ビルの外壁材はどんな種類があるのか? 外壁材料を選択する際のポイント


「ビルの外壁材料にはどのような種類があるのか」「どのようなところに注目して選べばいいのか」など、ビルの外壁材で悩んでいる方は多いでしょう。

ビルの外壁材はそれぞれ特徴があるため、しっかりと把握しておく必要があります。選択を誤るとビルの外壁に悪影響を与えてしまうので注意しましょう。

本記事では、外壁材料の種類と特性などを解説します。

  1. 外壁材料の種類と特性
  2. 外壁材料の環境への影響
  3. 無足場工法の利点
  4. 外壁塗装プロジェクトの計画と実行

この記事を読むことで、外壁材料の環境への影響や、無足場工法の利点も分かります。気になっている方はぜひチェックしてください。

1.外壁材料の種類と特性

まずは、外壁材料の種類と特性をチェックしましょう。

窯業系サイディング

現在、日本でよく使用されている外壁材が窯業系サイディングです。繊維質などをセメントに混ぜて作られているのが特徴で、窯を使用して高熱処理されています。窯業系サイディングは、デザインとカラーが豊富で初期費用を安く抑えられるという点がメリットです。耐火性が高く、施工期間も短く済みますが、作業員の腕で差が出る可能性があります。また、素材自体に防水性能がないので塗装が不可欠です。さらに、窯業系サイディングは、ほかの外壁材よりもこまめにメンテナンスをする必要があります。

金属系サイディング

ガルバリウム鋼板とも呼ばれている金属系サイディングは、耐用年数が長く、外壁材や屋根材として採用されている外壁材料です。表面にメッキ塗装が施されており、芯材には断熱材が使用されているため、窯業系サイディングよりも耐熱性に優れています。軽量化かつコストパフォーマンスが高いほか、耐震性と防音性にも優れているのが大きな特徴です。ただし、金属でできているのでサビが発生しやすく、傷がつきやすいというデメリットがあります。

樹脂系サイディング

プラスチック素材の塩化ビニル樹脂を用いて作られているのが、樹脂系サイディングです。樹脂系サイディングは主に海外で使用されています。日本では一般的な外壁材とはいえませんが、サビに強い特性があるので海沿いでよく使用されている外壁材です。また、凍害にも強い傾向があるため、東北や北海道などの寒冷地でも使用されています。ほかのサイディングに比べてメンテナンス回数が少なく、お手入れが簡単なのも大きな特徴です。ただし、色やデザインのバリエーションが少なく、初期費用が高いというデメリットがあります。

木質系サイディング

合板や天然木といった木材を使用している木質系サイディングは、自然そのものの温かみを感じられる外壁材として人気があります。断熱性に優れており、再生可能な資源を用いていることから環境への配慮も高く評価されている外壁材です。しかし、木質系サイディングは水分に弱い傾向があるため、定期的なメンテナンスが必要となります。長持ちさせるには、適切なケアはもちろんのこと、耐候性を高める塗装が不可欠です。

モルタル

砂・セメント・水を6:2:1の割合で混ぜ合わせた外壁材です。モルタル外壁は継ぎ目がなく、高い耐火性を持っています。90年代前の日本では主流となっていた外壁材ですが、サイディングが市場に出まわるようになってからは人気が衰えてきました。ただし、味わい深いデザインや遮熱性と耐火性に優れている点から、戸建て住宅などで使用されています。デメリットは、ひび割れが発生しやすく、汚れがつきやすい点です。

タイル

石や土などの自然素材を高熱で焼き固めたものが、タイルです。外壁材としてのタイルは、ほかの外壁材よりも高級感が生まれ、デザインが豊富という特徴があります。レンガ調のものから個性的な色合いも充実しているため、ほかの外壁材では表現できない見た目に仕上がるでしょう。また、メンテナンスに費用と手間がかからないのも大きなメリットです。ただし、初期費用が高く、作業員の腕によって完成度に差が生まれやすいデメリットがあります。

ALC

生石灰やセメント・珪石(けいせき)などが主原料となっている軽量気泡コンクリートのことです。戸建て住宅だけでなく、ショッピングセンターや高層ビルなどにも使用されており、屋根や床・間仕切りとしても使われている材料となります。ALCの外壁材を用いるメリットは、耐久性が高く、断熱性・耐火性・遮音性に優れているという点です。ただし、建物に取り付けるタイプの外壁材なのでパネル同士の継ぎ目が多く、ほかの外壁材よりも費用がかかります。

外壁塗料の種類もチェック!

