外壁が雨漏りしてしまう原因は? 塗装工事の方法や予防策について


なぜ外壁から雨漏りが発生するのか、原因をきちんと把握することで再発を防ぐことができます。雨漏りが発生しているということは下地も悪影響を受けている証拠になるため、早急に対処しなければなりません。放置すればするほど費用が高くなってしまうので注意が必要です。

本記事では、外壁の雨漏りを防ぐ塗装工事などについて解説します。

  1. 外壁から雨漏りしてしまう原因は?
  2. 外壁の雨漏りは塗装工事で直せるのか?
  3. 外壁の雨漏りを予防するための塗装工事
  4. 外壁塗装業者を選ぶポイント
  5. 外壁の雨漏りに関してよくある質問

この記事を読むことで、外壁から雨漏りする原因や外壁塗装業者選びのポイントなども分かります。気になっている方はぜひ参考にしてください。

1.外壁から雨漏りしてしまう原因は?

まずは、外壁から雨漏りが発生する原因をしっかりと把握しておきましょう。

1-1.建物の老朽化

外壁が雨漏りする1番の原因は、建物の老朽化です。詳しく説明すると、雨仕舞(じま)いと呼ばれる耐水層が老朽化によって破損することで雨漏りが発生します。きちんと正常に役割を果たしていれば、耐水層が外部からやってくる雨水の浸入を防いでくれるものです。一般的に、地震や台風などで外壁が動いたとしても、耐水層は簡単に破損する箇所ではありません。けれども、建物が老朽化していたりメンテナンスをきちんとしていなかったりすると、ちょっとした揺れで耐水層が破損し雨漏りが発生することになります。

1-2.施工不良による雨漏りも

ほとんどの雨漏りは外壁や建物の老朽化が原因となりますが、中には、施工不良が原因で雨水が浸入してしまうこともあります。外壁工事の実績を持たない悪徳業者は、意外と多く存在しているので注意しておかなければなりません。しっかりと外壁塗装業者を選ばずに適当に依頼してしまうと、施工不良による雨漏りがさらにひどくなってしまいます。状況が悪化するほど、修繕費用が高くなってしまうので業者選びにも注意が必要です。

2.外壁の雨漏りは塗装工事で直せるのか?

では、外壁の雨漏りは塗装工事で直すことができるのでしょうか。

2-1.施工時の塗装ミスなどは塗装工事で直せる

「雨漏りは塗装工事で直せるのか?」と疑問を抱いている方は多いと思いますが、正直にお話しますと、直せるケースと直せないケースがあります。直せるケースで代表的なのは、施工時の塗装ミスです。たとえば、外壁材は職人の技量によって仕上がりに大きな差が出てしまいます。職人の技量が足りず、塗料の量が少なかったりムラがあったりすると外壁にひび割れが起きてしまい、そこから雨漏りが発生してしまうというわけです。このようなトラブルが原因の場合は、塗装工事で雨漏りが改善できるでしょう。基本的に、塗料や外壁材の下には防水シートなど雨水を防ぐ資材が入っているため、塗料が直接雨漏りの原因になることはほとんどありません。

2-2.鉄骨・鉄筋コンクリート造の建物

鉄骨や鉄筋コンクリートでできている建物の場合も、塗装工事だけで雨漏りが直るケースがあります。これらの建物は一次防水という構造になってるため、塗り替えで雨漏り予防の補修が可能です。ちなみに、一次防水とは外壁材や屋根材のことで、モルタル壁・サイディング・スレート屋根などがあるからこそ、最初に雨や風を防ぐことができます。ただし、すでに雨漏りが発生している状態で、防水層にも水が入ってしまっているケースは塗装以外の工事が必要になるでしょう。

