断熱塗装と一般的な外壁塗装の違いは? 工期や費用相場と共に解説!


断熱塗装とは、熱伝導率の低い塗料を使用して外壁を塗装し、家をより住みやすくする塗装工事です。断熱工事というと大がかりなものを想像しがちですが、断熱塗装は通常の外壁塗装と同じように塗料を塗るだけで済みます。

そこで、今回は断熱塗装を行うメリットや費用、工法などを解説しましょう。

  1. 断熱塗装の基礎知識
  2. 断熱塗装の方法と業者の選び方
  3. 断熱塗装に関するよくある質問

この記事を読めば、断熱塗装を行った方がよい家の特徴などもよく分かります。興味がある人は、ぜひ読んでみてくださいね。

1.断熱塗装の基礎知識

はじめに、断熱塗装と一般的な外壁塗装の違いや、断熱塗装がおすすめな家などを解説します。どのような塗装なのでしょうか?

1-1.断熱塗装とは何か

前述のように、断熱塗装とは熱伝導率の低い塗料を使用して外壁塗装を行うことです。断熱塗装を行えば、外の熱が家の中に伝わりにくくなり、家の中の熱も外に逃げにくくなります。そのため、夏涼しく冬暖かい家になるのです。断熱材はしっかりと入っているけれど日当たりがよいので夏は暑くなりがちという家は、断熱塗装をするだけでだいぶ違います。また、断熱塗装と混同しがちなのが、「遮熱塗装」です。遮熱塗装とは文字どおり太陽光の熱が屋内に伝わるのをカットする塗装のことで、夏の日差しがきつい場所に建っている家には効果的でしょう。ただし、家の中の熱を外に逃しにくくなる効果はありません。

1-2.断熱塗装のメリット

断熱塗装をすれば、冷房や暖房を入れなくても過ごすことができる期間が長くなり、省エネになります。また、冷暖房を使わなければ、CO2の削減にも効果的です。

1-3.断熱塗装に向いている建物

断熱塗装は、日当たりのよい場所に建てられた建物に効果的です。日当たりのよい場所は家を建てるのにうってつけですが、直射日光が当たる時間が長ければ、それだけ家の中も暑くなります。また、事情があって断熱材があまり入っていないところでも、断熱塗装を行えば、過ごしやすくなるでしょう。ただし、天窓などを大きく作った結果、直射日光が降り注いで家の中が暑くなりやすくなったという場合は、断熱塗装を行っても効果は期待できません。

1-4.断熱塗装のデメリット

断熱塗料はまだ歴史が浅く、色の種類も明るいものしかありません。ですから、今まで焦げ茶色や黒などの外壁だった場合、断熱塗装をすれば家の印象ががらりと変わってしまいます。また、ほかの塗料に比べてやや塗装のひび割れが起こりやすいという特徴があるので、塗装にも技術が必要です。さらに、1平米の単価が一般的な塗料に比べると、どうしても高くなります。

2.断熱塗装の方法と業者の選び方

この項では、断熱塗装の方法や断熱塗装を行う場合の業者の選び方について解説します。ぜひ、参考にしてください。

2-1.断熱塗装の方法

断熱塗装の方法は、基本的に普通の外壁塗装と同じです。家の周囲に足場を組んで外壁の汚れを落とし、外壁の補修を行い、塗料を塗っていきます。なお、断熱塗装は屋根にも施せますので、屋根と壁を同時に塗ることも可能です。

2-2.断熱塗装の工期

断熱塗装の工期は、家の大きさによって異なります。家が大きければそれだけ外壁塗装を行う面積も広くなり、時間がかかるでしょう。1軒屋の場合は、工事期間を2週間~3週間程度とみていれば大丈夫です。また、塗装以外にも足場の組み立てと解体、壁の洗浄や修理などの時間も必要なので、工期が気になる場合はそのつど業者に聞いてください。なお、塗装をしている最中に雨が降れば工期は延びます。さらに、気温が5℃以下になると塗料がうまく塗れなくなるため外壁塗装が行えなくなるので、注意が必要です。寒冷地の場合は、春~秋に塗装を申し込みましょう。

2-3.断熱塗装の相場

断熱塗装は、1平米当たり2,400~3,800円前後が相場です。一般的な塗料で外壁塗装を塗るよりも、1.5倍ほど高価になります。また、塗料の種類も少ないので、業者が企業努力で安くするにも限度があるでしょう。ですから、通常の塗料並みの値段で断熱塗装を行うという業者は、信用しない方がいいですね。逆に、理由をつけて相場よりもかなり高額な工事費を請求する業者も信用できません。

2-4.業者の選び方

断熱塗料は、ただ塗っただけでは効果が出ません。メーカーが定めた厚さに塗る必要があります。ですから、下塗り、中塗り、上塗りと何度も塗り重ねて厚みを出すのです。このような厚塗りをむらなく行うには、技術が必要になります。いくら工事費用が安くても、実績がない業者には依頼しない方がいいでしょう。
また、前述したように極端に工事費用が安い会社にも注意が必要です。工事費用を安くするために、必要な量の塗料を使わないという業者もあります。塗料が必要量使われなければ断熱効果はありません。施工実績や口コミサイトの評判なども確認し、業者を選んでください。

2-5.アフターフォローも大切

優良な業者は、アフターフォローもしっかりとしています。工事を依頼する際、1年点検、3年点検などの話を一緒にしてくれる業者は信用できるでしょう。逆に、ろくに説明せずに契約を急かすような業者は信頼できません。

3.断熱塗装に関するよくある質問

Q.断熱塗装の寿命はどのくらいですか?
A.約13~15年ですので、一般的な塗料に比べるとかなり長く持ちます。

Q.断熱塗装をすれば、断熱材無しでも暖房効率は上がるでしょうか?
A.ある程度の効果は期待できますが、断熱材無しでは限界があります。

Q.断熱塗装は屋根にも塗れるそうですが、どんな屋根でも塗れるのでしょうか?
A.瓦屋根など塗れない屋根材もありますが、スレートやガルバリウム鋼板ならば問題ありません。

Q.断熱塗装は、明るい色しかないそうですがこれから色は増えるでしょうか?
A.増える可能性は十分にありますが、いつ頃何色くらい増えるのかはまだ分かっていません。

Q.断熱塗装は素人でも行えますか?
A.断熱効果を発揮するような塗り方を素人が行うのは、かなり難しいでしょう。無理をせず、業者に依頼してください。

おわりに

今回は断熱塗装の効果やメリットなどについて解説しました。断熱塗装は初期費用がかかりますが、一度行えば省エネで光熱費の節約にもなります。日当たりが良すぎて断熱材を入れていても夏が暑いという場合は、行う価値は十分にあるでしょう。業者を選ぶ際は何社かに見積もりを出してもらうと比較がしやすいものです。


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