外壁に用いるものは外壁材だけではありません。外壁材と同じく、外壁塗料の選び方にも注意する必要があります。外壁塗料の主な種類と特徴は、下記のとおりです。

  • アクリル塗料:低価格で発色はいいが、屋外での耐久性が低く、頻繁な頻度で塗り替えが必要。耐用年数は約5~8年
  • ウレタン塗料:さまざまな場所に塗装でき、価格も安い。耐用年数は約7~10年
  • シリコン塗料:一般的に使われている塗料で、コストパフォーマンスに優れている。耐用年数は約10~13年
  • ラジカル塗料:シリコン塗料よりも耐用年数が長く、費用対効果が高い。耐用年数は約12~15年
  • フッ素塗料:公共の建物に多く使用されている。耐用年数は約13~15年
  • 無機塗料:公共の建物や工場などで使用されている。耐用年数は約15~20年

2.外壁材料の環境への影響

ここでは、外壁材料の環境への影響を詳しく説明します。

エコ住宅の補助金や助成金が出てきている

近年、エコ住宅の普及に向けた補助金や助成金が注目されています。断熱性や気密性に優れているエコ住宅は、外気の影響を受けにくい特徴があるので光熱費を安く抑えられるでしょう。夏は涼しく、冬は暖かい環境を維持できるほか、環境にやさしい外壁材や塗料を用いることができます。環境への配慮が重視されている昨今、エコ住宅の補助金や助成金も充実してきているのです。補助金や助成金の中には、外壁リフォームや外壁塗装を対象としたものもあります。

環境にやさしい外壁材は「樹脂系サイディング」

前述したように、外壁材の中で環境にやさしいと注目されているのが、樹脂系サイディングです。プラスチックの一種となる塩化ビニル樹脂を主原料としており、環境にやさしい外壁材であることからアメリカやカナダなどの海外では高いシェア率を誇っています。樹脂系サイディングは顔料が表面に練りこまれているため、再塗装は不要です。メンテナンス性が高いという点も、環境にやさしい外壁材として注目されている要素となっています。

廃棄の仕方にも配慮する

環境にやさしい外壁材であったとしても、廃棄の仕方や燃やし方によっては環境に悪影響を与える恐れがあります。たとえば、塩化ビニル樹脂であったとしても、屋外でそのまま燃やすとダイオキシンが発生するものです。ダイオキシンは水環境や土壌に長期間残留し、生体にも影響をおよぼすといわれている難分解性の物質となります。日本のゴミ焼却炉は改良が進んでおり、ダイオキシンを発生させないような構造になっているので安心です。しかし、悪質な廃棄業者に依頼すると、ダイオキシンを発生させてしまう恐れがあるため、環境に配慮しているかどうかを確認する必要があります。

3.無足場工法の利点

ここでは、無足場工法の特徴と利点を解説します。

足場をかけない工法

無足場工法は、足場をかけない工法のことです。一般的に、外壁塗装や外壁リフォームを行う場合は、足場を設置するのが当たり前でした。けれども、足場を設置するには最低でも70cmほどのスペースが必要になり、足場の設置と撤去にも時間と手間がかかります。さらに、足場の設置と撤去費用は、全体費用の約3分の1を占めているといわれるほどです。足場をかけない工法を用いれば、工事期間が短縮できるほか、費用の節約にもつながります。

無足場工法の主な種類

では、無足場工法はどのような方法になるのでしょうか。主な方法としては、ロープアクセス・ゴンドラ・高所作業車の3つがあります。それぞれの特徴は以下のとおりです。

  • ロープアクセス:作業員が特殊ロープを使用し、屋上から吊(つ)り下がる形で作業する方法
  • ゴンドラ:作業員が乗り込む可動式のゴンドラを屋上から吊り下げ、作業する方法
  • 高所作業車:高所作業が可能なプラットフォームを設置し、作業車を使用する方法