2-3.塗装工事だけでは直せないケース

雨漏りの発生原因の中には、塗装工事だけでは直せないケースがたくさんあります。主なケースを下記にピックアップしたので、ぜひ参考にしてください。

  • 塗装の下側・内側の部分に問題がある
  • 塗り替えをした場所以外にも雨漏りの原因がある
  • 塗り替え時の施工不良

塗装は建物の1番最初の外側となるため、塗装と家の中の間には防水層や断熱のための構造が含まれています。そこにも雨水が入っていたり、塗装より下側・内側の部分が劣化したりしている場合は、塗装工事だけでは直すことができません。また、複数箇所から雨漏りが発生しているケースも直せない可能性が高いでしょう。さらに、屋根の雨水が排水できなくなるような工事をしてしまったなど、塗り替え時の施工不良が原因のケースも塗装工事だけはカバーできないケースです。

3.外壁の雨漏りを予防するための塗装工事

ここでは、外壁の雨漏りを予防するための塗装工事を紹介します。

3-1.まずは雨漏りの原因を把握することが大事

塗装工事を始める前に、まずは雨漏りの原因をしっかりと把握しておかなければなりません。自分でできることとしては、「どこから雨漏りが発生しているのか」です。雨漏りの発生箇所を確認してから、より詳しい調査を外壁塗装業者に依頼してください。外壁調査では、どこから雨漏りが発生しているのかはもちろんのこと、雨漏りの経路など原因を探ることができます。原因をきちんと把握しておくことで、より効果的な塗装工事ができるでしょう。

3-2.防水塗装を施す

ベランダや屋根などの防水機能を高めてくれるのが、防水塗装です。この防水性の高い塗料を使うことで、厚い層になるように塗装でき、雨水の浸入を未然に防ぐことができます。つまり、防水塗装は雨漏りから住宅の劣化を守ってくれる有効な塗装です。ただし、防水塗装はその機能を高めるために、ムラが出ないよう均一に塗装していかなければなりません。また、塗料の量にも注意が必要なので、なるべき防水塗装の実績がある業者に依頼することをおすすめします。技量がない塗装業者に依頼してしまうと、施工不良による雨漏りが再発してしまう恐れがあるでしょう。

3-3.定期的にメンテナンスを行う

外壁の雨漏りを予防するためには、定期的なメンテナンスが必要不可欠です。前述したように、雨漏りのほとんどはメンテナンス不足によって起こり得るものとなっています。目安としては、10年に一度外壁のメンテナンスを行ってください。外壁材や塗装の種類によっては、メンテナンスの頻度を増やしたほうがいいケースもあるので、詳しくは外壁塗装業者に相談するといいでしょう。外壁は常に雨風や紫外線にさらされている箇所でもあるため、きちんとメンテナンスをすることで塗料や外壁材の効果を高めることができます。雨漏りを未然に防ぐためにも、定期的なメンテナンスを心がけましょう。

3-4.外壁塗料を変えるのもアリ

さまざまな種類の外壁塗料が登場していますが、外壁に使用する塗料を変えるのも選択肢の1つです。たとえば、ウレタン樹脂でできている外壁塗料はやわらかく、伸縮性があります。密着度も高いので数回重ね塗りをすることで、しっかりとした塗膜の防水層を作ることができるでしょう。また、ガラス繊維強化プラスチックでできているFRPも、防水性の高い塗膜を作る塗料として採用されています。外壁塗装業者と相談しながら、より良い塗料を選んでください。

4.外壁塗装業者を選ぶポイント

ここでは、外壁塗装業者選びのポイントをいくつか紹介しましょう。

4-1.外壁塗装や防水塗装の実績があるか

外壁塗装業者選びで注目してほしいポイントは、外壁塗装の実績があるかどうかです。簡単に調べられる方法としては、業者のホームページをチェックする方法があります。ホームページに過去に手がけた施工例が詳しく記載されていたり、どのような塗装を行っているのかサービス内容がきちんと記載されたりしているところは安心できるでしょう。逆に、具体的に記載していない塗装業者は悪徳業者の可能性があります。これまでどのような塗装工事を行ってきたのか、ホームページ等でぜひチェックしてみてください。

