ビルの外壁で特に注意すべきなのは「ひび割れ」!? 対処法や注意点などを解説
「ビルの外壁にひび割れを見つけた場合、どう対処すればいいのか」「どこに相談すればいいのか?」など、ビル外壁のひび割れで頭を抱えている方は多いでしょう。
すでに、ビルの外壁にひび割れが起きている場合、下地にまで悪影響をおよぼしている可能性があります。そのまま放置すると雨漏りの原因となり、ビル全体の耐久性が著しく低下してしまう恐れがあるので注意が必要です。
本記事では、ビル外壁の劣化サインやひび割れの対処法などを詳しく説明します。
1.ビル外壁の劣化サインをチェック!
最初に、ビルの外壁に見られる劣化症状をチェックしましょう。
修繕すべき劣化症状
「ビルの劣化症状を見分けるのは難しい」と思われがちですが、しっかりと症状を把握しておけば外壁の劣化サインに気づき、早急な対応ができるようになります。特に、以下のような症状が現れた際は、ビルの修繕を行うタイミングです。
- ひび割れ(クラック)
- 塗膜の剝がれ・浮き
- 色あせ・退色・変色
- チョーキング現象(外壁に触れると白い粉が付く)
- コーキングの割れ
- タイルの剝がれ・浮き
- コンクリートの剥離
上記の中でも特に注意しておきたいのは、ひび割れとコンクリートの剥離です。0.3mm以上のひび割れが起きている場合は、下地にまで影響を受けている可能性があるので早めに修繕する必要があります。また、コンクリートの剥離は、すでに建物の構造に問題が起きている証拠です。放置は大変危険ですので、早めに修繕しましょう。
ビルの修繕は12~15年周期で行うのが目安
たとえ、ビルの外壁に異変が起きていなくとも、12~15年の周期で修繕を行うべきです。紫外線や雨風によって、小さなダメージが蓄積され、見えないところでビルが劣化している可能性があります。必ずしも12~15年周期で行う必要はありませんが、ビルに入っているテナントや居住者を守るためにも定期的なメンテナンスや修繕が不可欠です。12〜15年を目安に修繕を行いながら、外壁に異変が見られた際はすぐに対応できるようにしておくといいでしょう。
2.ビル外壁劣化の一般的な原因は?
ここでは、ビルの外壁が劣化する一般的な原因や影響について詳しく説明します。
経年劣化
ビルの外壁が劣化する原因は、ほとんどが経年劣化です。一般的に、外壁塗装は約10~15年で寿命を迎えるといわれています。寿命を迎えた外壁塗装は効果が薄れ、外壁がむき出しになってしまうのです。その結果、紫外線や雨風の影響を直接受け、モルタルやコンクリートなどが水分を含み、長年の乾燥によってひび割れが起きてしまいます。外壁塗装は表面に塗膜を作り、紫外線や雨風のダメージから守る役割を担っているのです。
紫外線や雨風などの外的要因
前述したように、ビルの劣化は紫外線や雨風などの外的要因と深く関係しています。特に、降り注がれる紫外線は、ビルの外壁にひび割れを起こす原因の1つです。紫外線によって劣化するのは塗膜だけではありません。サイディングボードやタイルといった外壁材や、外壁材の継ぎ目に使用されるコーキング材・シーリング材も紫外線によって劣化します。
地盤沈下・地震
地震の揺れや地盤沈下によって、外壁に大ダメージを与えることもあるので注意が必要です。日本は地震大国でもあるため、いつどこでどのくらいの地震が起きるか分かりません。大きな地震の揺れにタイルやモルタルなどが耐えきれず、ひび割れが起きてしまいます。また、地盤沈下によってビルの特定箇所に力が加わり続けると、大きなひび割れが生じてしまうこともあるでしょう。そのため、地震など自然災害の影響を受けた後は、ビルに異常が見られないか点検を行ってください。
設計や施工ミスによるものも
ビルの外壁における劣化は、設計や施工ミスが関係しているケースもあります。たとえば、外壁塗装業者の手抜き工事によって、しっかりと正しい方法で塗装されていなかったケースです。正しい手順で塗装できていないと、施工後に不具合が生じやすくなります。また、設計ミスによってビルの特定箇所にダメージが蓄積され、壁にひび割れが生じることもあるのです。