無足場工法で使用するロープは安全性の高いものです。以前は、安全性の問題から使用されていませんでしたが、産業用ロープの普及によって安全性が向上し、現在ではさまざまな工事で使用されています。

狭いスペースでも外壁工事ができる

無足場工法の大きなメリットは、狭いスペースでも外壁工事ができるという点です。前述したように、足場を設置する場合はある程度のスペースが必要となります。けれども、無足場工法の場合は、人が1人分入れるスペースがあれば問題ありません。足場の設置が困難なスペースでも、外壁工事ができるのは無足場工法の大きな利点です。

防犯面での心配がない

無足場工法は足場を設置しないので、外部からの侵入を防ぐことができます。足場を設置する場合、建物に沿う形で足場が組み立てられるでしょう。外部からの侵入を簡単に許してしまうので、実際に足場をつたって空き巣に入られたというトラブルが起きています。無足場工法は足場を設置せずに、屋上からロープを吊るす形で作業するため、防犯面での心配がありません。

周辺環境や作業環境に合わせて対応できる

無足場工法は、周辺環境や作業環境に合わせて対応できるという利点もあります。足場を設置すると圧迫感が出たり、作業員が移動するたびに金属音が鳴ったりと周辺環境に悪影響を与えがちです。けれども、無足場工法なら足場を設置しないので、騒音や圧迫感といった影響が軽減できます。また、無足場工法は部分的に補修したいときや、予算に合わせて数回に分けて作業することも可能です。

4.外壁塗装プロジェクトの計画と実行

ここでは、外壁塗装プロジェクトの計画と実行に関するアドバイスを紹介します。

大規模修繕工事の項目を確認しておく

ビルの外壁塗装は、大規模修繕工事の1つとなります。大規模修繕工事とは、ビルやマンションといった大規模な修繕工事のことです。建物は経年劣化によって老朽化が進行し、さまざまな不具合が生じやすくなります。大規模修繕工事を定期的に行うことで、重大な不具合が防げるというわけです。なお、大規模修繕工事の項目としては、主に以下のような工事があります。

  • 塗装工事
  • 設備工事
  • 防水工事
  • シーリング工事

外壁の状態を調査し、プランを考える

大規模修繕工事として外壁塗装を行う前に、まずは外壁の状態を調べておく必要があります。現在のビル外壁がどのような状態かどうかをしっかりと調査しておけば、その状態に合わせた外壁工事ができるからです。ほとんどの優良業者は、工事プランを考える前に外壁調査を行います。外壁の状態をしっかりと調べれば、適切な工事プランも固められるでしょう。

大規模工事の大まかな流れ

では、大規模工事はどのような流れで進めることになるのでしょうか。大まかな流れは、下記を参考にしてください。

  1. 過去の改修履歴などをチェックしながら、状況確認とヒアリングを行う
  2. 現地調査と劣化診断を行う
  3. 現地調査の結果に基づき、改修提案とプランを検討する
  4. 工事計画の詳細を固め、業者と工事請負契約を交わす
  5. 着工→工事完了しだい、工程内検査を行う
  6. 工程内検査で問題点があれば、追加の修繕を行う

業者の中には、1~2年に1回のペースで定期点検を行うところがあります。大規模工事後の定期点検も、建物を維持するための大切なポイントです。

ビルの外壁塗装ならオフィスチャンプへ

ビルの外壁塗装を検討している方は、ぜひオフィスチャンプへご依頼ください。オフィスチャンプでは、無足場工法をメインとしたビルやマンションの外壁リフォームを行っています。外壁塗装やタイル工事、シーリング工事、外壁下地補修はもちろんのこと、外壁清掃といった清掃作業も可能です。無料相談や無料見積もりも受け付けているので、ぜひ一度ご相談ください。

まとめ

いかがでしたか? ビルの外壁材はサイディング・タイル・ALCなど、さまざまな種類があります。それぞれ耐久性や特性が異なるため、工事前にしっかりと把握しておくことが大切です。

また、適切な方法で工事をするには、外壁塗装業者選びも重要なポイントとなります。オフィスチャンプでは、ビルやマンションを中心に外壁工事を行っているので、外壁塗装や外壁材でお悩みの方はぜひお問い合わせください。


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