4-2.スタッフの対応が丁寧でスピーディーか

スタッフの対応がとても丁寧で分かりやすく説明してくれるか・スピーディーに対応してくれるかも外壁塗装業者選びでチェックしておきたいポイントです。スタッフの対応は、塗装業者の善し悪(あ)しが1番に分かりやすい箇所といえるでしょう。悪徳業者ほどスタッフの対応が悪く、「今だけ安くしておきます」といった謳(うた)い文句でその気にさせる傾向があります。けれども、優良業者はきちんと依頼者の話を聞き、要望に応えながらベストな提案をしてくれるのが特徴です。電話でもスタッフの対応の仕方は確認できるので、ぜひチェックしてみてください。

4-3.施工内容や見積書の内訳がきちんと記載されているか

契約を交わす前に、施工内容や見積書の内訳がきちんと記載された書類で確認することになりますが、この書類を用意していないところは悪徳業者の可能性が高いので要注意です。口約束で契約を交わそうとする業者は、後で適当な言い訳をつけて高額な追加費用を請求してくる可能性があります。きちんと書面で契約を交わすのはもちろんのこと、その内容がきちんと記載されているかにもチェックしておきたいポイントです。

4-4.口コミや評判が良いか

たくさんの外壁塗装業者がありますが、インターネットで検索すると口コミや評価も出てきます。実際に依頼した人の感想を見ることができるため、業者選びの参考になるでしょう。「ここはこれが良かった」「このようにしてくれなかった」など、さまざまな意見を目にしては業者ごとの特徴を知ることができます。また、近くに依頼した人がいれば、その人から直接感想を聞くのもいいでしょう。複数の業者を比較することが、悪徳業者と優良業者を見極めるポイントでもあります。

5.外壁の雨漏りに関してよくある質問

外壁の雨漏りに関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.雨漏りを放置するとどうなるのか?
A.どんどん雨漏りがひどくなり、外壁の内側が腐敗していくことになります。特に、木造建築の場合は、水に弱い木材を使っているので劣化スピードが速くなるでしょう。塗装工事だけではカバーできないほどの状態になってしまうと、修繕工事が必要になるので費用も割高になりがちです。できるだけ費用を抑えるためにも、雨漏りは早めに対処してください。

Q.雨漏りが発生したときの応急処置は?
A.応急処置としては、雨漏りがこれ以上浸入しないようにブルーシートや防水シートを使う方法があります。部屋の中にまで雨漏りが発生している場合は、バケツなどを用意して、ほかの箇所が雨に濡れることを防ぎましょう。あくまで応急処置は一時的なものなので、すぐに外壁塗装業者に調査を依頼することをおすすめします。

Q.自分で雨漏り補修はできるのか?
A.雨水の浸入箇所をきちんと把握できていることを前提に、ホームセンターで購入できるアイテムを使って雨漏りを修繕することは可能です。軽い雨漏りであれば、自分でパテを埋めたり、塗料を塗り直したりすることで雨漏りが直るケースもあるでしょう。けれども、素人が修繕するのはリスクが高すぎるのでおすすめしません。間違った方法で修繕してしまうと、余計に雨漏りがひどくなる恐れもあります。

Q.防水塗装のタイミングは?
A.水がたまりやすくなったり、劣化症状が出始めたりしてきたら、防水塗装を行うタイミングといえるでしょう。外壁の代表的な劣化症状としては、ひび割れ・塗膜の剝がれなどがあります。特に、ひび割れはいつの間にかひびが大きくなってしまうこともあるため、0.3mm程度のひびを見つけたとしても早めに塗装業者へ相談したほうがいいでしょう。また、前回の塗装から10年以上経過している場合も防水塗装を行ったほうがいいです。

まとめ

外壁が雨漏りする原因は、建物の老朽化がほとんどです。中には、施工不良による雨漏りもありますが、多くは定期的なメンテナンスを行うことで雨漏りを未然に防ぐことができます。雨漏りで悩んでいる方は、まず、外壁塗装業者に調査を依頼してください。外壁調査でしっかりと外壁の状況や雨漏りの原因をチェックすることで、より有効な予防策を立てることができます。業者選びの際も、複数の業者を比較しながら慎重に選ぶことが大切なポイントですよ。


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