から金属を貼り付ける方法となっています。重ね貼りと呼ばれる場合もあるでしょう。

4-1-3.塗り替え

屋根材の劣化がさほどひどくない場合は、塗り替えという手段もあります。既存の屋根に塗装をする方法で、色の変化を楽しむこともできる工法です。

4-2.屋根の張り替え業者選びのポイント

屋根の張り替えは、技術を要するものです。高所作業に長(た)けており、施工実績が豊富だと安心して依頼できるでしょう。外壁や外観とのマッチングも含めたトータルコーディネートを提案できる、良質な業者を選んでください。費用は業者によってさまざまです。見積もりで比較し、相場を知ることも重要なポイントになります。

4-3.屋根の張り替え工事にかんする流れ

屋根の張り替えを検討している方は、工事の流れを覚えておきましょう。

  1. 屋根の状態を診断してもらう
  2. 屋根材比較やリフォーム費用などの相談
  3. 業者から見積もりを出してもらう
  4. 複数の業者を比較して決める
  5. 実際に工事を開始
  6. 既存の屋根を撤去と処分
  7. 下地処理
  8. 防水シートの設置
  9. 屋根材の導入
  10. 屋根の張り替え工事完了後に引き渡し

工事完了後は、トラブルや不具合などが起こる可能性もあります。アフターフォローがしっかりしている業者を選び、工事後のケアを無償で受けられるかどうかを確認してください。

4-4.屋根の張り替え工事期間や費用

屋根の張り替え工事にかかる期間や費用は、工事内容や屋根材選びで変わると考えておきましょう。屋根材は単価がそれぞれ異なり、広さで使用枚数も増えてきます。また、業者ごとに工事費用に差もあるため、見積もりでよく確認してください。

4-5.屋根の張り替え工事費用を抑えるための工夫

前述したとおり、見積もりの比較はとても大切で、工事内容や屋根材の単価などを記してあります。費用を抑えるためには、見積もりで最も安い業者を選ぶことがポイントです。しかし、安いだけで選ぶのは危険で、アフターフォローが万全であることや、業者の実績などから総合的に判断すべきでしょう。安さを優先したいなら、業者とよく相談し、低予算でできる屋根材のアドバイスなどを受けることをおすすめします。

4-6.屋根の張り替え工事にかんする注意点

屋根材選びは予算に応じて決めることも多いと思います。しかし、屋根の張り替えで家の外観や雰囲気も大きく変わるため、景観に見合う屋根材選びを心がけるようにしましょう。事前にシミュレーションをしてもらい、完成予想図などを提案してもらうことをおすすめします。工事完了後に、失敗したと思わないための注意点です。

5.屋根の劣化や寿命でよくある質問

屋根の劣化は、気になる前に対処することが理想とされています。屋根の劣化や寿命にかんする質問集を集めました。屋根の張り替えを考えている方は、ぜひ参考にしてください。

5-1.屋根のカバー工法は重くなる?

既存の屋根を撤去せず、屋根材を上から設置する工法を、カバー工法といいます。そのため、既存の屋根材と新しい屋根材の重さが建物にかかるため、屋根全体に重量がかかる可能性があるのです。軽量な屋根材が主流となっている今は、ほかの工法が取り入れられています。施工業者とよく相談し、工法や工事内容を決めるようにしてください。

5-2.屋根瓦の種類が多くて迷う

屋根瓦の種類は豊富で、デザインや色などもさまざまです。和瓦や洋瓦など、好みで選ぶことをおすすめします。金属でできたガルバリウムも瓦の1つです。業者からサンプルなどを見せてもらい、比較検討することがデザインを決めるために大切でしょう。

5-3.屋根のメンテナンスは必ず10年を目安にやるべきか?

普段は、屋根に目を向けることはあまりないでしょう。見えない部分であるゆえ、劣化に気づくのが遅れる傾向にあります。耐用年数にかかわらず、10年を目安にメンテナンスをしておけば、家や建物自体の寿命を延ばすことにもつながるのです。手入れを怠った場合の被害も考慮し、後回しにしないようにしましょう。

5-4.屋根のリフォームはDIYでも可能?

屋根は家や建物を守る重要な役割を持っており、防水シートの設置や安全に配慮した施工が求められます。塗装は自己流でできても、屋根の張り替えは高い技術が必要です。DIYが得意な方でも、きちんと業者に依頼して着工することをおすすめします。

まとめ

屋根は家や建物を保護し、耐久性を高める重要な役割を担っています。屋根は常に紫外線や風雨の影響を受けるため、劣化が進みやすい場所です。屋根材の種類によって耐用年数に差はあります。しかし、見えない部分で劣化が進んでいる可能性も踏まえ、10年を目安に張り替え工事を行いましょう。屋根の張り替えは実績豊富で、高い技術力がある業者に依頼し、アフターフォローがしっかりしている業者を選ぶことが、成功の鍵となります。複数の業者から見積もりを出してもらい、工事内容や屋根材の単価などを比較し、熟慮してから業者を選ぶようにしてください。屋根の張り替え工事は、劣化が進む前に診断を受け、修理が必要な箇所などもしっかりチェックしてもらいましょう。


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