ビルの外壁劣化によって受ける悪影響
ビルの外壁劣化と耐久性は関係しているので、劣化を放置すればするほど耐久性が著しく低下してしまいます。ビルの耐久性が低下すると、地震や台風などの自然災害で倒壊するリスクが高まるため、非常に危険です。また、ビルの外壁が劣化している状態では、周囲にも悪影響もおよぼすでしょう。「このビルはしっかりとメンテナンスや点検ができていない」とみなされ、ビルの運営にも悪影響を与えてしまいます。ビルの外壁はいわゆる「顔」になる部分ですので、美しい外観を保つことが大切です。
3.効果的なビル修繕計画を立てよう
ここでは、ビルの外壁修繕計画を立てる際のポイントや注意点などを解説します。
中長期修繕計画を慎重に策定する
ビルの修繕工事は、テナントのニーズや建物の劣化状況を踏まえた上で中長期修繕計画を入念に策定することが大切なポイントとなります。中長期修繕計画とは、建物の機能を維持するために必要な修繕・更新工事の時期や費用を予測する計画のことです。ビルにはたくさんの人が出入りするため、建物の老朽化によって雨漏りなどさまざまなトラブルが発生します。急なトラブルに対応できるかどうかは、中長期修繕計画が大きなカギになってくるのです。なお、中期修繕計画は5~10年、長期修繕計画は10~20年を見据えて策定してください。
ビルの修繕箇所と周期・費用を把握する
効果的なビルの修繕計画を立てるためには、修繕箇所ごとの周期や費用を把握することが大切です。修繕周期はビルの種類や規模によって異なりますが、一般的な目安は下記を参考にしてください。
- 外壁・屋上の防水工事:10~15年周期/1,000万円~
- 空調設備のリニューアル工事:15~20年/2,500万円~
- エレベーターのリニューアル工事:25~30年/1,000万円~
- グレードアップ工事:30~35年/1,000万円~
ビルの修繕工事における大まかな流れ
では、ビルの修繕工事はどのような流れで進めることになるのでしょうか。大まかな流れは以下のとおりです。
- 修繕委員会を設置する
- 建物の診断と調査を行う
- 工事業者を決めて契約を結ぶ
- ビルのテナントや居住者に向けて説明会を開催する
- 工事開始→完成・引き渡し
まずは、居住者の有志で構成された修繕委員会を設置します。修繕委員会では、修繕計画がしっかりとした内容になっているか、ビルの問題が解決できるかどうかをチェックするために必要です。そして、工事前には、建物の状態を正確に判断するための診断と調査を実施し、工事内容や費用を算出します。また、工事業者を決めて契約を交わし、工事前にはビルのテナントや居住者に向けて説明会を開催することも大切です。
4.無足場工法を採用するメリットとポイント
ここでは、無足場工法を採用するメリットとポイントを解説します。
足場を設置しない無足場工法
無足場工法とは、足場を設置しない工法のことです。一般的に、外壁工事をする際は足場を設置することになりますが、足場を設置するには約70cmのスペースが必要になります。商業ビルやオフィスビルなど、ビルが連なっている場所では隣の建物とのスペースが狭く、足場が設置できないケースがほとんどです。そのようなケースでも、無足場工法なら難なく外壁工事ができます。
無足場工法を導入することで得られるメリット
無足場工法を導入することで得られるメリットは、省スペースでも外壁工事ができるという点だけではありません。ほかにもさまざまなメリットがあります。
足場代が節約できる
無足場工法を採用することで、足場代が節約できるというメリットがあります。足場の設置と撤去にかかる費用は、全体工事の約3分の1を占めるといわれているほど高額です。つまり、足場をかけない無足場工法を採用すれば、大幅な節約が期待できます。
工期が短縮できる
足場を設置する場合、設置と撤去に時間がかかります。無足場工法は足場を設置しないので、工期が短縮できるという点がメリットです。できるだけ短期間で工事を終わらせたい方は、無足場工法をおすすめします。
テナントや周辺への影響が軽減できる
足場を設置すると太陽光が遮られ、窓を見ても外の様子が分かりません。しかし、無足場工法は足場を設置せずに作業ができるので、テナントや周辺への影響が軽減できるというメリットがあります。
無足場工法に長(た)けている業者選びが大切
足場をかけない無足場工法は注目されている工法ですが、まだまだ広く知れ渡っていない状態です。そのため、無足場工法に長けている業者が少なく、厳選して選ぶ必要があります。無足場工法に長けていると思っていても、実は慣れていない作業員が工事をすることもあるので注意が必要です。適切な方法で修繕工事をするためには、無足場工法やビル修繕工事の実績がある業者に依頼するのが大切なポイントとなります。
無足場工法ならオフィスチャンプへ
どの業者に依頼すべきか分からずに悩んでいる方は、ぜひオフィスチャンプへご依頼ください。オフィスチャンプでは、ビルやマンションなどを中心に工事を行っています。無足場工法に長けている作業員が工事を担当しているため、どのような状況にも対応可能です。これまで多数のビル修繕工事を担当してきたからこそ、実績を踏まえた上で適切な工事ができます。無料相談や無料見積もりも受け付けているので、ぜひ一度ご相談ください。
5.ビルの外壁に関してよくある質問
ビルの外壁に関する質問を5つピックアップしてみました。
Q.ひび割れの種類は?
A.ひび割れの主な種類として、ヘアークラックと構造クラックの2つがあります。ヘアークラックは幅0.3mm、深さ4mm未満の細いひび割れのことです。一方、構造クラックは幅が0.3mm、深さが4mm以上のひび割れで、建物の構造といった内部にまで影響を受けている可能性があります。
Q.ビルのひび割れを修理する方法は?
A.劣化箇所や症状などによって異なりますが、ひび割れを補修する際はコーキング材を使用します。ひび割れをコーキング材で埋めることによって、今以上ひどくならないように対処する方法です。ただし、ひび割れ箇所が多く、幅が広く溝が深い場合は外壁材の交換が必要になります。外壁材を交換する場合は、コーキング材で補修するよりも修繕費用が高額になるでしょう。
Q.ビルのひび割れを放置するとどうなるのか?
A.放置すればするほど、どんどんひび割れの幅や溝がひどくなり、雨漏りの原因になります。ひび割れによって建物の内部に雨水が浸入すると、コンクリートの爆裂につながるので注意が必要です。ビルの耐久性が著しく低下するほか、資産価値がどんどん落ちてしまいます。
Q.無足場工法にデメリットはあるのか?
A.あります。無足場工法の主なデメリットは、14階以上など高層ビルには採用できないという点です。基本的に、無足場工法は屋上に専用機器を設置し、そこからロープとつながった作業員が吊(つる)されながら作業をすることになります。高層ビルでの作業には危険が伴うため、無足場工法が採用できません。そのほか、屋上の形状が変わっているビルに対しても、無足場工法が導入できない可能性があります。
Q.ビルのひび割れを防ぐコツは?
A.優良業者を選ぶのはもちろん、定期的なメンテナンスや点検がビルのひび割れを防ぐコツです。定期的にメンテナンスや点検を行うことで、小さな異変や変化にもすぐに気づき、対応できるようになります。
まとめ
いかがでしたか? ビルの外壁で特に注意すべきなのは、ひび割れです。ひび割れを放置していると、雨水が建物の内部へ浸入し、コンクリートの爆裂や腐敗の原因になるので早急な対処が必要となります。また、ビルのひび割れを防ぐには、定期的なメンテナンスと点検が不可欠です。なお、できるだけ修繕費用を抑えたい方は、無足場工法を採用する方法もあります。オフィスチャンプでは無足場工法を用いてビルの修繕や外壁塗装を行っているので、ぜひ一度お問い合わせください。